2022年11月05日
英女王国葬を讃えた方に知っていただきたいこと
最近エリザベス女王のお葬式がありましたね。日本の風習としては、エリザベス女王のお葬式に天皇陛下がご列席されるっていうのは何の違和感もないんですが、ただその時の日本のマスコミとか文化人その他のなんていうか騒ぎ方がですね、非常にこう歴史的な意識とか日本という国が今まで世界でどういうふうにやってきたかということを、まあすっかり忘れたような、とても品位がない態度だったものですから。私がちょっとテレビというかネットテレビでですね、批判をしましたら、かなりの反撃がありまして。酷いのは、イギリスが日本を尊重してくれるのありがたいじゃないかとかですね。それはびっくりしたんですけど。お葬式だからそういう変なことを言うのもおかしいじゃないかっていうのは、まあいかにも日本的な情緒の深いものがありましたね。
最近は日本はもうそういうことになってるんですけど、日本人はもっとしっかりしてたんですよ。要するに誠とかですね、恩とか、魂とかそういうものを重要視してきたわけですね。そういう点で言えば、非常にびっくりしましたのは、イギリスには日本のNHKと同じようなBBCっていう視聴料を取ってるような放送局があるんですけどね。そこが、エリザベス女王の葬式に対する批判的記事を出した。放送ですけど、テレビですけどね。それはどういうのかって、アフリカ諸国が謝罪がない葬式は反対である、と。南アフリカはですね、長らくイギリスの支配の中で苦しんできました。有名なアパルトヘイト、つまり人種差別政策が大っぴらに行われたわけですね。随分多くの黒人が不利を受け、あるいは殺されてきたわけです。
しかしそれだけじゃないんですね。イギリスがアフリカの国をどのくらい植民地にしてたかというと、エジプトからスーダン、その南北に渡るずっとやや東海岸側の国を南アフリカまで全部植民地にしていました。本国に対して何倍もの面積であるということわかりますよね。
「ウィキペディア イギリス帝国」から※1
それから西アフリカの方でも石油が取れるところとか、それから奴隷を連れて行くところなんかをですね、占領してたわけです。植民地だったわけですね。この時の長期に渡ったイギリス支配、そこで行われた人種差別、残虐行為。こういったものに対してエリザベス女王の葬式に当たっては、やはり謝罪すべきであるというのがアフリカ諸国の話だったわけですね。ここにはBBCの表紙をちょっと切り取っておりますが、王室は謝罪するべき、エリザベス女王死去でアフリカに再燃した感情、というのを出しておりまして。
記事の半分ぐらいは南アフリカが主体ですが、それ以外の国の動きも詳細に報道しております。私は大変に感心しました。私あのヨーロッパの国に対してちょっと考えがあるので、あまり普通は褒めないんですけど、イギリスのBBCと日本のNHKと比べて、これほど違うかというふうに思いましたね。日本のNHKは当面のこととか日本人の感情とかそういったですね、それから歴史的な背景を知らないふりをして、NHKが知らないというのは失礼だから知らないんじゃないってことになると、知らないフリをしてってことになりますね。
日本とイギリスの関係っていうのはもうずいぶん世界的に遠いんで。日本とイギリスの戦いとしては薩摩との薩英戦争ですね。これが日本の東海道でしたかね、島津の殿様が行列をして歩いていたら、そこにイギリスの士官かなんかが馬に乗って通ろうとしたので、無礼者ということで、護衛している薩摩のサムライが切り捨てたわけですね。それで江戸幕府はその時賠償金を払いましたが、薩摩は、いや悪いことしてないと、人の行列を馬で渡るという方が悪いんだからといって、屈しなかったわけですね。それで当時世界一強かったイギリスの東洋艦隊が6隻か7隻か戦艦が薩摩湾に入って、それで薩摩の鹿児島の街を大砲を撃って焼き払ったわけですね。これは戦争ではありません。これは虐殺です。戦争っていうのはいつも言ってますように、国際的な約束がありますから。日本は、日本が国際的な約束をちょっと破ったことをものすごく大げさに日本人は言うんですけど、ヨーロッパ人なんてのはもう常に約束破ってますからね。破って市街地を砲撃した。これに対して薩摩軍はちゃんと国際法に従って、大砲でイギリスの軍艦を攻撃した。だけども勝負にならなかったんですね。イギリスの軍艦に積んでいる大砲の方が、日本の陸地に据えてある砲台より、ずっと射程距離が長かったんですよ。多分イギリスの方はアームストロング砲、つまり螺旋状のところを弾は出てくるやつですから、射程も長いし命中確度も高い。日本のあの頃はまんまるのがドーンと出るものですから、射程も短いし、命中精度も悪かった。ところがそういう時は、天が必ず味方してくれる。こんなこと言うとまた怒られちゃうんですが、天が味方してくれてですね、そしてたまたま嵐になります。嵐になったので、イギリスの船が舵取りを間違って陸地の方に接近した。そこを狙って薩摩の砲台が大砲を撃ったら、それがイギリスの旗艦だったんですかね、当たって司令官が亡くなったり、かなりの人が死亡しました。結局この薩英戦争では、ちゃんと調べればいいんですが僕の記憶では、イギリスの方が死傷者が多かった。結局イギリスは敗退する形で、薩摩藩から出て行きます。こんなことは世界で初めてですね。もちろんあの日露戦争で日本がロシアに勝ったっていうのはもう大変なことで、これは日本人だから私が喜んでるって、もちろんそれもあるんですけど、有色人種が暴虐な白人の軍隊をやつけたという点では、この日英戦争はもう画期的なものなんですね。やっぱり薩摩の武士の魂と、それからやっぱり正義は譲らないんだっていうですね、そういう意気込みを感じます。
その後ロシアとの戦争の前には、日英同盟が結ばれまして、しばらく日本とイギリスの関係は良かったんですけども、日本の台頭が著しいことを見て、イギリスはちょっと警戒してですね、軍艦の排水トンの制限が国際的に認められる頃には日本とイギリスの関係は悪かった。
それで大東亜戦争に入りますと、イギリスは日本に宣戦布告します。それで日本はイギリスに対して攻撃をしますが、イギリスは世界の向こうですから、そんなところにはもちろん日本は行きません。香港島ですね。香港島にイギリスの要塞がありました。これは強固な要塞でしたね。イギリスの植民地政策っていうのは植民地に強固な要塞を置いて、その要塞で支配するっていう形なんですね。そうじゃないとこのアフリカの地図を見て分かりますように、イギリスというのは小さな国なので、ものすごく大きなインドとかオーストラリア、カナダそれからアフリカを植民地にしてましたから、それは植民地経営ができないんですね。ですから脅しでやってたわけですね。でそのイギリス要塞を落としたのが1941年の12月の24日でしたかね。非常に強い抵抗をしたんですけども、海外イギリス要塞が陥落しました。これも慎重に調べてみますけども、おそらく本格的なイギリスの植民地要塞を有色人種が陥落させたのは初めてだと思いますね。それから引き続きましてマレー方面軍の山下大将率いる日本の軍隊がシンガポールに攻め入りました。イギリスのシンガポール要塞ってのはイギリスの全世界植民地の象徴だったんですね。アジアではインド、ビルマ、それから今のタイですね。それからマレーシア。これ全部植民地でしたね。
あの頃アジアの国って、よく中学校の歴史の先生がですね、なんであんなこと教えるのかと思うんですけど、日本がアジア諸国を侵略したなんて言ってますけど、その頃アジア諸国ってなかったんですよ。例えば今インドネシアと言ってるところはインドネシアって名前すらなかったんですね。オランダ領東インドと、こういうそれが国名でしたね。まあそういうことでイギリスとの戦って、それでシンガポールを陥とし、その時にそのちょっと前にイギリス東洋艦隊Z部隊って言ったプリンス・オブ・ウェールズ、これはイギリス海軍の旗艦です。それから走行巡洋艦のレパルスですね。この2隻を日本の航空隊が撃沈させた。これは航空隊だけであんな大きな戦艦を撃沈されたの、後にも先にも多分マレー沖海戦だけだったと思うんですね。大変なことでした。ですから日本とイギリスの関係っていうのは常に日本が上です。日本の方が強いんです。
それから王室ということでもですね。日本の皇室は約2000年続いておりますが、現在のイギリスの王室はドイツから来たドイツ人ですね。で最初英語が喋れなかったんで、それでイギリスには立憲君主つまり議会が発達するという歴史を持っておりまして、長く言って500年くらいですね。ですから皇室の伝統から言っても、それから国の勝敗ですね、勝ち負けで言っても日本の方がずっと伝統もあり文明も日本が優れてるんですね。イギリスの対外戦争が日本の、僕が1回調べたら100倍以上ありましたね。ですから好戦的でもあり、差別的であり、人種差別もありという、そういう国ですが、それに対して平和国家であり歴史も4倍ぐらい長く、戦争しても日本が勝つということですので。ですから日本人がですね、イギリス皇室に天皇陛下ご夫妻が行けたのが名誉だなんて言ってる人がいてですね、ちょっと頭どうしちゃったのかなと思うんですけど。まあ多分歴史をご存知ないんですよね。イギリスよりか日本の方が文明から何から全部上ですからね。上だからって威張る訳じゃないんですけど、それは知ってる必要があるし、それを日本の子供に伝えることによって日本の子供はプライドを持って、傲慢になることないですよ、プライドを持ってしっかりと日本の将来をつないでいってくれると思うんですね。
ですからこのエリザベス女王のお葬式というのは、本当に今の日本人が魂もなくなって、歴史の知識をなくなったんじゃないかなと思って悲しくなった事件でした。
武田邦彦 ヒバリクラブ 2022.10.19
英王室は謝罪すべき? イギリスの王室葬〜シリーズ「日本」第3章 現代日本12
https://youtu.be/cYmzn3zuKEg
※1 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E5%B8%9D%E5%9B%BD
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