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2022年10月07日

日本の防衛の第2段階

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日本の防衛政策の第2段階について

どんな政策もそうですけど、基本的にはいっぺんに大きな変化をするってことは無理です。特に防衛の問題は、他の国との関係がありますから。やはり国連である程度の賛成が得られるというような、もちろん対米関係もそうですが、全体的に了解を得られるような形で進めていかないと、日本だけがいくら平和って気張っても仕方ない。第1段階としては、丸腰の人は撃たない。つまり核兵器とかミサイルといったものに対して圧力をかけておくってことです。日本がそう言ったからそうなるって言うんじゃなくて、そういう国際的雰囲気を作ることによって、実質的に平和の方に向かうという現実政策が必要だと思う。

第2段階の政策としては、領土外への軍事進出を禁止する。これもかなりの問題が起きると思うけれども、これは日本が国際的に言える。第2次世界大戦によって、日本が非常に頑張ったので、民族自決、つまりアジア、アフリカ諸国がそれぞれ独立した。アジアの独立が早くなり、日本が戦争が終わったのは1945年ですけども、それから10年経った1955年にバンドン会議というのが行われました。有色人種の大規模な国際会議としては初めて。小規模も入れますと、日本の東条英機首相が行った大東亜会議というのがその前にあるわけですが、これの功績も非常に大きく、やっぱり評価しなきゃいけない。特に日本の文化人とかリベラルの人たちが、積極的に有色人種側に付いたというか、有色人種とが白色人種がどっちが優れているかとか、そういうような人種差別の概念を頭から取ってほしいんですけども。
まぁそういうことです。ですから、どの時点で領土が確定したか。第2次世界大戦の時に確定した部分と、その後の独立戦争によって確定した分と2つありますね。例えばアジアの諸国、インドネシア、インドシナ、ベトナム、ラオス、カンボジアですね。それからアフリカの諸国、こういうところは独立した時の領土っていうのが保全されなきゃいけないし、中国共産党が占領したところ、例えばチベット、ウイグル、あと内モンゴル、満州というところは別途、第2次世界大戦後に独立国同士で戦争して占領したところ、それはやっぱり元に戻す必要があるという提案が必要だと思います。

国際的な関係で、日本がそういう国際的な政策をとっていくということが、最近まったくできませんが、これは日本が小国だからできないとかじゃない。日本が第1次世界大戦を勝ったときに、これはドイツを相手に戦って勝ったんですが、その後にベルサイユ条約、パリの講和条約がありますが、そのパリの講和条約では、西園寺公望とか牧野前外務大臣が行って、日本人が人種差別撤廃条項というのを主張しております。国際的には常に日本の立場を明確にして、どう考えても全員が納得する、特に宗教的に、キリスト教国もイスラム教国も賛成できるというようなものを提案していくっていうことが非常に重要じゃないかと思うんです。日本はお金だけだと言われないように、やはりそこはしっかりとやっていく必要があると思うんです。

従って、領土確定をして、領土外への軍事侵攻を禁止する。それからもう一つ、国際的な話は必ず現実問題を踏まえなければいけません。例えば国境問題で一番有名なのは、ドイツとフランスの間のアルザス・ロレーヌ地方です。この地方はドイツが強くなるとドイツ領、フランスが強くなるとフランス領になる。そのたびごとに小学校で、ドイツが占領したらドイツ語を教える、フランスが占領したらフランス語を教えるって言うようなことがあった。子供は困りますね。そこでアルザス・ロレーヌのところをどうするかっていう話し合いは別途行われるんですね。必ず独立国は境界付近で領土紛争があるので、この領土紛争については、もともと領土の外へ軍事進出を禁止するという提案をするとともに、例えば日本ですと北方四島だとか竹島とか、尖閣諸島と言った紛争地域、この紛争地域は紛争地域として認める。だからこれは両方とも必死になってやるわけです。
例えば北方四島だったら、日本は北方四島は日本のものだと。これは非常にちゃんとした理屈がありますね。ロシアの方はロシアの方で、やっぱりあるわけです。竹島についても、日本としては竹島は李承晩ラインという勝手に引かれたラインでやったわけで、双方の紛争地帯であると。尖閣諸島になると、中国そのものが尖閣諸島は日本領土だという風に言っていたわけですから、これはまだもっと強いですね。さらに実質的に、この3つの紛争地帯で日本が実質的に領有してるって言うのは尖閣諸島ですから。こういった紛争地域というものを、ちゃんと指定して、国際的な監視の下で、冷静に2国間で話し合いを続けるということをやっていくことが非常に重要だと思います。つまりここで言いたいのは、まず平和だと言って平和の祈りをすることも大切ですけど、やっぱり具体的には、第1段階の丸腰の人を撃たないという原則を国際的に認めること、さらに第2段階では領土外への軍事進出を禁止すること、それも現実的な方法を提案しないといけませんから、各国との領土の境界付近での紛争がありますので、それを具体的にどうするかということも含めて、日本が国際的な平和国家としてはっきりとした態度をとっていくことが日本の防衛になると思うんです。現在は日本はなかなかこういう議論が進みません。議論も3段階があって、専門家とか文化人とか、それから一般の国民の議論の段階。それを持ち上げて言って、オープンの下での専門家もしくはもう少し政策的な議論、そしてそれを決定という風に、何でも物事は、コンセンサスを取りながら行かなきゃならない。

参政党コンセンサスというのを提案しております。参政党は必ずコンセンサス作りからいくんだと、少し回り道のようでもあるけれども、コンセンサス作りで行くわけです。
コンセンサス作りをしなかった失敗の一番の大きな例がゆとりの教育です。ゆとりの教育っていうのは、文部省をあんまり悪く言えない。政界、学会、産業界、教育界全てが賛成した。提案のあったとき、それから制度が導入されるまで、みんなが賛成した。しかし制度が本当に現実的に採用されて、各中学校、高等学校でゆとりの教育が始まったら途端に、やめようとなった。少し個性的な人がリードした、文部省のその当時局長でしたか。それがあることはあるんですが、それよりむしろ学校の先生すらよく分からなかった、つまりコンセンサスどころか、実施方法も分からないうちに突入したってことがある。この辺ついては、文部省の方としては、推進派の人たちが色々言い訳があると思いますよ。そういうふうにしなきゃダメなんだ。

今、東海道新幹線を止めようなんていう人はいませんが、東海道新幹線を実際に引こうとした時は、2つ大きな反対がありました。一つはお金がかかりすぎる。だいたい当初から1兆円かかると言われたものを、無理矢理ある、えらい官僚がいて、運輸省に、3000億円でできるって言って、国会を通した。最初から1兆円で分かってたけど通した。そして工事を始めたらものすごくかかるんで、その課長は首を切られた。えらい課長がいて、日本のために犠牲になってくれるって言う場合もあります。そういった政策って非常に複雑で人間が絡む事ですから、そっと泣いてやるっていう事もある。
もう一つは、新幹線の騒音があって、そんな早いものを通すっていうことは、と言って環境運動家から相当の反対がありました。しかしこの環境運動家からの反対は一気に崩れたんです。なんでかっていったら、名古屋におられたその新幹線を反対してる環境運動家が新幹線に乗って東京に来たんですよ。
これはもうそれで崩れちゃった。新幹線は環境上悪いからやめろって言ってる人が、新幹線に乗って来ては、やっぱり話になりませんね。
そのようないろんなことがあるので、日本の防衛には第2段階が必要だということ、領土外への軍事進出の禁止、それから領土の境界紛争は別途だと。ここら辺のことについて、これはこの通りやれとかいうんじゃなくて、これを一つの参政党コンセンサスをつくる上で前提として、議論をし始めるっていう事じゃないかと思いますね。

武田邦彦 ヒバリクラブ
【武田邦彦のブログ】2022年2月13日 日本の防衛・・・(2)第二段階の政策 領土外への軍事進出禁止 領土の境界紛争は別途。
https://youtu.be/z3DXjqcJg9M


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