2016年02月13日
【都立中高一貫校】今年の入学辞退率から来年の傾向を知る
★ さあ、新しい気持ちで!
今年受検されたご家庭の皆さん、とにかくお疲れさまでした。
まずは、合格されたご家庭の皆さま、おめでとうございます。
ずっと目標にしていた学校でしょうから、期待に胸を大きく膨らませていることだと思います。
素晴らしい6年間を過ごせたらいいですね。
続いて、残念な結果となったご家庭の皆さま、暫くは難しいかもしれませんが、なるべく早く気持ちを切り替えて前を向いて頑張って行きましょう。
一般の公立中学に進学する子供が大半だと想像しますが、一般の公立中学で頑張るのもそんなに悪くないと思います。
勉強の話に絞って、一般の公立中学校のことを話しましょう。
一般の公立中学校でも、勉強のできる生徒はたくさんいます。
おそらく、都内の一般公立中学校の1〜2番ぐらいの生徒だけを集めて学校を一つ作ると、今のどの都立中高一貫校も足元に及ばないぐらいの凄く優秀な学校ができるだろうと思います。
それぐらい、優秀な生徒がたくさんいるものなんです。
そして、この優秀な生徒の多くが、高校進学時に西、日比谷や国立など都立トップ校に進むのです。
都立トップ校が都立中高一貫校よりも立派な大学合格実績を出している現状を踏まえると、公立中学にも優秀な生徒がたくさんいる事実を納得頂けると思います。
私の長女も一般の公立中学校に進学しましたが、友達と楽しく交流しつつも、勉強も結構頑張っていました。
そして、現在は都立トップ校の一つに進学していて、都立中高一貫校に進んだ友達に負けない学力を十分すぎる程に持っていると思います。
結局最後は、子供本人のやる気次第と思います。
やる気のある子供であれば、どんな中学校に進んでも、しっかりと実力をつけていくものです。
一般の公立中学でも、「常に上位の成績を取る」という目標を持って頑張れば、かならず道は拓けます。
「次のチャンスは逃さない!」という気持ちで、前を向いて進んで行きましょう。
ああ、気がつけば、また偉そうなことを書いてしまいました。
つい先日、ここ数年で妻よりも厳しくなった長女に注意されていたんだった。
「パパ、いつも思うんだけど、余計なことを偉そうに言う性格はどうにかならないの? このままじゃ、老後、誰からも相手にされないよ。」と・・・。
さて、今回もずいぶん偉そうな書き出しですが、今日は「入学辞退率」を見てみようと思います。(苦笑)
★ 入学を辞退する合格者達
「あの高倍率を勝ち抜き合格したのに、都立中高一貫校を入学辞退するとはもったいない。」
このように思う方は多いのではないでしょうか?
ただ、基本的な常識として抑えておきたいのですが、入学辞退はどこの学校でも発生します。
日本を代表する灘中学や開成中学でも、当然のように相応の割合で入学辞退者がでます。
例えば、灘中学ですが、募集人員180名に対して、合格者を例年210名程度出すのです。
最初から、過去の経験等から30名程度の入学辞退が出ると見越して合格者を発表するのです。
まあ、灘中学の場合、偏差値自慢の受験生が腕試しで受けることも多いのでしょう。
通学などの面で入学は無理でも、合格を勝ち取っただけで誇りにできますからね。
何はともあれ、どのような学校でも入学辞退者はでます。
複数の学校に合格した場合、各家庭の価値観に基づいて入学する学校を選ぶことになりますから、当たり前のことです。
それでも、都立中高一貫校は、全般的に入学辞退者数は少ないです。
やはり、学費が安いという経済的なメリットがかなり大きいですし、私立併願が増えているとは言え、都立中高一貫校のみを単独受検する子供の割合も相当大きいためだと思います。
ただ、都立中高一貫校の入学辞退者数は少しづつですが確実に増えています。
良くも悪くも、これが世の中の流れであり、現実なんだろうと思います。
まあ、なにはともあれ、各校の入学辞退の状況を具体的な数字で見てみましょう。
数字は嘘をつきませんから。
★ 入学者辞退率を見る
2種類のデータを準備してみました。
1つ目は、各都立中高一貫校の昨年と今年の入学辞退率を表したものです。
2つ目は、小石川と桜修館について、6年間の入学辞退率推移を男女別に表したものです。
<各都立中高一貫校の入学者辞退率>
XXXXXX2015年(昨年)X2016年(今年)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
小石川XXXX13.8%XXXXXX17.5%
桜修館XXXXX7.5%XXXXXX10.6%
武蔵〇XXXXX9.2%XXXXXX10.0%
両国〇XXXXX7.5%XXXXXX10.0%
三鷹〇XXXXX4.4%XXXXXXX6.3%
富士〇XXXXX3.3%XXXXXXX5.0%
南多摩XXXXX4.4%XXXXXXX3.8%
大泉〇XXXXX3.3%XXXXXXX3.3% →
白鴎〇XXXXX2.6%XXXXXXX2.7%
立川国XXXXX3.1%XXXXXXX2.3%
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(平均)XXXX6.0%XXXXXXX7.3%
※ 東京都教育委員会が公表した数値から算出しています。
((合格人員−入学手続人員)÷ 合格人員をパーセントで表示)
※ 男女の合計を平均化した数値です。
※ 一般枠の合格人員と入学手続人員のみをカウントしています。
※ 九段は表に加えていません。
※ 2016年の入学辞退率の高い学校順に表示しています。
<小石川と桜修館の男女別入学者辞退率の推移>
XXXXXXXXXXX2011年X2012年X2013年X2014年X2015年X2016年
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
小石川・男X:XX7.5%→X9.0%→25.0%→11.5%→13.9%→16.3%
小石川・女X:X10.3%→11.3%→14.1%→14.1%→13.8%→18.8%
桜修館・男X:XX6.3%→X5.0%→11.3%→13.8%→X5.0%→X5.0%
桜修館・女X:XX2.5%→X8.8%→10.0%→11.3%→10.0%→16.3%
※ <各都立中高一貫校の入学者辞退率>同様に算出しています。
★ 数字を見て思うこと
〇 偏差値との相関
上の<各都立中高一貫校の入学者辞退率>を見て、何か気づきませんか?
そうです。
「入学辞退率の高い順」≒「各校の偏差値順」となっていて、この2つに大きな相関があるのです。
内容をもう少し見てみましょう。
入学辞退率の程度で各校をグルーピングすると、次のようになります。
A:小石川
B:桜修館、武蔵、両国
C:三鷹、富士、南多摩、大泉、白鴎、立川国際
「このグルーピング」と「様々な進学塾が公表している偏差値表」の並び順は、かなり似ています。
難関・中堅上位の私立中学と併願する人達からの人気はA→B→Cとなっていて、この併願組の割合が高いと必然的に進学塾での偏差値も上昇するのです。
当たり前ですよね。
入学するしないに関わらず、全受検生の合否と模試結果が翌年の偏差値算出に使われるのですから。
今の都立中高一貫校の立ち位置では、難関・中堅上位の私立中学の合格を蹴って、都立中高一貫校を選択する家庭の割合はまだまだ低く、偏差値が高い学校ほど入学辞退率が上がる図式となっています。
(見方によれば、偏差値を高くする子供達は入学辞退する確率も高いでしょうから、入学する子供達だけの実質的な偏差値はもう少し低いと言えます。)
上位の都立中高一貫校には、各校の特色をもっと上手く発信し、難関・中堅上位の私立中学よりも都立中高一貫校を選択させる魅力作りという大きな課題があるのです。
この課題をクリアできないと、都立中高一貫校の更なる進歩はありません。
〇 男子は目先で、女子は総合的に
次は、上の<小石川と桜修館の男女別入学者辞退率の推移>で気がつくことを話していこうと思います。
まず、小石川と桜修館の男子の入学辞退率推移を見てもらえるでしょうか。
この数字を見ると、男子の保護者というのは大学合格実績に敏感だとわかります。
小石川を見ると、2014年、2015年、そして2016年と、大学合格実績が少しづつ上向きになるに従い、毎年コンスタントに難関・中堅上位私立中学の併願層が増えたようで、結果として入学辞退率が階段状に上がっています。
(ちなみに、2013年の25%という数値は、入学後の不安を感じての辞退がこの年に限り多く出たと想像します。2013年は一期生の大学合格実績を見た翌年の受検です。小石川の一期生の大学合格実績はかなりネガティブに評価されたケースが多く、翌年の受検生への影響は相応にあったろうと思うためです。)
桜修館を見ると、2013年・2014年にいきなり急上昇しましたが、2015年・2016年には低い数字に戻りました。
桜修館の場合は、一期生・二期生の大学合格実績が高く評価されましたので、この評判を聞いて難関・中堅上位私立中学との併願者が急増し、入学辞退率も上がったのです。
しかし、三期生・四期生の大学合格実績は一期生・二期生ほどにインパクトがなかったため、難関・中堅上位私立中学の受験者の関心も低下したように見えます。
このように、男子の難関・中堅上位私立中学の併願者数は、前年の大学合格実績の良し悪しと連動しやすいと言えます。
男子の保護者は、志望校の前年の大学合格実績には要注意ということです。
一方、女子の保護者は、前年の大学合格実績という目の前の数字より、もっと総合的な学校の評判・評価を見ているように思えます。
小石川も桜修館も、女子の入学辞退率は上下の動きを繰り返しがらも右肩上がりとなっていて、両校ともに今年は過去最高の数値となりました。
両校共に今年の女子については、難関・中堅上位私立中学の併願者数が過去最高だったはずと言うことになります。
両校共に今年合格した女子受検生の学力レベルも、これまた過去最高?かもしれません。
それにしても、5年前の桜修館女子の入学辞退率は、わずか2.5%でした。
1期生が卒業するまで、難関・中堅上位私立中学の併願者などは皆無に近い学校だったろうと思います。
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※ 2016年の各都立中高一貫校におけるZ会会員合格者数:白鴎(41名)、桜修館(41名)、三鷹(27名)、小石川(22名)、九段(21名)、南多摩(20名)、大泉(19名)、富士(17名)、立川国際(17名) 、武蔵(15名)、両国(11名)
Z会は適性検査と同じ「考えさせる」系統の問題が多いため、このように大勢が各都立中高一貫校で合格しているのだろうと思います。
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以上
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