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2016年04月23日

【都立中高一貫校】 「ena」はなぜ都立中高一貫校に強いのか < Part2 >





★ 「ena」と都立中高一貫校

気がつけば、4月も下旬となりました。
 
ここ2か月ぐらいは、大学合格実績などの記事ばかり書いてきたので、「このあたりで流れが変わることを書こう!」と、ほんの少しですが気合いを入れて書き始めています。(笑)

流れが変わること、・・・・・、う〜ん。

そうそう、2016年実績を考慮して、もう一度、「enaのことを書こう!」と思います。

昨年、「Shall_we_try都立中高一貫校?」のブログの方で、次の記事を書きました。

【都立中高一貫校】 「ena」はなぜ都立中高一貫校に強いのか」 ← クリックして下さい

この記事、約1年前に書いたにも係らず、今でも毎日多くの方に読んで頂いています
この記事へは、昨日1日だけも25件、2月ぐらいのアクセス増加期では1日で50〜100件のアクセス数があり、人気記事の一つにして頂いています。
 
googleやYahooの検索で、この記事が引っかかりやすい(例えば「ena」&「都立中」などで検索すると上位に表示される)ことに理由があると思います。
しかし、そもそものところで、「ena」という進学塾の注目度の高さから、「ena」のことをネットで調べる方が非常に多いことに根本的な背景があるのでしょう。
 
やはり、この状況を踏まえると、「ena」に触れず、都立中高一貫校の受検対策は語れないです。
 
今や、都立中高一貫校の受検マーケットを独走する「ena」、今年も状況をちょっと見てみましょう。

 
★ 「ena」の実績

「ena」をご存じの方も多いと思いますが、簡単に紹介をすると、こんな感じかと思います。 

東京都の多摩と23区西側を中心に数多くの教室を展開する「ena」は、「都立に強い」をキャッチフレーズに、主に、都立中高一貫校を目指す小学生と都立高校への進学を考えている中学生を指導しています。
 
そして、この「ena」は、都立中高一貫校の受検において、圧倒的な強さを発揮しています。
 
まあ、言葉でウダウダ書くよりも、数字で実績を見てもらいましょう。

< 「ena」の各都立中高一貫校の合格者数推移 >
XXXXXXXX2011XX2012XX2013XX02014XX2015XX2016
---------------------------------------------------------------------------
X立川国 :X083XXX083XXX102XXX097XXX094XXX100
X三鷹X065XXX080XXX086XXX093XXX089XXX096
X南多摩 :X058XXX094XXX087XXX098XXX094XXX095
X武蔵X066XXX056XXX078XXX076XXX071XXX083
X富士X018XXX025XXX039XXX050XXX070XXX064
X大泉X011XXX037XXX046XXX052XXX044XXX057
X小石川 :X004XXX014XXX026XXX026XXX040XXX051
X白鴎X000XXX003XXX011XXX015XXX029XXX036
X九段X005XXX002XXX015XXX025XXX038XXX035
X両国X000XXX001XXX005XXX017XXX016XXX033
X桜修館 :X003XXX006XXX019XXX027XXX039XXX032
---------------------------------------------------------------------------
X合計X313XXX401XXX514XXX576XXX624XXX682

年々、合格者数は右肩上がりです。
いやいや、凄いです。
23区東側でも、着実に実績を上げつつあります。
 
2016年の全都立中高一貫校の募集枠⁽一般⁾は1,398名で、補欠合格者を考慮すると、全合格者は1,500名弱です。
「ena」からの合格者数は682名ですから、およそ合格者2名中1名が「ena」出身ということになります。
  
そして、気になるのが、「ena」の合格率ですが、これは公表されていませんから不明です。
ただ、昨年の記事で「ena」関係者⁽と推測される方⁾から頂いたコメントでは、2015年⁽?⁾の合格率は25%と言うことでした。
これが事実とすると、更に凄いと思います。
 
なぜ、凄いのか。
小規模な塾とは違い、「ena」は合格者の半分程度を占める巨大な塾なのです。

2016年の都立中高一貫校全体の受検倍率は、6.3倍⁽合格可能性16%⁾です。
その状況にして、合格者の約半分を輩出する「ena」の合格率が2016年も25%程度だったとすると、計算式の記載は省略しますが、「ena」出身でない子供の合格率は、11〜12%となります。
「ena」に通うか否かで、合格確率が倍程度変わってくるということなんです。
 
これで「ena」の凄さがわかるというものです。
(合格率25%の信ぴょう性に疑問ありと感じるかもしれませんが。)
 

★ 「ena」のビジネスモデル

去年の記事にも書きましたが、この「ena」の快進撃の理由はどこにあるのでしょうか?

私の考えは1年前と変わりはありません、
したがって、去年の記事と同じような記載から話を進めたいと思います。
 
「ena」の快進撃の理由は、「学習指導が他塾よりも格段に優れているため」というよりも、「時代にマッチしたビジネスモデルを他塾に先駆けて構築できたため」と、私は考えています。
  
都立など公立中高一貫校の受検対策について、他の大手進学塾はあまり積極的ではありません。
都立中高一貫校だけでも毎年1万人程度が受検するのですから、マーケットとしては決して小さくないものの、やはり適性検査の出題範囲が私立入試に比べて狭く、大手進学塾にはビジネス上の旨味が少ないからだと言われます。
 
相応のマーケット規模がある都立中高一貫校の受検において、このような他の大手進学塾が手を出さずに見ているだけの中、「ena」はいち早く都立中高一貫校受検対策の指導体制を整え、「都立に強い」という看板を立てながら多数の教室を急速に展開できたのです。
JRや私鉄各線の駅ごとに隈なく小規模の教室網を拡げていて、交通アクセスを良くすることで、とにかく「多くの子供を集める」ことに軸足を置いた戦略で、大成功を収めました。
  
まさしく、ビジネスの成功例です。
 
いやいや、まだまだ「ena」って商売上手いなぁ〜と思うポイントがあります。
 
それは、残念ながら都立中高一貫校に不合格となった子供達を、都立高校受験の塾生に取り込むスキームを上手く整えていることでしょう。
 
このような言い方をすると「ena」関係者に叱られると思いますが、「ena」にとっては、子供達が都立中高一貫校に合格しても、不合格となっても、どちらに転んでもビジネス的には良いのです。
もちろん、子供を教える先生の感情としては、「1人でも多くの子供に合格してもらいたい」と思っているでしょうけど・・・。
ビジネスの視点では、どちらに転んでもおいしいビジネスモデルとなっているのです。
 
都立中高一貫校の合格者が増えると、やはり大きな宣伝効果を生むものです。
この宣伝効果で、黙っていても、新しい子供達がまたわんさかと集まってきます。
 
一方で、不合格者が多く出ても、それはそれで、新たな塾生をコストを掛けてゼロから募集しなくとも、目の前にたくさんの塾生候補がいることになるのです。
「3年後、都立トップ校にリベンジしよう!」などと、甘い言葉でその気にさせれば、不合格となった子供達を高校受験の塾生として、また3年間囲い込めるのですから。
 
「ena」のビジネスモデルで最も大切なことは、「とにかく多くの小学生を集めること」なのです。
  

★ 受検勉強で大切なのは塾に頼らず塾を使うこと

今、既に書いた部分を読み返してみました。 
どうも、「ena」は悪代官のようなずる賢い手法でお金を稼いでいるトーンで書いてしまったかもしれません。
 
しかし、私は「ena」を悪く思っている訳ではありません
商売が上手いということを言いたかったのであり、「ena」の急成長は「受検対策」以上に「優れたビジネスモデル」に要因があると言いたいのです。
  
私は、自分の子供達を「ena」など規模の大きな塾に行かせたことがないので実情をはっきりわかっていないだけなのかもしれませんが、都立中高一貫校の「受検対策」には特別な手法はないと思っています。
したがって、「ena」も他の進学塾も、その「受検対策」に大きなレベルの差はないと考えています。
 
都立中高一貫校の「受検対策」で大切なことは、子供が「能動的に考える」環境を整えて、論理的な思考力を引き上げることです。
 
子供が「能動的に考える」ためには、塾に頼らず塾を使うことなんだろうと思います。
常に、論理的な思考を身に付けるという意識を持ち、受検対策を進めれば、どのような塾に通っても良い結果につながるはずです。
(もちろん、塾に通わないという選択肢もあります。)

進学塾に行く場合は塾の名前や実績だけに惑わされず、子供が「能動的に考える」環境を整えることを第一に考えることが大切です。

      
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私はこの言葉からいつもパワーを頂いています。
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<ご参考>


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2016年の各都立中高一貫校におけるZ会会員合格者数:白鴎(41名)、桜修館(41名)、三鷹(27名)、小石川(22名)、九段(21名)、南多摩(20名)、大泉(19名)、富士(17名)、立川国際(17名) 、武蔵(15名)、両国(11名)
Z会は適性検査と同じ「考えさせる」系統の問題が多いため、このように大勢が各都立中高一貫校で合格しているのだろうと思います。

 

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〇 論理的な文章構成力を習得するための本

都立中高一貫校の適性検査対策は、「論理的な」考え方を身に付けることです。
各校で出題形式に差がありますが、作文はいかに論理的な文章を書けるかがポイントとなります。
論理的思考による文章の書き方を指導している福嶋国語塾の福嶋先生の本から、都立中高一貫校の適性検査対策に最も適したものを紹介します。
 
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「やる気」を出す系統の本には、根拠レスな気合論の内容が多いものです。
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以上
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posted by powerstudy at 20:28| Comment(3) | TrackBack(0) | Bその他
この記事へのコメント
2名合格様

コメントありがとうございます。
 
2名合格様がおっしゃる通り、enaは「合格者が増える」→「母数が増える」→「合格者が増える」・・・の好循環の真っ只中にいると思います。
23区東側でも、合格者が増え、一人勝ちの状態ですね。
 
私はこの記事でenaのことを、良く言うつもりはなく、かと言って悪く言うつもりもなく、「受検指導の力はどこの塾でもかわらないでしょう」と言いたかったのです。
 

通りすがり様
 
コメントありがとうございます。
 
なるほど、「10時間以上の指導実績のある生徒のみを合格実績にカウント」しているのですね。
確かに、10時間ぐらいならすぐにカウント対象が増えそうですね。
このあたりも、商売上手な部分なのかもしれません。
 
ただ、私は、どこの進学塾でも、都合の良いように合格者数が多くみえる基準でカウントしていると思うのです、程度の差はあれども。
 
まあ、塾の場合、実績がそのまま指導力と映り、塾生の集めやすさに直結しますから、ある程度はどうしても甘い基準でのカウントとなるのでしょう。


また、ぜひコメントをお願いします。
 
Posted by gogo(ブログ主) at 2016年04月28日 23:56
ご存じかと思いますが、
enaでは「10時間以上の指導実績のある生徒のみを合格実績にカウントしています。」(公式ページより)

10時間というのは、夏期講習などの無料体験に数日参加すればあっという間にこなせる時間数です。
その合格実績には本科生ではない無料体験だけの子・少しの期間だけ通った子などが多く含まれているということを忘れてはいけません。

enaは、都立を受験したい子をあの手、この手で大勢集めているだけです。
Posted by 通りすがり at 2016年04月28日 21:39
enaは、どんどん校舎を多摩→区内へ増やして、合格数を増やしています。
多摩地区特に2校はもう数年ぐらい満杯で、合格者は大して増えてないと思います。

母数が増えれば、合格者も増えるので、それにごまかされてはいけません。
一応、こちらは多くの方が見られるので、誤解を生まないようにお願いします。
Posted by 2名合格 at 2016年04月28日 14:54
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以前、「Shall_we_try都立中高一貫校?」というブログを書いていました。 都立中高一貫校ブログを始めて2年という節目を迎え、記事記載の方向性を見直し、新たなブログで再出発しました。この新たなブログでは、「@受検(受験)勉強の方法 」と「A倍率など様々な数値から見る都立中高一貫校を取り巻く環境分析」の2視点をメインに話を展開していきます。
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