2018年11月22日
心筋梗塞を発症しやすい時間がある?そもそも心臓ってどんな臓器か
歌う葬儀屋、イタゾーです。
心筋梗塞について記事を書いてきましたが、ここでは基本的なこと
『心臓のはたらき』や
『心筋梗塞と狭心症の違い』
『もし心筋梗塞が起きた場合の処置』
などをご紹介します・・
<<心臓のはたらき>>
心臓は左右の肺の間にはさまれ、体の中心よりやや左、横隔膜の上の方に位置しています。
心臓は心筋と呼ばれる筋肉でできており、大きさはその人の握りこぶし程度です。
私たちの心臓は1分間に約70回、毎分約5.6.(ペットボトル大・約3本分)、1日にすると約10万回も収縮と拡張を繰り返すことで、全身に血液を送るポンプの役目をしています。
さらに心臓が一生の間に送り出す血液は、15万トンタンカー1隻分に相当しますから、このポンプがいかにタフで優れているか分かるでしょう。
脳、肺、胃、腸、肝臓などすべての臓器は、心臓から送られる血液によって酸素や栄養分を受け取り、活動しているのです。
もしも心臓が止まったら・・
全身の機能が停止してしまう、直接私たちの生命そのものに関わる臓器です。
<<冠動脈とは?>>
心臓があたかも冠をかぶったように、心臓の周りを走行している血管が冠動脈で、心臓の筋肉細胞に酸素や栄養を供給しています。
冠動脈は大きく分けて2本あり、左右に1本ずつあります。左の冠動脈はさらに大きく2つに分かれて、左前下行枝と左回旋枝になります。
特に左の冠動脈が、血液を送り出す心臓の部屋に酸素や栄養を与えているので、より重要度が高い血管です。
<<動脈硬化とは?>>
年齢とともに血管は傷つき、その機能が低下し、やわらかさも失われてきます。
動脈硬化とは、血管の老化とも呼べます。
年齢以上に血管の老化を進める因子には、肥満、高血圧、糖尿病(血糖が高い状態)、脂質代謝異常(中性脂肪やコレステロールが多い状態)など、多くの要因が密接に絡んでいます。
これらが複合的に重なって、動脈硬化が促進されるのです。
動脈硬化は、肌のシワやシミなどの老化現象と異なり、外部からはわかりません。
気づかないまま、動脈の壁にプラークと呼ばれるコレステロールや脂質などが蓄積した病変が進行し、血液の流れが悪くなる結果、ある日突然、狭心症や心筋梗塞といった重篤な病気を引き起こすのです。
<<心筋梗塞はとくに早朝・冬場にご注意>>
わが国の心筋梗塞の発症数は、魚食から肉食≠ネどの食生活の西洋化が進んだことや、
人口の高齢化によって増加傾向にあります。
1979年から30年間の調査では、心筋梗塞の発症数は1979年当時の4倍にも達しています。
発症時の平均年齢は男性が65歳、女性が75歳で10歳の違いがあります。
女性の発症年齢が遅いのは女性ホルモンの影響と考えられています。
中年以上の男性では、特に肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常がある場合は、注意しなければなりません。
心筋梗塞の発症は早朝に多く、また冬場に多いことが知られています。
冬場に多い理由は、暖かい室内と寒い室外、同じ室内でも寒い脱衣場と暖かい浴室など温度差で血圧に大きな変動を生じ、心臓・血管に負担をかけるからと考えられています
(これをヒートショックと呼びます)。
<<狭心症と心筋梗塞との違いは?>>
狭心症や心筋梗塞は、虚血性心疾患(「心臓の血が虚=ない」病気)としてまとめられています。
血液の流れが悪くなり、心筋への酸素・栄養の供給が足りなくなった結果生じるのですが、その症状や重症度は大きく異なります。それらの違いを解説します・・
<<狭心症とは?>>
症状
・胸のあたりに圧迫されるような痛みや苦しさを感じます。
・人によっては、あごやみぞおちに症状が広がる場合もあります。
・数分から長くても15分くらい安静にしていると痛みが治まります。
狭心症は、冠動脈の中が動脈硬化のために狭くなり(冠動脈硬化)、心臓の筋肉に血液・酸素が十分に送られなくなるために起こります。
また、冠動脈の痙攣(スパズム)により急に縮んでしまう場合(冠動脈スパズム)でも、心臓の筋肉へ血液・酸素が供給できなくなります。
血管の痙攣は、早朝、朝方などに起こりやすく、喫煙や寒冷刺激がきっかけになるといわれています。
最近3週間以内に新たに発症した場合や、発作が次第に悪化しているような場合(痛みがひどくなる、発作回数が増える、あまり運動していない、もしくは安静にしているのに発作が起こる、などの変化が現れた場合)は、「不安定型」といい、心筋梗塞へと進みやすいので特に注意が必要です。
<<心筋梗塞とは?>>
症状
・胸の中央、または左胸部に鉛のかたまりをのせたような重苦しい強い痛みです。
・焼けつくような激しい痛みで、肩や背中、首などにも痛みが放散します。
・(狭心症とは異なり)30分以上長く続くのが特徴です。
・冷や汗や吐き気、呼吸困難を伴うことがあります。
心筋梗塞は、冠動脈の血流がほとんど止まって通じなくなり、酸欠と栄養不足から、心筋の一部が壊(え) 死(し) するほど悪化した状態をいいます。
心筋梗塞は、動脈内にできたプラーク(コレステロールが蓄積してできた動脈硬化病巣)が破綻し、その破綻部に血栓ができることで起こります。
ただ、今の段階ではこのプラークの破綻がどういう場合に、どういったタイミングで起こるかは、まだしっかりとは解明されていません。
現在では、心臓専門のコンピュータ断層撮影(CT)を用いて、冠動脈の性状をある程度、診ることができるようになりました。
しかし、心筋梗塞が将来発症するかどうかを診断することまではやはり難しいのが現状です。
<<病院を受診すべきタイミングは?>>
体験したことがない胸痛や、圧迫されるような胸苦しさがみられた場合は、早めに検査を受けるようにしてください。
心筋梗塞によっては、痛みを覚えない場合もありますし、軽い症状でおさまる場合もありますが、
自ら感じる症状の強さと病気の重症度は、必ずしも一致しないことがあります。
何らかの異常症状があったら、そして繰り返すようならば、その強弱に関わらず早期の専門病院への相談・受診をおすすめします。
時間をおいてはいけません。すぐに119番に電話を!
睡眠中など深夜に症状が起こった場合、我慢強い人は朝まで様子をみようとして、かえって手遅れになることがあります。
また、女性では痛みを感じながらも我慢してしまい、病院へ行くまでの時間が長くかかってしまう傾向にあります。
基本的には、早期発見、早期治療が病状の深刻化を避けるために最も大切なことと心がけてください。
時間が掛かるほど、手遅れになる可能性が高まるのです。
関連記事
→心筋梗塞の後遺症と脳に残る障害
→心筋梗塞の前兆をチェック!背中/肩こり/あご・・
→心筋梗塞の前兆をチェック/検査方法も進化
タグ:心筋梗塞 発症 時間
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8323047
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック