2024年02月23日
ステキなおじ様物語「銀縁眼鏡の知的な中年」
ペンネーム:ぶんこ
もう随分前のことですが、すてきなおじさまという言葉で今でも鮮明に思い出すのが、22歳の頃、大学を出てすぐに勤めた会社の同じ課にいた課長代理です。
素敵必須アイテム:銀縁眼鏡
大学生までは、まわりにいた男性も所詮は学生。
車を運転する姿に大人っぽさを感じたりはしたものの、
やはり社会に出てから出会ったバリバリの知的ビジネスマンには足元にも及びませんでした。
特に群を抜いて素敵だったのが、同じ課にいた課長代理です。
年の頃は30代後半でしょうか。
キリっと鋭い眼差しに、細いフレームの銀縁眼鏡がただものではない「デキる男」を象徴していました。
初対面での紳士的態度
新人として部署に配属された初日、課長がそれぞれの社員へ新入社員の私を紹介してくれたときのこと。
皆さんそれぞれお仕事に忙しそうで、「ああ、どうも、xxです」とちらりと見ながら挨拶してくれる人がほとんどだったのですが、
その課長代理は違いました。
とても忙しそうなのに、さっと席から立ちあがり、
しっかりと目を合わせて「どうも、xxと申します。これからどうぞよろしく」とにっこりとしてくださったのです
ご自分の名前もゆっくりと発音し、漢字まで教えてくれました。
たかが新人の女の子、と軽くあしらうのではなく、
しっかりと一人の人として向き合ってくださったその紳士的な態度に「これこそが大人の男の人だ!」と感動したのでした。
モテそうだけれどあくまで家族想いの愛妻家
当然モテるだろうなと思っていましたが、
やはり他の部署でも課長代理のかっこよさは有名でした。
同期の新人女性が何かの用事で私のデスクに来ると、
必ずといっていいほど「ちょっと、あのかっこいい人、誰?!」と興奮して聞いてくるほどです。
そんな課長代理は、当然妻子持ち。
奥様とは学生時代からの付き合いだそうで、お子さんはまだ、幼稚園にも入っていないかわいい年頃です。
私が入社する前には一年上の先輩方をご自宅に招いたこともあるそうで、「絵に描いたような幸せそうな家庭」だと聞いていました。
美人の奥様は、「この人学生時代は全然かっこよくなかったのよ〜。私がここまでにしたの」とさらっとおっしゃったそうで、今の課長代理があるのは奥様の手腕によるものなんだなと感心したものでした。
会社にもときどき奥様から電話があり、受話器をとった課長代理が「何?!xx(お子さん)が熱?大丈夫か?早く帰るようにするから」なんて会話が耳に入ってきて、「ああ、奥様になりたい・・・」と心の中でつぶやいたものです。
新人にも平等な礼儀正しさ
課長代理はもちろん容姿もすてきでしたが、一番いいなと思ったのは新人でも部下でも分け隔てなく扱ってくれたところです。
外回りに出かけられる際に、作業をしていた私とふと目が合い「いってらっしゃい」と声をかけると、無言の笑顔でうん、という風にうなずきかえされ、
胸がきゅんきゅんしたのを覚えています。
かっこいいけれども外見だけで、礼儀のない人や家族を大事にしない男性は本当にすてきとは言えないとあらためて思います。
きっと今では「すてきな熟年」になられているであろう課長代理に、なんだかまた会いたくなりました。"
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