2018年03月25日
ミステリーサスペンスとオカルトホラーとしての怪談「ファミコン探偵倶楽部2−うしろに立つ少女」より
「ファミコン探偵倶楽部2-うしろに立つ少女」は、無印の「消えた後継者」より少し前。
主人公が私立探偵である「空木」の元に転がり込み、はじめてヒロインである「あゆみ」と出会った時の物語である。(キャラクター一覧についてはこちら)
仄暗い怖さと推理の深さ、物語の複雑さを持った作品で「ディスクシステム」が初出とは思えないシナリオの濃厚さを持った名作でもある。
現在は3DSへダウンロードする(公式ダウンロード版)か、ファミコンミニ、ゲームボーイアドバンスで遊ぶ。
もしくはニコニコ動画などでプレイ動画を見ることで作品にふれることが出来る。
日本最大級の動画サイト【niconico】
それにしても、ミステリーとホラーは時々ごっちゃになることがある方も多いのではないだろうか。
ミステリーは主に殺人事件の犯人を暴いていく作品が多く、ホラーは心霊的な恐怖がメインとなる。
しかしミステリーとホラーは紙一重とも考えることが出来るため、ごった煮のにようなってしまうことも少なくないと言えるだろう。
ファミコン探偵倶楽部2のあらすじをかいつまんで説明すると、空木探偵事務所に身をおくことになった主人公が出会った事件を解決する物語である。事件とは、ある日川辺で考察された女子高校生が発見された事件である。
この事件が高校が主体の出来事、ということで丁度同じ年齢の主人公を調査員として潜り込ませ、生徒たちから情報を引き出し推理していくことになる。しかし高校に行くと、学校では「うしろに立つ少女」の話でもちきりとなっていた……。という物語。
最終的には殺人事件の犯人をつきとめる、という形に行き着きリアルな殺人事件が解決。ということになるのだが、物語の中には「うしろに立つ少女」と呼ばれる学校の怪談の存在が強く残っている。夜学校から出て後者の方へ振り返ると、校舎の窓辺に立っている、というこの学校怪談はゲーム内の学校で実際に起こった事件が元となっているのが、ストーリー中でわかる。
しかし川で死んでいた少女も「うしろに立つ少女」について調査をしている時に殺される、ゲーム中呼び声が聞こえる(声の主は作中で解るが、はじめてのプレイ時には驚くことも多い)、鏡に後ろの少女が立っていたと驚いた生徒が怪我をする、といった「心霊現象」=「学校の怪談」を体験している感覚に襲われる。
「学校の怪談」は現代化した現在も根付いている、閉鎖空間ならではの怖い話であり、狭い世界の食物連鎖を煽ってくる恐怖がある。
ホラー映画の「リング」に見られるような、犠牲を免れるための調査行為はホラーの基本にもなりつつある。被害者が不幸な事故で亡くなっている場合が多いために、こういった傾向が増えていると言える。しかし元々「エクソシスト」の様なホラー映画は調査行為は完全にプロ(この場合は教会)が裏でやっていることであって、自ら解決しに行くことはない。
最近はミステリー映画に、「見立て殺人」や、閉鎖された文化のムラと言った、学校のような閉鎖空間が多く登場している部分もあるだろう。「某じっちゃんのマゴ」あたりの様な物語と言えば想像しやすいだろう。劇場型の作品が多いのである。そういう意味では近頃の「うしろに立つ少女」は先端を行っているとも言える。
この現象がミステリーとホラーが混ざる人もいるのではないかと思われる。
などと書いたが、私もミステリーとホラーが混ざった世界観はとても好きである。おそらくこの現象の良い部分は、物語に情緒的なボリュームを加える事が出来るからなのではないかと思う。
同じミステリーでも、「金田一耕助」の「八つ墓村」の様な、登場人物の人間的な部分を描いたものもすばらしいし、どうしようもなく理不尽なだけのホラーもすばらしい。ただそれらが少なくなっていくのは少し、寂しい。
完全に話がずれてしまったが、「ファミコン探偵倶楽部2」の魅力は、この怪談に呑まれることなく、程良い程度で混ぜられているので、ちょっとだけホラーが見たい!という人にはオススメです。
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