エラリー姫百合ファンのブログ

※下記記事は、ＷＧＰ２０１４のネオスタンダードルール大会に焦点を当てております。
　トリオ、タイトルカップについては言及していませんのでご注意ください。
　（なお、全体的なニセコイのデッキ考察はこちらを元にしています）


「２０１４年後半の環境を制しているタイトルは何か？」と問われた場合、ほとんどの人は「ニセコイ」と答えるでしょう。
汎用性の高い４色のイベントカード、それに記憶対応した優秀なキャラカードたち。
控え室に落ちたカードの回収も容易であり、全体的に安定したプレイを行えるのが強みだと私は考えます。


とはいえ、カードゲームである以上、あまりに抜きんでた性能を１つのタイトルが持つという状態は、あまり好ましいものではありません。
ヴァイスシュヴァルツは１つのタイトルでカードプールが完結しており、各タイトルのキャラクターたちが作品の枠を超えて戦うことができることが売りの一つとなっています。そのため、１つのタイトルが他のタイトルを圧倒する性能を保有してしまうことは、公認大会におけるタイトルの独占を招いてしまいますし、何より他のタイトル使用者の不満を買うことになってしまいます。


２０１４年１１月１１日現在、大規模公認大会・ブシロードワールドグランプリ２０１４（以下、ＷＧＰ２０１４）仙台大会にて、大会の上位８名のタイトルがすべてニセコイだったという情報がTwitter上に流れて物議を醸しています。
ブシロード公式から関連情報がアナウンスされていないため情報の真偽は不明ですが、ＷＧＰ２０１４大阪大会でも２ブロック６名の上位者のうち５名がニセコイとなっており、仙台大会も似たような状態になっていると推測します。







ニセコイのルール規制については色々な方が言及していますが、その筆頭にいるのは「乙女心 万里花」です。
記憶達成でアタック時の無条件１点バーン効果を獲得し、さらに再スタンド能力を持つこのカード。
再スタンドのコストは決して軽くないので、やり玉になっているのはバーン効果の方だとみて間違いないでしょう。
私自身も対戦経験は何度かありますが、無理にリバース効果を展開させずとも、２面展開して（１点バーン＋フロントアタックによる２点ダメージ）×２するだけでも十分な仕事といえるでしょう。


とはいえ、ニセコイの強さはこの「乙女心 万里花」だけにあるわけではありません。
どんな強さを持つカードでも、それを手札に呼び込まなければ何の意味をなさないからです。




かつて、レンジャーズストライクというゲームがありました。
その中において、「環境の破壊者」と呼ばれたカードが「仮面ライダーディケイド（ＸＧ３）」です。
ヴァイスシュヴァルツでいうと「ソウル１以下の相手キャラを無条件で毎ターン控え室送りにする」というキャラを毎ターンデッキから特殊登場させる能力（それ以外の有用カードも晩年には出てきましたが、ここでは割愛）を持ち、大幅な環境変革とデッキの固定化を招いた存在です。

とはいえ、このカードの恐ろしさは単体で出来上がったわけではありません。
このカード自身はレベル２以降でしか登場できず、「レベル２以降ならソウル２のキャラも出てくるし、デッキには刺さらないな…」という状態にもなりえたからです。
そうはならなかったのは、このカード自体をレベル１どころかレベル０で登場させることが可能になるオペレーションカード（ヴァイスシュヴァルツでいうイベントカード）が存在し、その使用コストも破格に安かったためです。
かくして、ディケイドデッキにはディケイドデッキで対応するしかないという環境が定着し、レンジャーズストライクは高速展開が常識になっていきました……。







話がだいぶ脇道にそれました。
何が言いたいかというと、個人的には「乙女心 万里花」と少なくとも同程度に「乙女心 小咲」に着目すべきというところです。
記憶達成によってデッキと控室の状態に左右されない早出し＆作品のキー特徴のサーチが可能、というその汎用性の高さは恐ろしく使い勝手がいいものです。
ニセコイには疑似リフレッシュ能力をもつ「白衣の天使 小咲」がおり、疑似リフレッシュを挟んでから「乙女心 小咲」を登場させ、再度「白衣の天使 小咲」をサーチする、という運用もできます。
当然「乙女心 万里花」をサーチしてもいいですし、レベル応援、助太刀や集中、その他のカードを手札に引き込んでもいいです。
ともあれ、相手に合わせて柔軟に対応をとれることが「乙女心 小咲」の強みとなっています。

パワーも１０５００ラインに立て、低くはありません。
「乙女心 万里花」の影に隠れつつありますが、「乙女心 万里花」の登場を待たずに「乙女心 小咲」のサーチと圧縮により負けた、という経験が私自身にあるだけに、このカードを軽視することはできません。



ニセコイのアニメ２期がほぼ決まっている以上、ニセコイの追加ブースターもほぼ約束されています。
そうなれば新しい詰め能力を持つレベル３キャラは登場するでしょうし、そのキャラが「乙女心 万里花」の立場と変わるだけで環境はほとんど変化しないことが予想されます。
もしニセコイに規制がかかるとすれば、「乙女心 万里花」だけではなく、「乙女心 小咲」にも同様の対処をとらなければ、再び２０１４年後期と同じような状態になるのではないかなぁと私は考えています。


最後に。
現時点でのニセコイに規制については、「乙女心 万里花」、「乙女心 小咲」、「白衣の天使 小咲」の３種選抜になるのではないかと私は予想しています。
この３枚を入れていないデッキはほとんどないですし、どのカードもヴァイスシュヴァルツ上では有能な働きをするカードばかりなので候補としては間違いなく上がることでしょう。
とはいえ、上述したように追加ブースターが来た際には「乙女心 小咲」選抜でデッキを組む人が多くなりそうなので、単純な３種選抜で今後も対応していけるかは疑問です。