2017年08月28日
雑感 〜「認知症」ぢゃあ、ダメですか?〜
今年の夏は冷夏でしたが、百円ショップ(百均)で購入した上記画像のものは、高齢者福祉施設(老人ホーム)のレクリエーションや、子供たちとの縁日などのおでかけに大活躍でした。
さて本題です。
所謂ベテラン介護職員から利用者家族への言葉。
「〇〇さん、最近は『認知(ニンチ)』が進んでるみたいで…」、「〇〇さんは『ニンチ(認知)だからしょうがないよ』
それらのやりとり、私はいつも不快に感じています。
何故か…。世間一般で言われる「認知症」。
その定義として、私は「脳の器質的疾患によって引き起こされる、不可逆的な脳機能の低下」と考えています。
要は「脳みそが萎縮や変形し、それによって治ることのない、様々な認知機能における障がい」と言ったところでしょうか。
一方で「認知」という言葉。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5
ウィキペディアでも↓
介護・福祉の分野において「ニンチがある」など使われている場面がうかがえるが、これは正しい用法ではないばかりではなく逆の意味となる。
現場および有識者の間で【ニンチがある】とは誤った用法であり、専門職は正しく【認知症状がある】または【認知機能に支障がある】と使うように指導・啓蒙を行っているが浸透できていないのが現状である。
ということが書いてあります。
自称他称含め、「専門家」が多い、福祉関係者。
このような言葉遣いをしていては、「リスクマネジメント」どころではないと思います。
幼稚園児や小学生の間でかつて流行った遊び。
コンナノ↓
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1430463554
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1443989164
他人をバイキン保持者として、自分をバリアする遊びです。
所謂「ニンチ(認知)」。
言語の誤用だけでなく、稚拙な「差別的」発言とも思えるのは私だけでしょうか。
利用者を対象に「ニンチ(認知)」と呼ぶことは、上記の遊びとたいして変わらないと私は思います。
何らかの「認知症」という診断がある利用者は「認知症の進行」。
「認知症」の診断がなく、物忘れを始めとする脳機能の低下が見られた場合は「認知機能の低下」などと適切な説明をすることが、今後の介護サービス事業者には必要になってくるのではないでしょうか。
現時点でアリセプト(ドネペジル塩酸塩)・リバスタッチパッチ(イクセロンパッチ)・レミニール(ガランタミン)・メマリー(メマンチン)など様々な認知症の薬が販売されています。
が、認知症の症状が改善される例は決して多くなく、認知症を取り巻く事態は混迷しています。
これらの薬によって更に、「認知症」の症状が悪化した例を数多く見てきました。
物忘れ(短期記憶障がい)が代表的ですが、認知症の周辺症状として不穏状態や帰宅願望が代表的な「の心理・行動症状(BPSD)」。
人によっては暴力・暴言、性的亢進などの一筋縄ではいかない、困った症状も見られます。
今日は「物忘れ」にフォーカスを当ててみましょう。
しばしば、「認知症になるのが怖い」といった相談を、比較的認知機能面でクリアーな通所介護利用者から相談されます。
それぞれの認識に差はありますが、所謂「物忘れ」により、「周囲に迷惑をかける」といったことや、「自分が分からなくなる」ということに対する恐怖が大きいようです。
そういった方々に私は「すぐに忘れてしまうというのは、痛みや苦痛をすぐに忘れられるので、決して悪いことではないのです」といつも話しています。
疼痛(痛み)や、先程受けた介護に対する不満や苦痛等を、すぐに「忘れられる」ことは認知症患者の「特権」と私は考えています。
ネガティブな表現として使われることが多い「認知症」。
「考え方を変えて、ポジティブな表現として変換することも、たまには良いのでは?」と、慢性的な人手不足など暗い話題が多い介護現場で常々、考えています。
高齢者の「認知症ぢゃあダメですか?」という質問に、「認知症でもイイんです。大丈夫ですよ」と答えることができるよう日々、症例等や症状への対応などを実践的に学んでいるところです。
PS
介護現場に多い「若くてカワイイだけのお姉さま方」。
LINE(ライン)やE-MAIL(メール)は不得意な私ですが、彼女らからのメッセージの接続詞について。
数年前から「じゃあ」ではなく、「ぢゃあ」といった表現が多いと思うのは、私だけでしょうか。
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