善勝寺(ぜんしょうじ)は、群馬県前橋市端気町にある天台宗の寺院である。本尊は鉄造阿弥陀如来坐像(重要文化財)。
伝説
正嘉2年(1258年)に北条時頼が善勝寺を訪れた時のこととして、次のような伝説がある。その頃の住持、覚山は門前の桜の木をこよなく愛していたが、そこを出家の身となり諸国行脚をしていた時頼がたまたま訪れ、覚山と語り合った。時頼は桜を褒めるとともに、海がないのに塩釜桜があることに驚き、以下の和歌を詠み桜の枝に短冊を捧げた。
海毛那久 磯辺毛遠幾 古乃里爾 何礼乃阿満賀 植之塩釜
(うみもなく いそべもとおき このさとに いずれのあまが うえししおがま)
この桜は既に枯れて現存しないが、貞享元年(1684年)の『前橋風土記』は、善勝寺の門前に長さ数十丈の桜の古木が2本存在し、花が開くさまは白雲が天を覆うが如くだったことを伝えている。
文化財
重要文化財
鉄造阿弥陀如来坐像 - 仁治4年(1243年)の在銘で、鎌倉時代の作。丈2尺8寸8分(約90センチメートル)、重さ23貫400匁(約88キログラム)。元和元年(1615年)に小坂子村の水田中から発見され、小堂に安置されていたが明治12年(1879年)に善勝寺に献納され本尊となった。昭和3年(1928年)古社寺保存法により旧国宝に指定、昭和25年(1950年)文化財保護法により重要文化財指定。背面に以下の陽鋳銘がある。
所在地 群馬県前橋市端気町337
位置 北緯36度24分41.5秒 東経139度5分59.6秒
山号 艮場山
院号 慧雲院
宗旨 天台宗
本尊 阿弥陀如来(重要文化財)
創建年 延暦または大同年間(790年〜806年)
開山 勝道
正式名 艮場山 慧雲院 善勝寺
札所等 関東百八地蔵尊第23番
関東薬師霊場第47番
文化財 鉄造阿弥陀如来坐像(重要文化財)