●「ほぼ皆既」月食だそうです
今夜(11/19)は部分月食が見られるそうです。 なんでも「部分」とはいえ、「ぼほ皆既」月食なんだぞうで、 これを書いている時点ではまだ始まっていないのですが、 全国的に天気がよさそうで、観測日和ですね(筆者も結局中座?して観察してました)
ところで、「月食」で、思い出したのですが、 この現象について解説したドキュメント等では、概ね「太陽・地球・月がこの順に一直線に並ぶ(月が衝に入る)事で月が地球の影に入る」 と、いう様な説明がなされていると思います。
でも、これだと常に満月の時には月食が、新月の時には日食が起きそうじゃないですか? その辺りについてきちんと説明しているドキュメントというのは案外少ない様で、 ちょっと検索掛けてみた程度では殆どみつかりませんでした。 (過去にひとつだけみつけたのですが、サイト名等は失念して仕舞いました…)
で、結論から先に言えば、これは月の軌道(地球中心の視点では「白道」といいます)が、 黄道面(地球が太陽を周回する軌道が囲う楕円とその延長上の面)に対して傾斜(約 5.14°)している事に因るのですが、 先述の様なドキュメントでは、「天の(北)極」から見た模式図で月食(や日食)を説明していたり、 そうでなくても白道面の傾斜については言及がなかったり(まあ、スペースも限られているでしょうからね)と、色々な事情があるでしょうが、この辺りがなかなか解り難いわけですね。
言葉だけで説明しても中々伝わり辛いと思いますので、 図を作ってみました。(この図は原因を説明する為の簡便なもので、実際の軌道を写したものではありません、念の為)
fig. 01
この様に、黄道面に平行な方向から見ると、 「衝」だからといって、必ずしも太陽ー地球ー月が一直線に並ぶわけでは無いのですね。 言い方を変えると、月が(白道面と黄道面との)交点付近に居る時に「衝」になれば、月食が起きる、 という事になります。
でも白道面の傾斜って高々 5° 強程度でしょ?そんなに変わるもんなの? と、思う方も居るかも知れませんが、実際の 地球ー月 の距離は 平均 385,000km もあります。 tan 5.14° = 0.08995... ですから、 先程の月までの距離を掛けると、 34,631.273...[km] と、 最大で太陽の北極・南極方向へ、それぞれ月自身の直径(平均3,474.3 km)の約10倍もの距離を上下している事になりますね。
…と、まあ、満月の度に月食が起きない(新月の度に日食が起きないのも)のはこんな事情に由るのですが…伝わったでしょうか?
※ 説明の足りない部分や用語の使用法等一部曖昧な部分がありましたので、加筆・修正しました。
ついでと言っては何ですが、昨夜撮影した月食の画像を掲載します。 カメラの設定ミスで解像度の低い画像になって仕舞いました…次の機会に再チャレンジ!
太陽と月の位置関係により起きる通常の「朔望」とは影の様子が全然違っているのが判りますね。
※ 亦候、用語の使用に不適当と思われる箇所があったので訂正しました(11/26) 「太陽の北極」→「天の(北)極」
面目次第も御座いません… いけませんねぇ…