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2015年03月19日

冬の瀬戸内(3)「海ぞいに漁港をむすぶ」

b.しかし、この小峠は三叉路(サンサロ)になって、太子堂やバス停もあって、このエリアでは市が立ちそうな雰囲気、

DSC00118.JPG

a.しかし、これも難読というか、珍しいというか、読めへんなあ、バス停にもなってる「子父雁」、

b.そのまんまでエエみたいっすね、「こちちかり」で、

a.なんか民話から来てる地名みたいや、

b.お母さん家出したんすか、

a.あるいは、この子を産むさいに難産で他界したとか、

b.そんなうら悲しい物語があったんすか、この峠道に、ううっ、

a.自分で物語りこさえて自分で泣いてたら世話ねえ、

「なき母よ 海を飛び交(カ)う 子父雁(コチチカリ)」、

b.つぎの小峠を越えると、ようやく鹿忍(カシノ)から宝伝(ホウデン)へ地名が変わり、行政エリアも瀬戸内市から岡山市東区へ、

a.宝伝(ホウデン)もすごい地名やな、

b.それにしては慎(ツツ)ましい(=質素な)ふつうの漁港ですね、

DSC00120.jpg

a.ここから向かいの犬島へ定期便が出てる、

b.あの煙突みたいなのは、

DSC00122.jpg

a.最盛期は3千人も働いていた銅の精錬場跡地、今は美術館になってる、工場跡地もふくめて、

http://mouse.mix-ict.net/topics/detail.php?id=259

b.じゃあ「宝伝(ホウデン)」と言うより「銅伝」か、

a.しかし、今日はずっと雲がエエなあ、

DSC00125.jpg

b.雲が良いと風景が映(ハ)え(=引き立ち)ますね、

a.そしてまたひとつ峠を越えると、久ヶ井(クグイ)漁港、

DSC00126.jpg

b.宝伝(ホウデン)よりもさらにひなびてますね、

a.向かいの陸地は児島半島やから、右に回り込めば、児島湾、その先に吉井川の河口がやがて見えてくる寸法、

b.ずいぶん戻ってきた感が、

DSC00133.jpg

a.そして、瀬戸内海ともそろそろお別れや、牛窓の中心部と比べてどうやった?

b.まず海岸線はこっちのほうが何倍も変化に富んでオモロイっすね、クルマもきわめて少ないし、まあ、その分アップダウンはあるけど、この景色ならじゅうぶん元がとれそうな、

a.ああ、そっちは行き止まりや、ここで休憩しよう、

DSC00134.jpg

b.今回は珍しくモノクロが多いっすね、

a.カラーやと色調に遠慮して控え目な写真になるけど、モノクロなら思い切ってやれるしなあ、

b.なるほど、雲をしっかり雲らしく表したいと、

DSC00135.jpg

a.うむ、今日は一日中、モノクロにしたいほど良い雲が出てた、オマケに海やと自然にキャンバスも広がるしなあ、

b.ところで、ここから先は最後の峠道、もう海はおがめないんすか、

a.見える事は見えるけど、水門湾や児島湾になるから個人まりしたながめや、

b.なるほど、水門湾にそってひっそりした漁港の集落が続いてる、ここも独特の風情やなあ、

a.児島湾より小粒やさけえなあ、昔ながらの細やかな味わいが残ってる、

b.そんな細やかな水門町を代表するような神社がこれか、

a.亀石(カメイワ)神社、あの囲いの中に御神体の亀石(カメイワ)が、

DSC00136.jpg

b.泳ぐんすか、実際に、

a.バカを言うもんぢゃあない、しかし、なにか事があればその限りではない、

b.ガメラのように空も飛ぶんすか、

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a.バカを言うもんぢゃあない、しかし、なにか事があれば、その限りではない、

b.そんな勇姿も見たいけど、やっぱり何事も起こらんのがイチバンすね、

a.ほんまや・・・

DSC00138.jpg


2015年03月14日

冬の瀬戸内(2)「牛と鹿の海」

b.ここは牛窓町鹿忍(カシノ)地区、牛窓といい鹿忍といい、変わった地名や、

「牛と鹿 海をながめる 多島美の」、

a.本来なら、ここまで来て牛窓の歴史的町並みを見ないじゃ済まされんが、

b.「日本縦断こころ旅」の目的地も牛窓港やったなあ、火野さんが岸壁で読者からの手紙を読んでたけど、そこに出てくる親切なおじいさんも鹿忍のヒトやったなあ、

a.しかし、今回は牛窓というごちそうを目前にUターンしたい、

b.そのこころは?

a.他にもすばらしい景色がたくさんあることを、読者の方々に知ってもらいたいから、

b.じゃあ正面に見える神社の森の右手へ、海ぞいに進むと、

DSC00102.JPG

a.こちら側から進むと、左側通行が海ぞいという利点もあるし、高台を進むコースが多いから見晴らしもいい、

b.牛窓町は岡山を代表する野菜の産地、ならではの光景がここにも、

DSC00106.JPG

「青ばかり 島・海・畑 それぞれに」、

a.スッキリした風景、それぞれ直線で区切られて、

b.フェリーが残す白波の航跡(コウセキ)もまた直線、

「直線で すっきりえがく 瀬戸の海」、

b.ところで、正面は島すか、

a.牛窓の前に浮かぶから前島、そのまんまや、

b.じゃあ海をはさんで左手が牛窓中心部か、

a.昔ながらの港町らしく、ぎっしりと押し寿司のように家が立ちならぶ、

「押し寿司の 家ぎっしりの 港町」、

b.この辺は対照的にスカスカ、

a.スカスカで自転車には気持ちいい道、クルマも少ないし、瀬戸内は見晴らせるし、

b.いかにもバブル期に建てられたような別荘群のむこうに、先ほどの野菜畑が小さく見えてる、

DSC00109.JPG

a.拡大するとこんな感じか、

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b.あのフェリーは小豆島(ショウドシマ)と牛窓をむすぶ定期便っすね、きっと、

a.あの船の中にどんな人間ドラマがあるんや、

b.「砂の器」の丹波哲郎演じる今西刑事が乗っていそうな、

a.「なに、本浦千代吉(モトウラ・チヨキチ)が(ハンセン病療養所で今も)生きてる!?」(映画「砂の器」終盤)、

b.そういえば、牛窓のすこし先にハンセン病療養所が、

a.細長い小島にふたつ、長島愛生園と邑久(オク)光明園・・・映画で今西刑事が本浦千代吉(モトウラ・チヨキチ)に面会したのはこの島かもなあ、

b.ところで、我々は現在標高60mもない小松が峠を越えたところですけど、がらっと雰囲気が変わりました、

a.峠を下ると西脇海水浴場、しっかり白い砂浜や、

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b.真正面に小豆島(ショウドシマ)、きれいな稜線(リョウセン=山のライン)ですね、

a.近江舞子あたりからびわ湖ごしに近江八幡をながめると、ちょうどこんな感じや、

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b.なるほど、そういえば似てますね、やはり、みずうみ風な海なんすね、瀬戸内海は、

「瀬戸内は みずうみ風な おだやかさ」、

a.おまけにびわ湖より圧倒的に島が多い、

b.瀬戸内特有の多島美(タトウビ)、そういえば忘れてたけど、瀬戸内海全体が国立公園、

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「多島美の 海を旅する ちぎれ雲」、

a.ああ、なんもいらねえ、この景色だけでココロが満腹、

b.安上がりでいいっすね、

a.ホンマや、チャリはガソリンいらへんし、吸うてる空気はただやし、

b.しかし、ここもまだ鹿忍(カシノ)なんすね、

a.どこまで鹿忍(カシノ)なんや、

b.しかし、フラットな砂浜も終わって、今度はじわじわ登りはじめた、

a.息がつらいけど、だんだんドラマチックに、

b.これなんかシンプルかつドラマチック、

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a.どんな情景が描けるかなあ、

b.やはり、ここでヒトとヒトが出会うっちゅうのが、エエんちゃいます、

a.立ち止まって会話するんか、

b.いや、立ち止まらんと無言ですれ違うほうが、広重の浮世絵みたいで旅情があるかもなあ、

a.チャリ同士でか、

b.そうすね、しかし、そうなると自転車メーカーのプロモーションビデオみたいかなあ、

「立ちこぎの 峠の2台 海ひかる」、



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