話題の部分から始まります
南郷(なんごう)さん、それだ、ロン!
なんで、しょっぱなから、借金オトコ、南郷(なんごう)さんの役まわり、させられるんや、
いや、なんとなく言ってみたかったんで、とくに深い理由は、
まあ、声もええしムキムキやし、べつにええけども・・・
ところで、人生60年も過ぎてから、初めてピストに乗って、そろそろ一年たちますけど、そもそもピストってなんすか、
広い意味やったら、変速ができない自転車は、すべてピストにふくまれるけど、そうなると、20s以上もする、鉄のかたまりみたいな実用車もふくまれるんで、まあ、10s前後のスポーツタイプで、あえて、変速機能をはずした自転車と、そう考えたらええんちゃう、
なんで、わざわざ便利な変速を付けないんすか、
自分もそれがずっと不可解で、まったく興味なかったんやけど、大阪でピスト専門店をやられてるナカセさんのチャンネルとかに影響されて、いざ乗ってみたら、単焦点(たんしょうてん)レンズのような、雑味(ざつみ)の無い清々(すがすが)しさがあって、
ちなみに、よりコアな(本質を追い求める)ピスト乗りの人々は、ナカセ氏のように固定ギアを選択するのですが、筆者にとってまったくの初体験となる固定ギアは、身の危険を感じるほど乗りづらいので、今後も、子供のころから乗り慣れたフリーギアでいこうと思っています。ちなみに、市販されてるピストも、そのへんの安全性をふまえて、すべてフリーギア仕様になってます。また、ナカセ氏も開発に協力したといわれる、定番ピスト、フジのフェザーですけど、なぜだか、必須(ひっす)と思われるボトルケージ用取り付け穴が無いため、要注意っす!
ちなみに、単焦点レンズってなんすか、
ズームレンズは、画角(がかく)を変えられるけど、固定焦点レンズは、広角なら広角、望遠なら望遠のまま、画角が変えられないんや、
そんなら、ズームのほうが便利でええんちゃいますの、
そう、自転車の変速と同じで、カメラも、広角から望遠まで、ひとつのレンズですべてカバーできれば、もちろんメチャ便利なんやけど、
べんりやけど、なんすか、
ピストや固定焦点レンズは、その不便(ふべん)さが楽しいというか、すがすがしいというか、ノイズが少ないというか、
ノイズ?
変速とかズームとかの便利機能があると、それに頼るかどうかで、つねに心に微細(びさい)な迷いが生まれて・・・構造上も、より複雑化するし、そのぶんのノイズもふえるわけで、
どういうことすか、
ピストや固定焦点レンズのばあい、はじめから、変速やズームができないって分かってるから、迷うこと無く、今のギア比や画角で、ひたすら走り方やフレーミングに集中できるけど、変速やズームがあると、今の自分に合わせて、変速や画角のほうを変えてやろうか、それとも、変速や画角は今のままで、自分のほうが走り方やフレーミングを変えていこうか、いつも、その二択(にたく)でココロがゆれ動くんや、
これは、ピストに乗って初めて気づいたんすか、
そう、で、ようやく、ピストのすがすがしさが、分かってきたんや、
ちなみに、固定ギアってなんすか、
これは、今ではピストでしか、見られない、自転車の歴史でもいちばん古いメカニズムで、ようするに、走り続けるかぎり、ペダルも回り続けるという、
じゃあ、下り坂も、休めないんすか、
そう、だから途中で足を止めようもんなら、足がペダルごと巻き込まれてたいへん危険なことになる・・・ちなみに、自転車の大きな魅力のひとつは、コースターフィーリングやけど、
なんすか、それ、
いつもやってるアレや・・・ペダル回さんと、ゆるい坂とか惰性(だせい)だけで、おりてく、あの気持ち良さ、
固定ギアでは、コレができないと、
そう、固定ギアとフリーギアでは、水と油ほど動きがちがうんで、自分みたいに、子供のころからフリーギアしか知らんカラダやと、固定ギアはクセが強すぎて、ちょっと無理、
ちなみに、ピストには、固定ギア・フリーギアのほかに、ドロップハンドルとバーハンドルという選択肢もありますけど、
バーハンドルのほうが、取っつきええけど、前傾姿勢に慣れさえすれば、ドロップハンドルのほうが、ライディングポジションがいくつも変えられるんで、飽きも来ないし、なにかと便利、
といいますと、
向かい風が強いときは、下をにぎれば、ビックリするほど風の抵抗が減るし、前傾で腰がキツくなれば、バーハンドルみたいな握りもできるし、左右別々のポジションでにぎると、さらに変化が生まれるし、
たしかに、バーハンドルのばあいは、グリップ部分だけのポジションしか選べないすね、
バーハンドルに、ドロップハンドル用のバーテープを巻いて、どこでも握れるようにしても、前後上下の自由度は無いわけで
そういえば、ドロップハンドルみたいに前傾の角度が変われば、サドルへの荷重(かじゅう)も変わりますよね、
そう、パッと見、前傾姿勢はキツそうに見えるけど、向かい風でもラクに走れるし、オシリへの加重も減るし、上体をふくめたカラダ全体の筋肉を使って乗れるんで疲れにくいし、いったんこの姿勢に慣れてしまえば、必要な筋肉は自然に付いてくるし、かなりラクに走れるんや、
話が、ピストからそれてしまいますけど、ドロップハンドルといえば、ジャイアントさんの超売れ筋クロスバイク「エスケープ」にも、とうとうドロップハンドルのシリーズが登場してますね、
クロスバイクなら、ロードバイクより、もともと前傾が浅いんで、ドロップハンドル入門にもってこいやな、
サブブレーキも付いてますね、
初心者用として軽視されてるサブブレーキやけど、じっさいのところ、きつい下り坂を、景色見ながらゆっくり走りたい場合、これがあると、カラダが起こせて視界も広がるし、メインとサブを左右別々のポジションでにぎれば、ブレーキングしながらの下りのライディングポジションにも変化が生まれるし、ゆったり走る場合は、あると非常にありがたい、
ちなみに、いま乗ってるのは、ジオスのピストですけど、もともとが44×16という、わりと軽めのギア比にもかかわらず、さらに44×20という、激軽(げきかる)なギア比も、用意したのは、
還暦おじさんの足には、この激軽モードは、坂道に強いのは無論のことやけど、停止状態からの発進加速でつかうと、メチャ気持ちええんや、
しかし、すぐ足が回りきってスピード出せなくなりません、
そう、せやし、この激軽モードで走る場合は、加速だけ楽しんで、あとはコースターフィーリングで、足を止めて景色を見ながらゆっくり惰性で走ればええわけで・・・それこそ、単焦点レンズのカメラであちこち風景写(うつ)しもって、
なるほど、変速が無いと、そういう割り切りも、すんなりできるわけか・・・