b.世はYouTube時代だけあって、備中(ビッチュウ)国分寺の動画もあれこれ出てますね、
a.知らんかったけど、岡山県で五重の塔はここだけか、
b.江戸時代に再建するとき、三重の塔という案もあったそうですけど、つくづく五重にして正解でした、
a.ご住職が女性ということも今回初めて知った、この動画で、
b.そんじゃ、我々もおもむろに国分寺境内へ参りましょう、
a.国分寺裏手からのさりげないこのながめが何か良い、
b.意味ありげな樹木の根っこにベンチがふたつ、しかし、芝生みたいにスッキリした雑草ですね、
a.それとなく手入れしてないと、こうはならんやろ、
b.この一帯は「吉備路風土記の丘 県立自然公園」ってことで、県の管理だから予算も潤沢(ジュンタク=たっぷり)なはず、
a.この柵(サク)だって、一本ずつ杭(クイ)を深く打ち込んで、その上部に穴を開けて縄を通す凝った作り、
b.それにお寺の壁がまぶしいほど白い、
a.さすがに県立公園や、赤磐市にもこの予算があれば、備前の国分寺もじきに完全復活や、
b.裏口の横に立派な石碑が、「荒鷲(アラワシ)鎮魂の碑」、この土地で生まれた8人の名前が刻まれてます、爆弾もろとも飛行機で敵陣に突っ込んだ若者たち、
a.陸海軍少年飛行兵、ほとんどが二十歳(ハタチ)前後、
b.最年少は17、戦争がなければ甲子園で活躍してたかもしれない、
「少年兵 そうでなければ 甲子園」
a.この裏手のひっそりしたお勝手口から境内へ、
b.自然公園だけあって、穏やかな丘陵に赤松を中心に樹木が生いしげり、背景の山とあいまって国分寺の理想的な借景に、
a.そしてこれが五重の塔、というか、それにもましてこの立派な松に圧倒される、まるでこの松の借景として五重の塔があるような、
b.お地蔵さま、鐘(カネ)突き堂、そして本堂、最上級のかわら、
a.こちらが正面の門、
b.門から外を見ても、背後の山なみや手前の木立などええ感じですねえ、
a.ホンマここ落ち着くな、
b.ご本尊は薬師如来やそうです、心身の不調を消し去ってくれるとか、
a.しかし、この猛暑で境内には自分一人きりか、
「夏盛(サカ)り 寺は自分と 松ばかり」
b.白壁で囲まれた境内とは別枠で五重の塔がそびえてたんか、
a.コスモスの咲くころに塔の内部が一般公開されるらしい、
b.いま気づいたけど、五重の塔自体、寺院よりも高台に建てられてる、
a.わずか数メートルやけど、じつに効果的な高低差、これで遠くからよりハッキリと五重の塔が見えるし、となりの境内も一望できる、
b.境内を囲む白壁の外側をなぞって、先ほどのお勝手口へもどりましょう、
a.これが正門というか山門、
b.彫り込まれた善男善女って文字も珍しいな、初めて見たかも、
a.ところで、塔を含めたこの建物全体は江戸時代に再建されてるんやな、
b.奈良時代の忠実な再現というより、江戸時代の様式で再建されたようです、ちなみに五重の塔も奈良時代当時は七重で、これより15mも高いとか、
a.赤磐市の備前国分寺には、ぜひとも創建当時の七重の塔を正確に建ててほしい、
b.配色とかも再現できれば楽しいっすね、
「七重の 奈良期の塔を 赤磐(アカイワ)に」