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b.「テクノデリック」の謎の女性、「BGM」の歯ブラシ、すかしてますねえ、奥村さんのジャケットデザイン、これ見ても内容が全然想像できないっす、
a.レッド・ツェッペリンの「プレゼンス」のジャケットと同じくらいスゴいやろ、
b.わけ分かんないっす、
a.それでいいのだ、
b.それでいいんすか、
a.行くとこまで行っちゃってるので、何やっても許されるのだ、
b.で、きょうはこの明るい五月の連休中というのに、薄暗いYMOの最高傑作、それもふたつ合わせてかあ、耳と心が胃もたれしそうや、
a.「BGM」と「テクノデリック」、同じ1981年、3月と11月のリリース、ものすごい勢い、
b.心身とも疲れのピークでしょうね、二枚のアルバムに感じる薄暗さって、そっから来てんだろうな、働きすぎ日本人のココロの風景みたいや、
a.ウィキによれば、「BGM」では坂本氏が、「テクノデリック」では細野氏が代わり番こで心身不調、まあ軽度の鬱だったんじゃないか、働き過ぎて、
b.しかし、この二枚のアルバムって、ぜんぜん違う響きですね、「BGM」は音を何層にも塗り固めたような濃密な響きだし、「テクノデリック」は逆にスカスカというか、なるだけ余分な音を削ってクリアに響かせてる、
a.押井守監督のふたつの劇場版パトレイバーが夏と冬くらい性格ちがうようにな、
b.「BGM」のいちばんの聴き所はどこっすか、
a.ずばり8〜9曲目、YOUTUBEだと32分44秒から・・・8曲目「カムフラージュ」がフェードアウトして、これにかぶせて霧のようなあやふやな響きが空間をつつんで、つぎの曲「マス」へとスームズに入っていく、ドラマチックで映画に使えそうやろ、
b.「カムフラージュ」の最後、YOUTUBEだと35分55秒からユキヒロのボーカルをグニャグニャに歪ませたり、スゴい雰囲気っすね、幸せになれないような、
a.SF映画っぽくて暗カッコイイだやろ、幸せにはほど遠いけれど、
b.しかし、五月の連休中に取り上げますかね、この二枚のアルバム、
a.いや五月病というのもある、初夏のあまりの明るさに心が付いていけない老若男女がいてもおかしくない、それに季節はずれに寒いから、きっと風邪ひいて家で寝込んでるヒトも少なからず居るはずだ、
b.そんなときにはこれっすか、逆効果のような気もするけど、
a.ところで、9曲目の「マス」って1982年の西ドイツ映画「セカンドフェイス」に使われたんだな、知らなかった、
b.「マス」はこれまた重苦しい曲っすね、嫌々出勤する人であふれかえる朝の駅前のようや、細野氏が作曲して、バラカン氏が不慣れなロシア語でつぶやく、意味わかんねえや、
a.でも、この二枚が登場して、やっと胸が張れるようになった気がする、世界の音楽シーンに対して、
b.今で言うクール・ジャパンすか、
a.やっと音楽の世界で欧米のモノマネじゃない一番搾りのアルバムが登場したんだ、欧米からの評価が低いなら、逆にそっちの理解力不足を指摘できるレベルに到達した、現代音楽では武満徹という前例はあったにしても、社会的影響力まで含めて考えればYMOが初めてだった、
b.例によってべた褒(ボ)めっすか、
a.だってあれから何年たってるんだ、
b.三十年越えてます、
a.今も流してたけど、恐ろしく新鮮に響く、すごいことだ、真のオリジナリティー(独創性)ってこういう事なんだ、数十年じゃびくともしない、
b.心身とも不調を来(キタ)すようなストレスだらけのスタジオに閉じこもって、三人の天才たちが自分たちを極限まで追い込んだらどうなるのか、その実例がこの二枚のアルバムなのか、
a.30年過ぎてこれを追い抜くアルバムが登場しないのも当然といえば当然なのかも、
b.でも本当は、もっと出てきて欲しいのでは、すぐれた才能が、
a.だから三十年たっても、このアルバムを熱く押し続けるんだ、小中学生のみんなに、これを越えるアルバム出して欲しいから・・・フラッシュ暗算もとても大切なことだけど、この世の中どっか間違ってると引きこもってる君たちは、その違和感こそ大事にしながら大きく成長していって欲しいなあ、
YOUTUBEから
YMOの最高傑作
「BGM」
http://www.youtube.com/watch?v=X7J1Ut3NNTo
「テクノデリック」
http://www.youtube.com/watch?v=k4S7a3hK6MA
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