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2024年12月25日

年内ぎりぎり気づいた…今年で40周年…このアルバムから日本のロックシーンは大きくレベルアップ!

そのアルバムが佐野元春氏の最高傑作『VISITORS(ヴィジターズ)』ということで、今年でリリースから早くも40周年という、

2024年もあとちょっとやけど、気づけて良かった、

40年たっても飽きない数少ないアルバムということですがホンマですの・・・1曲目の『COMPLICATION BREAKDOWN』から何かいらついたような荒々しい感じで始まって、これという引き付けるメロディーもありませんけど、

たしかに、メチャ不愛想(ぶあいそう)でぶっきりらぼうな始まり、



曲名の「COMPLICATION BREAKDOWN」ですけど、どういう意味すか、

COMPLICATION は「厄介事(やっかいごと=トラブル)」、BREAKDOWN は「破壊」、

曲の終わりにガラスが壊れる音まで入ってますし、なんかえらい怒ってるような・・・前作『SOMEDAY』とは対照的に、人々から受け入れられるのを拒絶してるような、

歌詞もシリアスな(思い詰めた)感じで、「オレには危険な印(しるし)が見える、キミとのコミュニケーション」「真夜中のシーツにくるまりながら、みんなひとりぼっち」「悲しみの果てに優しくなるほど優雅な気分じゃない」などなど、

こういう思い詰めた感じが良かったんすか、

当時は自分も青春時代で、それまでの生き方では行き止まりが見えていて、かといって新しい自分に生まれ変わる不安もあって、聴けば聴くほどこのアルバムがピッタリ来て、

『佐野元春ブーム』まで引き起こすきっかけになった前作の『SOMEDAY』とは作風があまりに違うので賛否両論あったみたいですが、

とくに最初の曲は、それまでのファンにケンカ売るみたいに、国内では流行にすらなってなかったニューヨークのラップミュージックを自分なりに消化して、美しいメロディを完全に捨て去って、ソリッドな(ガッチリ強めに固めた)リズムに合わせて詩の朗読みたいに歌詞だけで勝負してるんでとっつき悪いけど、40年たっても飽きないほど味わい深い、

ふつうなら大ヒットした前作みたいに、親しみやすいメロディアスな路線上でもう一作となりそうですが、

前作『SOMEDAY』を聴くとよく分かるけど、アルバムの最後を飾る日本ロック史に残る名曲『ROCK'N'ROLL NIGHT(ロックンロールナイト)』だけが、より高い次元に達していて、この曲を作った時点ですでに新しい次元に到達して(とうたつして=たどりついて)るような・・・ちょうどベートーヴェン9作目のシンフォニーが、それまでの8作とは桁違(けたちが)いなレベルに達してるように、

たしかにアルバムの他の曲と比べても、スケール感といいセリフの多さといいハンパないすね、

ふつうなら歌って盛り上げて1曲終わるとこやけど、この曲はむしろそこから本番スタートで、最初の盛り上がりが静まりきってから孤独なつぶやきが延々と続いて、つぎの大きなクライマックスへ、

孤独なつぶやきの部分から再生されます


クライマックスのあとも、アルバム全体を振り返るような静かなパートが延々とつづいて、ここも非常に美しいすね、

静かなパートの部分から再生されます。


これでさすがに終わりかと思ったら、さらにもう一曲、アコースティックギターのシンプルな伴奏に合わせてオマケのような小曲『サンチャイルドは僕の友達』まで付いてくる、



このアルバム『SOMEDAY』で、今までの自分をすべて出し切ったような・・・じっさいそのあとすぐに過去のナンバーをまとめた『NO DAMAGE』もリリースされてますし、

もっと言えば、国内のロックシーンにそれまで無かったほどスケールのデカい『ROCK'N'ROLL NIGHT(ロックンロールナイト)』を投入した時点で、それまで自分を閉じ込めていた国内枠(わく)みたいなものから解放されて、ココロはすでに世界水準の中心点、ニューヨークに向かってるような、 

国内で急上昇した人気に乗っからないで、新たな創作の場を求めてニューヨークへ旅立ったのは、本人からすればごく自然の流れだったと・・・2曲目はそんな旅立ちの曲のようにも聞こえますね、

4曲目とならんでこのアルバムで最もメロディアスでココロが晴れわたる名曲・・・アルバムリリースに先立ってシングルカットされたのもよく分かる、

1曲目の思い詰めた緊迫感に対して真逆な曲想を2曲目に置くことで、あざやかな対比も・・・


ふつうなら渡航の手続きやらアパートの手配やら事務所を通してやってもらうえばすむことですけど、これも全部ひとりでやり通したのもスゴいエネルギーというか、そうしたかったというか、

わずか1年ほどの滞在やけどその充実ぶりはすさまじく、音楽以外の事務手続きもすべて自分でやり切り、ニューヨークのミュージックシーンにも積極的にかかわり、結果、最高傑作となるアルバム『VISITORS』というニューヨーク土産(みやげ)まで作り上げてしまってから帰国、

当時はあまりのハイテンションで突っ走ったせいで、帰国後しばらくは躁(そう)状態に悩まされたのも分かるくらい中身がぎっしり詰まったニューヨーク体験すね、

前作『SOMEDAY』からひと息も入れずに渡米して作り上げた『VISITORS』・・・ここまで一気に駆け抜けていろんなモヤモヤから解放されて、ようやく人生にひと区切りついたような、

「真夜中のシーツにくるまりながらみんなひとりぼっち」と歌ったその2年後「ひとりだけの夜にさよなら」と歌うこのビデオを見てるとそのスッキリした気分が伝わってくるような、



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