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a.「Dona nobis pacem」、「ドーナ・ノービス・パーツェム」、荘厳(ソウゴン)ミサつまりミサ・ソレムニス、その最後に歌われるラテン語の歌詞、日本語に訳したらどうなるかの、誰か分かる者は居らんかの、じゃあ安田美沙子、
b.あの〜、うちの答え、違うやもしれんけど、「私たちに平和をください」って意味やと思います、
a.そうじゃな、「われらに平和を与えたまえ」、対テロ戦争という大義名分のもと、罪無き大勢の人々が傷つき死んどるけどの、やはりの、「疑わしきは罰せず」というの、原則をの・・・
b.ところで、このわずか三つの単語でほとんど埋め尽くされてますね、ミサ・ソレムニスの最後の数分間、
a.ここアニュス・デイの後半部分もベネディクトス同様、メロディアスでたいへん覚えやすい、この新緑の季節、この歌詞とメロディー覚えて自転車こぎながら口ずさむとたいへん心地よいぞ、
b.「ド〜〜ナ、ノービス、パーツェム」か、ハッキリしたメロディーで歌われるのはこの4回、1時間11分12秒、1時間13分56秒、1時間18分9秒、1時間18秒58秒、
a.あとは形を変えて何度も何度も繰り返される、歌にあふれるフィナーレ、
b.とちゅう一転して嵐のように激しい場面が二回ありますが、ひとつは1時間12分30秒〜13分15秒、そしてもうひとつ、1時間15分33秒〜16分40秒、この2回、
a.これは我々の平和をかき乱そうとする死ね死ね団の攻撃じゃ、もちろんこんな攻撃は屁でもないが・・・
b.まあ日本ほど正義のヒーローにあふれる国も珍しいっすからね、
a.だけど、あまりにあっさりした終わり方に思わんか、これだけスケールの大きい作品のラストを飾るにしては、
b.ベートーベン自身が前半飛ばしすぎたからじゃ、それとも他に何か思い当たることでも、
a.ミサの歌詞を見て思うんだけど、このラテン語の歌詞自体が前寄りに偏ってる、キリストの死と復活、三位一体の神の栄光とか、重要な事柄が前半のグロリアとクレドでがほとんど述べられていて、後半は内容的にこれを上回ることもないし、歌詞自体のボリュームもかなり控えめ、
b.なるほど、じゃあベートーベン息切れ説は眉唾(マユツバ=インチキ)ですか、
a.どうなんだろう、学者の先生方はどう考えてるんだ、そしてクレンペラー自身はどう思ってたんだろう、
b.さあ、でも、じっさい、中学の頃から丸暗記するほど聴いてきて、何がこの作品の最重要部分なんすか、
a.そりゃもちろんフーガだろ、グロリアとクレドの、ベートーベン本人が、これほどスゴいフーガが出来上がって、逆に驚いたんじゃないか、オレにまさかこんなすげえフーガ書けるなんて・・・
b.じゃあ、レッド・ツェッペリンの「プレゼンス」やYMOの「テクノデリック」と同じように、
a.そう、作品を生みだした本人自身が自分の作品に驚くようなスゴい作品ってことやろ、特にこのふたつのフーガは、超ベートーベン級!!といって良い、
b.時間にすると、グロリアのフーガは21分34秒〜27分40秒、クレドのフーガは40分31秒〜45分27秒、それぞれ約6分と約5分、合わせても11分間、
a.これなら、ぎりぎり集中力も続くやろ、ミサ・ソレムニスのここが城でいう本丸、一番大事なコアの部分だ、無人島に持ってくベートーベンをひとつ挙げるとしたら、この二つのフーガ、
b.え?、ひとつ持ってくのにふたつって・・・まあ、ミサ・ソレムニスで一曲と考えたらいいけど、あえてこのふたつのフーガのどちらかひとつとるとしたら
a.断然クレドのフーガ(40分31秒〜45分27秒)、二段式ロケットになってるからな、こっちの方がさらに高みへ到達してる、
b.するってえと、途中で1段目ロケット切り離すんですか、クレドのフーガは、
a.そう、フーガの途中42分56秒で一段目切り離して二段目へと点火、
b.するとさらに絞り込むと、二段目ロケットの方が大事やと、
a.この二段目ロケットの2分間少々が本丸中の本丸、ミサ・ソレムニスの最重要部分、ここから強気に覚えていくのも面白い、
b.例によってクレンペラー盤はアンサンブルの乱れが気になりますが、
a.それを上回る気合いと迫力に免じて許してほしい、
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