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2020年07月02日

ボトルネック 米澤穂信 新潮文庫

亡くなった恋人を弔うために東尋坊を訪ねた嵯峨野リョウ。一瞬気を失い崖から落ちた‥はずが、気がついた時には、見慣れた街にいた。ただし、そこは自分だけがいないことになっている街だった。

迷い込んだ世界で、リョウの代わりに嵯峨野家の子供として存在している嵯峨野サキ。最初のうちは、二人の違いといえば、男女の違いと、リョウが高校一年でサキが高校二年というくらいだったのが、いっしょに行動していくうちに両方の世界の違いがいくつか判明していく。

リョウとサキは補完し合う仲ではない。もともと欠落した二人が、補ってくれる映し鏡を見つけたのならハッピーな物語なのだが、そうは問屋が卸さない。リョウとサキの掛け合いは、人が自我の深い底へと降りていく意識のシミュレートだ。なので、全編を通してトーンは暗く、そこに横たわるのは畏怖の闇だ。

これは、人が忘れていた傷口をえぐる小説だ。趣味が悪い。とはいえ、誰もが抱える傷口の物語なので普遍性がある。やれやれ、難儀な小説だ。

ボトルネック (新潮文庫) [ 米澤穂信 ]

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感想(36件)


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