1.はじめに
これまで何度か書いてると思うが,私の住んでる市は,平成の合併で人口4.5万人ほどになったという地方の市である,そういう田舎町というような市なのだが,最近やたらとアパートやマンションの建設が目に付くようになった,特に市の人口が増えてるわけでもないのに,何なんだろう
2.人口は減少傾向
ちょっと市のホームページで確認したら,もうず〜っと人口減少状態である,近場に温泉観光地があるくらいで,特に産業があるわけでもなく農業や漁業がメイン,だからアパートやマンションの需要が増えるわけはないと思うのだが,どんどん建設されていく,これはどういうことなのだろう
そもそも田舎で地価も安いから,駅,病院,学校,スーパー,コンビニ等に歩いていけるような便利な住宅地でも,坪7万円程度で手に入る,ちょっと中心部からは外れるような新興住宅地なら,坪5万円くらいである,これが大体80坪〜100坪の区画で売り出されてる,つまり1区画500万円前後
3.田舎は持ち家志向
上述したように,500万円前後で,そこそこの住宅地が購入できるんだから,多くの人が家賃を月々5万円とか払うなら,その5万円を住宅ローンにして,持ち家建ててしまおうと考える人がほとんどである,場合によっては田舎の場合,両親が土地持ってて,土地代が不要なんてこともある
田舎の場合は,こういう状況が普通なので,どんどんアパートやマンションが建設されるのが不思議でしょうがない,持ち家より状況に応じてフレキシブルな対応が可能な賃貸派がある程度存在するのはわかるが,それにしても人口は減少傾向のところに,この供給量はどうみても過剰だと思う
4.供給過多なのでは
そういう新しいアパートやマンションが,どんどん建設される結果,下の画像にあるような,出入りは外階段を使用するような,古き良き時代のアパート然とした物件は,どこもかしこも入居者確保に苦慮しているようで,ほとんどの物件が窓際に「入居者募集」のフリップを掲載してる
対して,上記画像のようなちょっとこじゃれたアパートなんかは,建設後すぐに(あるいは建設完了前に)入居者募集を終了なんてノボリ旗が立ってたりする,全体の需要は増加してないと考えると,古いタイプのアパートやマンションに入居してた人が,新しい物件に移っているんだろう
5.人気物件には理由がある
前述の出来上がっていないのに全室契約完了する物件は,新しくて綺麗とか見た目がおしゃれだとか以外にある特徴がある,それは何かというと,車の駐車スペースである,この手の物件は,1室につき最低でも2台の駐車スペースがある,さらに来客用の駐車スペースがついてる物件もある
地価が安い田舎ならではの対応だが,先ほど書いた駅,病院,学校,スーパー,コンビニ等に歩いていけるような便利な住宅地でも,地方での生活には車は必須である,最近は共働きが普通なので若い世帯でも車2台が普通,で,車が一台しか置けないような旧式アパート等は敬遠されることになる
6.昔は田舎に帰ってきた
昔は都会に出て行った子供たちの中から,まあ大抵は長男とかが,定年退職後に年老いた両親やお墓を見るために田舎に帰って後を継ぐってのが定番だったのだが,もうそういう時代じゃないしね,私のばあちゃんの住んでるトコ(私の実家)はそういうのが最近まで,当たり前だったけど・・・
私自身,その実家に正月やお盆で帰ったりすると,親族から「次はおまえたちがここを守っていかんとな」なんて言われるから辟易してるんだが,そういうところでさえ,後継ぎが帰ってこなくて,広い敷地は大手不動産の手に渡り,アパートやマンションがどんどん建設されている
7.マンションやアパートが増える不思議
というわけで,需要もさほど増えていない人口減少地域に,こじゃれたアパートやマンションが,雨後の竹の子のごとく建設される謎は,私的には全くわからない,お年寄りとかが,土地を担保に融資を受けて,家賃で返済しながら,さらに利益を生むようなシステムとかあるのだろうか
そういううまい話が成り立つのだろうか,それでうまくいくような安定した事業なら,銀行とかもバンバン融資してくれるだろうし,住宅メーカーなんかが直接その事業をやればいいわけだからね,リスクを土地所有者に押し付けた商売のような気がしないでもないのだが,勘繰りすぎかな
8.おわりに
需要は増えてないのに,どんどん建設されてるから,どう見ても供給過多である,アパートとか借りたい人は,より新しい物件で契約するから(古いからと言って家賃はあまり安くないらしい)古い物件は,どんどん空き室率上がっていくわけだが,こういう状況,なんかおかしいと思うのだが・・・
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