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2019年07月14日

人を取り巻く環境を考えるA

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

心理学と環境


人を取り巻く環境を考えるA

犯罪が起きやすい環境はあるのか

不特定多数の人間が密集して暮らす都市で、犯罪の発生を完全に防ぐことは極めて困難です。
しかし、犯罪が起きやすい環境とそうでない環境を明らかにすることはできます。

通常、犯罪を構成する要員としては
@潜在的犯罪者、
A潜在的被害者(標的・ターゲット)、
B監視者
の三つの要素が挙げられます。

たとえ潜在的犯罪者がいたとしても、
監視者、つまり人の目が多い環境では、
一般に犯罪は起こりにくいとされています。

この監視者には防犯パトロールや警備員、万引きGメン、防犯カメラなど、
監視を目的としている人やもののほかに、
地域コミュニティのあり方も含まれます。

では、都市の景観や構造などの、防犯街並み.jpg

街の作りに注目した時に、
犯罪の起きやすい環境というものはあるのでしょうか?

たとえ、先に述べた三つの要素が犯罪の起きにくい条件を満たしていたとしても、
犯罪が発生しやすい環境というものは確かに存在します。

たとえば、街灯が少なく薄暗い路地であれば、監視の目が届きにくくなります。
このような環境で、潜在的犯罪者と潜在的被害者が遭遇すれば、
犯罪は起こりやすくなるでしょう。

死角を作らないために、街灯を明るくしたり、
樹木の下枝や、高い壁などの遮蔽物を除去したり、
監視カメラをつけたりするのは、
監視の目を行き届きやすくして犯罪をおさえようとする取り組みです。

また、道路の構造で言えば、歩道と車道が分離されていないような直線の道路では、
ひったくり事件が発生しやすいという統計データもあります。

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タナカマツヘイ
総合診療科 医学博士 元外科学会専門医指導医、元消化器外科学会専門医指導医、元消化器外科化学療法認定医、元消化器内視鏡学会専門医、日本医師会産業医、病理学会剖検医
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