2017年03月29日
Perfumeの曲によく使われているフレーズ
今回は、Perfumeの歌詞にフォーカスを当ててみようと思います。
Perfumeの曲に関しては、中田ヤスタカさんが
ほぼすべての作詞、作曲を担当しています。
曲作りに関してのセンスは誰もが認めるところです。
特にCMとかのタイアップ曲では、
クライアントの要望を受け入れつつ
アーティストの世界観を崩さない曲を作ってしまうという、
職人のような技を見せてつけてくれます。
例えば、キリン「氷結」のCM曲にもなった
「レーザービーム」についてですが、
このチューハイの特徴であるキーワードを散りばめてあります。
(歌詞を引用した個所については赤文字で記載しています)
「ストレート果汁」というキーワードは、冒頭で「♪ストレイト ドキドキする」
とのっけから登場させています。
炭酸飲料からイメージされるシュワシュワを、「♪心をシュワりと突き刺すの」
と斬新な表現で成立させています。
搾った果実を凍らせて作っている商品の特徴は、「♪実る果実が」
と果実というフレーズを入れています。
まるで落語の三題噺みたいに、お題を客席から頂いて
即興で話を作ってしまうようなものですね。
中田さんは、こういう制約がある場合の方が
燃えるタイプなのかなと思ったりします。
きゃりーぱみゅぱみゅのグリコ「アイスの実」のCMタイアップ曲として、
「み」だけで曲を作ってしまったときは度肝を抜かれましたよ。
Perfumeにとって神のような存在である中田ヤスタカさんが、
書く歌詞には、どんな意味が込められているのでしょう。
これまでリリースされた歌詞をテキストデータ化させて、
各フレーズが使われる頻度を調べたら、
何かしら傾向がつかめるのじゃないかという
思い付きで取りかかってみました。
私が事前に予想してみるに、「ボク」とか「キミ」、
「わたし」、「ガール」というフレーズが
多いんじゃないかなぁという気がします。
普段曲を聴いていると、耳にする機会が多い気がしませんか?
「愛」と「恋」では、どちらが使われている回数が多いでしょう?
皆さんも、そろそろ気になってきたでしょう。
これは神の頭脳に迫る試みです。
そして分析した結果をもとに、頻出するフレーズを並べ直すことで
新しい歌詞を生み出すことができるのではないかという壮大な実験。
この試みは言わば不遜にも神の領域に近付くべく、
「バベルの塔」を築こうとした民衆のようなものですよ。
![BABEL.jpg](/moreperfume/file/BABEL-thumbnail2.jpg)
ところで、「バベルの塔」のお話って結末どうなるんだっけなぁ?
うーん。思い出せないや。
まぁ、後で調べてみようっと。
・今回は、Perfumeの93曲を対象にしました。
「OMAJINAI★ペロリ」から最新曲「宝石の雨」までです。
![sheet1.jpg](/moreperfume/file/sheet1.jpg)
![sheet2.jpg](/moreperfume/file/sheet2.jpg)
![sheet3.jpg](/moreperfume/file/sheet3.jpg)
・作詞家は、パッパラー河合、木の子、中田ヤスタカを対象にしました。
というわけでカバー曲の「ジェニーはご機嫌ななめ」、
「スーパージェットシューズ」や、「アキハバラブ」は除きました。
・フレーズの検索対象は歌詞本文、曲タイトルも含めてカウントしています。
・今回は、あらかじめ抽出しておいた気になるフレーズ30個について、
出現回数をカウントしています。
フレーズ一覧表
![sample.jpg](/moreperfume/file/sample.jpg)
歌詞のテキストデータを一つにまとめたところ、
文字数(スペースを含めない)が45,000字を超えています。
もしかしたら歌詞が抜けている所もあるかもしれませんが、
集計している奴が、抜けているのでご容赦ください。
数値は参考までに。
プログラムのデバックの為、1曲だけ目視で数えて照合しましたけど、
残りの90曲以上は自動集計なので不安だなぁ。
正解が公表されていないので、自分でも合っているかどうか
分からないんですよね。
集計結果が出ました。
この表では、出現回数が多いフレーズが上に記載されています。
![Result.jpg](/moreperfume/file/Result.jpg)
ダントツで「キミ」が多かったです。
これは、男の子が女の子に向けて言う場合でも、
女の子が男の子に向けて言う場合でも、
どちらでも使える言葉なので、
聴く人が感情移入しやすい便利な言葉なのでしょう。
同じ「キミ」でも、漢字の「君」が少ないのは、
歌詞から受けるイメージが
堅苦しくならないようにする配慮なのかもしれませんね。
ちょっとした言葉の使い分けにも奥深い考えと、センスを感じます。
「恋」は「愛」に大差をつけています。
「恋愛」というフレーズであれば互角になるはずですけれど、
Perfumeはアイドルとして歌ってきたので「恋」が多くなるのは、
納得の結果ですね。
今後、大人になったPerfumeが歌う機会が増えていくので、
「愛」の登場回数が多くなっていくのでしょうか。
そういった変遷も調査してみると面白いかもしれません。
事前に私が多いと予想していた「ボク」とか「わたし」は少ないですね。
漢字の「僕」、「私」の方が多かったです。
普段曲を聴くときは、文字を読むのではなく、
耳で聴いているからしょうがないですね。(←苦しい言い訳)
「ディスコ」は「ワンルームディスコ」や、「チョコレイト・ディスコ」が貢献したのでしょう。
「GIRL」や「ガール」は、「BOY」や「ボーイ」の3倍も使われています。
意外だったのは「娘」というフレーズは、0回でした。
使っていたような気がしたのは、タラレバ娘の残像があったせいかもしれません。
おそらく「ガール」や「GIRL」に置き換えられている影響もあることでしょう。
こうなったら1回しか出てこないフレーズを探してみよう。
ありました。
「猫」は「エレクトロ・ワールド」に1回出て来るだけです。
集計表にはありませんが「犬」に至っては0回でした。
中田さんはペットを飼ったりしたことがないのかな。
そうなると「Cling Cling」に出てくる謎の生物が何なのか気になるなぁ。
想像を膨らませるだけでも面白いので、聴く人が想像する余地を
あえて残しておいてくれているのかもしれませんね。
Perfumeの曲に、よく使われているフレーズが分かったところで、
これらのフレーズを元にPerfumeっぽい歌詞を作ってみよう。
自作したプログラムにフレーズをセットしてと、
キツネ特製AIに学習させておこう。
どんな歌詞ができるかなぁ。楽しみだなぁ。
AIに学習させている間に、先ほどから気になっていた
「バベルの塔」について調べてみるとするか。
なになに、ほほう。
旧約聖書に「バベルの塔」に関する記述があるようですね。
『人類が天まで届く塔を建てようとしたところ、
その傲慢さに神が怒り、それまで一つにまとまっていた言葉を
バラバラにして混乱させ、塔は完成することはなかった』とある。
ふぅん。そうなのか。
でも私のプログラムは、もう完成したし、
歌詞のテキストデータは一つのファイルにまとまったぞ。
![generator.jpg](/moreperfume/file/generator.jpg)
後は、この「歌詞自動生成」ボタンを押すことで、
過去の歌詞フレーズの傾向を学習したキツネ特製AIが、
Perfumeっぽい歌詞を生み出すはずだぁ!
さぁ実行ボタンをポチッと押すだけだ。
(コンコン。ドアをノックする音)
「おやぁ誰だろう。こんな夜更けに。今、良いところなのに。」
(ドンドン。激しくドアを叩く音)
「はいはい今、開けますよぉ。」
(ガチャリ)
「あれぇ誰もいないなぁ。」
(ゴロゴロ、ピカッ!、ピシャーン!)
「うわぁー。突然空から雷がー。あぁー。」
(バタッ)
「・・・」
・・・ブログ主が神の怒りに触れ、裁きの雷に打たれたので、
バベルの塔は未完成のままとなったとさ。
めでたし、めでたし。
本日のブログは以上でおしまい。
(いくらPerfumeっぽい歌詞が出来たところで、
中田サウンドがなければ無意味だということは、
みなさん途中から気付かれてましたね。笑)
バベルの塔に興味を持たれた方は、
4月から展示会が開かれるようですので、
足を運んでみてはいかかでしょう。
ブリューゲル「バベルの塔」展
展示会場 東京都美術館(東京上野公園)
展示期間 2017-4-18(火)〜2017-7-2(日)
なお、前売り券を購入すれば、様々なグッズが手に入る模様。
Perfumeの曲に関しては、中田ヤスタカさんが
ほぼすべての作詞、作曲を担当しています。
曲作りに関してのセンスは誰もが認めるところです。
【三題噺かよ!】
特にCMとかのタイアップ曲では、
クライアントの要望を受け入れつつ
アーティストの世界観を崩さない曲を作ってしまうという、
職人のような技を見せてつけてくれます。
例えば、キリン「氷結」のCM曲にもなった
「レーザービーム」についてですが、
このチューハイの特徴であるキーワードを散りばめてあります。
(歌詞を引用した個所については赤文字で記載しています)
「ストレート果汁」というキーワードは、冒頭で「♪ストレイト ドキドキする」
とのっけから登場させています。
炭酸飲料からイメージされるシュワシュワを、「♪心をシュワりと突き刺すの」
と斬新な表現で成立させています。
搾った果実を凍らせて作っている商品の特徴は、「♪実る果実が」
と果実というフレーズを入れています。
まるで落語の三題噺みたいに、お題を客席から頂いて
即興で話を作ってしまうようなものですね。
中田さんは、こういう制約がある場合の方が
燃えるタイプなのかなと思ったりします。
きゃりーぱみゅぱみゅのグリコ「アイスの実」のCMタイアップ曲として、
「み」だけで曲を作ってしまったときは度肝を抜かれましたよ。
【さぁ、フレーズを分析してみよう。】
Perfumeにとって神のような存在である中田ヤスタカさんが、
書く歌詞には、どんな意味が込められているのでしょう。
これまでリリースされた歌詞をテキストデータ化させて、
各フレーズが使われる頻度を調べたら、
何かしら傾向がつかめるのじゃないかという
思い付きで取りかかってみました。
私が事前に予想してみるに、「ボク」とか「キミ」、
「わたし」、「ガール」というフレーズが
多いんじゃないかなぁという気がします。
普段曲を聴いていると、耳にする機会が多い気がしませんか?
「愛」と「恋」では、どちらが使われている回数が多いでしょう?
皆さんも、そろそろ気になってきたでしょう。
【バベルの塔】
これは神の頭脳に迫る試みです。
そして分析した結果をもとに、頻出するフレーズを並べ直すことで
新しい歌詞を生み出すことができるのではないかという壮大な実験。
この試みは言わば不遜にも神の領域に近付くべく、
「バベルの塔」を築こうとした民衆のようなものですよ。
![BABEL.jpg](/moreperfume/file/BABEL-thumbnail2.jpg)
ところで、「バベルの塔」のお話って結末どうなるんだっけなぁ?
うーん。思い出せないや。
まぁ、後で調べてみようっと。
【集計のルールと、言い訳】
・今回は、Perfumeの93曲を対象にしました。
「OMAJINAI★ペロリ」から最新曲「宝石の雨」までです。
![sheet1.jpg](/moreperfume/file/sheet1.jpg)
![sheet2.jpg](/moreperfume/file/sheet2.jpg)
![sheet3.jpg](/moreperfume/file/sheet3.jpg)
・作詞家は、パッパラー河合、木の子、中田ヤスタカを対象にしました。
というわけでカバー曲の「ジェニーはご機嫌ななめ」、
「スーパージェットシューズ」や、「アキハバラブ」は除きました。
・フレーズの検索対象は歌詞本文、曲タイトルも含めてカウントしています。
・今回は、あらかじめ抽出しておいた気になるフレーズ30個について、
出現回数をカウントしています。
フレーズ一覧表
![sample.jpg](/moreperfume/file/sample.jpg)
歌詞のテキストデータを一つにまとめたところ、
文字数(スペースを含めない)が45,000字を超えています。
もしかしたら歌詞が抜けている所もあるかもしれませんが、
集計している奴が、抜けているのでご容赦ください。
数値は参考までに。
プログラムのデバックの為、1曲だけ目視で数えて照合しましたけど、
残りの90曲以上は自動集計なので不安だなぁ。
正解が公表されていないので、自分でも合っているかどうか
分からないんですよね。
【フレーズ出現回数の集計結果】
集計結果が出ました。
この表では、出現回数が多いフレーズが上に記載されています。
![Result.jpg](/moreperfume/file/Result.jpg)
ダントツで「キミ」が多かったです。
これは、男の子が女の子に向けて言う場合でも、
女の子が男の子に向けて言う場合でも、
どちらでも使える言葉なので、
聴く人が感情移入しやすい便利な言葉なのでしょう。
同じ「キミ」でも、漢字の「君」が少ないのは、
歌詞から受けるイメージが
堅苦しくならないようにする配慮なのかもしれませんね。
ちょっとした言葉の使い分けにも奥深い考えと、センスを感じます。
「恋」は「愛」に大差をつけています。
「恋愛」というフレーズであれば互角になるはずですけれど、
Perfumeはアイドルとして歌ってきたので「恋」が多くなるのは、
納得の結果ですね。
今後、大人になったPerfumeが歌う機会が増えていくので、
「愛」の登場回数が多くなっていくのでしょうか。
そういった変遷も調査してみると面白いかもしれません。
事前に私が多いと予想していた「ボク」とか「わたし」は少ないですね。
漢字の「僕」、「私」の方が多かったです。
普段曲を聴くときは、文字を読むのではなく、
耳で聴いているからしょうがないですね。(←苦しい言い訳)
「ディスコ」は「ワンルームディスコ」や、「チョコレイト・ディスコ」が貢献したのでしょう。
「GIRL」や「ガール」は、「BOY」や「ボーイ」の3倍も使われています。
意外だったのは「娘」というフレーズは、0回でした。
使っていたような気がしたのは、タラレバ娘の残像があったせいかもしれません。
おそらく「ガール」や「GIRL」に置き換えられている影響もあることでしょう。
こうなったら1回しか出てこないフレーズを探してみよう。
ありました。
「猫」は「エレクトロ・ワールド」に1回出て来るだけです。
集計表にはありませんが「犬」に至っては0回でした。
中田さんはペットを飼ったりしたことがないのかな。
そうなると「Cling Cling」に出てくる謎の生物が何なのか気になるなぁ。
想像を膨らませるだけでも面白いので、聴く人が想像する余地を
あえて残しておいてくれているのかもしれませんね。
【バベルの塔に待っていた結末】
Perfumeの曲に、よく使われているフレーズが分かったところで、
これらのフレーズを元にPerfumeっぽい歌詞を作ってみよう。
自作したプログラムにフレーズをセットしてと、
キツネ特製AIに学習させておこう。
どんな歌詞ができるかなぁ。楽しみだなぁ。
AIに学習させている間に、先ほどから気になっていた
「バベルの塔」について調べてみるとするか。
なになに、ほほう。
旧約聖書に「バベルの塔」に関する記述があるようですね。
『人類が天まで届く塔を建てようとしたところ、
その傲慢さに神が怒り、それまで一つにまとまっていた言葉を
バラバラにして混乱させ、塔は完成することはなかった』とある。
ふぅん。そうなのか。
でも私のプログラムは、もう完成したし、
歌詞のテキストデータは一つのファイルにまとまったぞ。
![generator.jpg](/moreperfume/file/generator.jpg)
後は、この「歌詞自動生成」ボタンを押すことで、
過去の歌詞フレーズの傾向を学習したキツネ特製AIが、
Perfumeっぽい歌詞を生み出すはずだぁ!
さぁ実行ボタンをポチッと押すだけだ。
(コンコン。ドアをノックする音)
「おやぁ誰だろう。こんな夜更けに。今、良いところなのに。」
(ドンドン。激しくドアを叩く音)
「はいはい今、開けますよぉ。」
(ガチャリ)
「あれぇ誰もいないなぁ。」
(ゴロゴロ、ピカッ!、ピシャーン!)
「うわぁー。突然空から雷がー。あぁー。」
(バタッ)
「・・・」
・・・ブログ主が神の怒りに触れ、裁きの雷に打たれたので、
バベルの塔は未完成のままとなったとさ。
めでたし、めでたし。
本日のブログは以上でおしまい。
【この物語は、途中からフィクションです】
(いくらPerfumeっぽい歌詞が出来たところで、
中田サウンドがなければ無意味だということは、
みなさん途中から気付かれてましたね。笑)
【告知】
バベルの塔に興味を持たれた方は、
4月から展示会が開かれるようですので、
足を運んでみてはいかかでしょう。
ブリューゲル「バベルの塔」展
展示会場 東京都美術館(東京上野公園)
展示期間 2017-4-18(火)〜2017-7-2(日)
なお、前売り券を購入すれば、様々なグッズが手に入る模様。
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歌詞を分析していくうちに、中田さんの言葉選びのセンスには舌を巻きました。
Perfumeだけではなく、きゃりーにも曲を提供しているのに
スランプに陥ることないなんて、引き出しの豊富さにも驚かされます。
中田さんが作る歌詞の謎に迫ろうとして、かえって謎が深まりましたよ。
いや、いつもながらキツネさんの緻密な調査に感心させられます。
キーワード出現数をカウントするとは、すごい!
おそらくプログラムを作って集計されたのでしょうね。
結果として「キミ」が多いのはなるほどという感じです。
初期の頃の歌詞に多かった気がします。
まあ、結局は中田ヤスタカ氏の趣味なんでしょうけど(笑)