2011年05月12日
母親の苦悩 モンテッソーリ
[モンテッソーリ] ブログ村キーワード
先日届いた、待望のマリア・モンテッソーリの生涯を描いたドラマのDVD、育児の合間を縫ってやっと見れました。すぐにでも見たかったのですが、めずらしく旦那が具合が悪くなり熱を出して仕事を休んでいました。正直言って、旦那が風邪をひいたりすると、子供達より手がかかります!保育園のお母さん達にその事を漏らすと、「そうそう、旦那が風邪引くと最悪よねー、本当に子供よりたち悪い」と同感してくれました。(笑)
このドラマは、あまり知られていないマリア・モンテッソーリの私生活、特に母親としての苦悩を描いています。マリアは、女性で初めて医学部を卒業してから、大人も収容している精神病院に閉じ込められていた知能遅れの子供達を独自に教育するというプロジェクトを推進している精神科教授のジュゼッペ・モンテサーノに共感し、一緒に仕事を始め恋に落ち、妊娠します。

当時、夫婦間以外で子供を産む事は最大のタブーとされていた時代、マリアの妊娠をしったジュゼッペは、子供にモンテサーノの苗字を与え認知はするが、プロジェクト推進の妨げにならないよう、子供の事は世間に隠すようマリアを説得し、マリアは、ローマの郊外で1人で子供を産む事になります。
生まれた男の子は、マリオ(マリアの男版の名前)と名付けられたが、ジュゼッペの意向でモンテサーノ家の養父母に預けられます。プロジェクトを推進させるためにはマリアの協力が必要だったジュゼッペは、「いつでもマリオには会いに行けるのだから」とマリアに納得させます。
自分の子供を育てられない事を苦しみながらも、マリアは自分の仕事を進め、知能遅れの子供達全員を見事小学校入学試験に合格させる事ができたのです。それがきっかけで、マリアとジュゼッペで勧めていたプロジェクトが国に認められ、国の補助金を受けられる事になります。
その時点でマリアはジュゼッペに結婚を迫ります。しかし、愛よりも地位と名声、キャリアを選択したジュゼッペは、母親が勧める許嫁と結婚する事になっている事をマリアに告げるのです。
また、「それならばマリオの事を世間に公表し、スキャンダルにする」と泣き叫ぶマリアに「マリオの事を世間に漏らしたら、二度とマリオに会わせない」とせまり、マリアは、どうする事もできない自分に絶望します。
愛を失ったマリアは、息子には今後も会いに行けるよう、マリオの事は一切世間に公表せず、周囲の反対を押し切って辞表を提出しジュゼッペと勧めていた精神科医院の仕事を辞め、学校の教師になる事を目指し、独自の幼児教育法を開発して行きます。

マリアは、養父母に預けられていたマリオを時々訪問しますが、自分が母親だという事を本人にも伝える事ができず、苦悩の日々を過ごすのです。その後、ローマのサンロレンツォ地区に初めての「子供の家」が建てられ、独自の教育法で荒れ放題に荒れていた子供達を教育する事に成功し、3歳〜の子供達にアルファベットを習得させる事にも成功するのです。
この「子供の家」でのサクセスを基にモンテッソーリ教育法が確立されます。その教育法で世界中で有名になったマリアですが、息子マリオへの思いは捨てきれず、息子がフィレンツェの小学校〜高校を卒業し、ローマに戻って来た時点で自分が母親である事を明かし、ジュゼッペを説得し、やっとマリオを引き取る事ができたのでした。

しかし、親子である事は世間には秘密にしたままにしなければならず、マリオに「家の中ではマンマと呼んでも良いけれど、家を出たらあなたは私の甥っ子という事にしなければならない」と伝えると、マリオは「今まで通り、家の中でもマリアと呼ぶよ。もし外に出た時に間違えるといけないから」と答え、マリオはマリアの助手という事で、モンテッソーリ教育法の紹介でアメリカに渡ったマリアに同行します。
世界で一躍脚光を浴びたモンテッソーリ教育法、イタリアでは、ファシズムを横行していたムッソリーニも「幼児のアルファベット教育」に注目し、モンテッソーリ教育を国の資金でイタリアの学校に導入する事を提案します。一度は同意したマリアも、ムッソリーニ政府のやり方に反発し、最終的にイタリアを離れる決心をします。

当時、反ファシズム運動に参加していた息子マリオは、警察に追われる身となり、イタリアを離れる電車の中のシーンがクライマックスになりますが、とても感動的でした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
動き出した電車が止まり、警官が電車の中に入って来ます。探しているのは、反ファシズム運動に参加していたマリオ。
警官マリオに向かって 「身分証明書を提示下さい」
身分証明書を探そうとするマリア
警官 「あなたがどなたかは分かっています。マリア・モンテッソーリ女史。残念ながらあなたの助手に逮捕状が出ています。」
警官マリオに向かって 「署まで同行願いたい」
マリオあきらめた顔で 「行きましょう」
マリア 「ちょっと待って下さい。彼を逮捕するなら私も刑務所へ同行致します。」
困ったように警官 「ノー。あなたは関係ありません」
マリア 「彼は私の助手ではありません。。。。私の息子です。」
警官驚いて 「すみません。何と言いました?」
マリアちょっと泣きそうな声で 「私の息子です。」
見つかりましたか?と聞く部下の警官に対して、この警官が「ここにはいない。電車を出発させてくれ」
マリア驚いて「あなたは? 前に会った事がありますか?」
警官「私の母は、以前、あなたに花束をプレゼントした事がありました。あなたが私にしてくれた事全てにとても感謝しています。」
マリア懐かしそうに「ジョバンニ。。。(サンロレンツォ時代の子供)」
警官、にこっと笑って立ち去る。
電車が再び動き出すとマリオ「マンマ....誰だったの?」
マリア「ひとりの子供よ。。。。」
その警官が辞表を書いているシーンに変わり、マリオの声で「全ての子供は、もっと他に良い世界が無いものかと願っている。それでも、子供の中に”明日の大人”を見いだす事ができた人。それが僕の母、マリア・モンテッソーリ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この電車のシーンが本当に起こった事かは分かりませんが、初めて人前で自分の息子と言えたマリア、初めて「マンマ」と言えたマリオ。。。とても感動的でした。
世界中の子供の母と言われているマリア・モンテッソーリ、皮肉な事に自分の息子は、自分の手で育てる事ができませんでした。ただ、母でありながら母と名乗れない、その苦悩があったからこそ、深い愛情を持って子供達を理解する事を始め、モンテッソーリ教育法を確立する事が出来たのだと思います。
ドラマにも反映されていますが、マリアはジュゼッペとの愛に絶望してから、喪に服す意味で、生涯、黒い服しか着なかったそうです。
マリアは100年以上前に生まれた女性ですが、100年先のメンタリティーを持っていた人。このドラマは全ての女性、母親に見てもらいたいなーと思います。
日本語字幕のものがあれば良いのにと心から思います。
今日は長く書きましたが、この感動を思わず伝えたくて、、、少しでも伝わったら良いなと思います。

にほんブログ村
先日届いた、待望のマリア・モンテッソーリの生涯を描いたドラマのDVD、育児の合間を縫ってやっと見れました。すぐにでも見たかったのですが、めずらしく旦那が具合が悪くなり熱を出して仕事を休んでいました。正直言って、旦那が風邪をひいたりすると、子供達より手がかかります!保育園のお母さん達にその事を漏らすと、「そうそう、旦那が風邪引くと最悪よねー、本当に子供よりたち悪い」と同感してくれました。(笑)
このドラマは、あまり知られていないマリア・モンテッソーリの私生活、特に母親としての苦悩を描いています。マリアは、女性で初めて医学部を卒業してから、大人も収容している精神病院に閉じ込められていた知能遅れの子供達を独自に教育するというプロジェクトを推進している精神科教授のジュゼッペ・モンテサーノに共感し、一緒に仕事を始め恋に落ち、妊娠します。

当時、夫婦間以外で子供を産む事は最大のタブーとされていた時代、マリアの妊娠をしったジュゼッペは、子供にモンテサーノの苗字を与え認知はするが、プロジェクト推進の妨げにならないよう、子供の事は世間に隠すようマリアを説得し、マリアは、ローマの郊外で1人で子供を産む事になります。
生まれた男の子は、マリオ(マリアの男版の名前)と名付けられたが、ジュゼッペの意向でモンテサーノ家の養父母に預けられます。プロジェクトを推進させるためにはマリアの協力が必要だったジュゼッペは、「いつでもマリオには会いに行けるのだから」とマリアに納得させます。
自分の子供を育てられない事を苦しみながらも、マリアは自分の仕事を進め、知能遅れの子供達全員を見事小学校入学試験に合格させる事ができたのです。それがきっかけで、マリアとジュゼッペで勧めていたプロジェクトが国に認められ、国の補助金を受けられる事になります。
その時点でマリアはジュゼッペに結婚を迫ります。しかし、愛よりも地位と名声、キャリアを選択したジュゼッペは、母親が勧める許嫁と結婚する事になっている事をマリアに告げるのです。
また、「それならばマリオの事を世間に公表し、スキャンダルにする」と泣き叫ぶマリアに「マリオの事を世間に漏らしたら、二度とマリオに会わせない」とせまり、マリアは、どうする事もできない自分に絶望します。
愛を失ったマリアは、息子には今後も会いに行けるよう、マリオの事は一切世間に公表せず、周囲の反対を押し切って辞表を提出しジュゼッペと勧めていた精神科医院の仕事を辞め、学校の教師になる事を目指し、独自の幼児教育法を開発して行きます。

マリアは、養父母に預けられていたマリオを時々訪問しますが、自分が母親だという事を本人にも伝える事ができず、苦悩の日々を過ごすのです。その後、ローマのサンロレンツォ地区に初めての「子供の家」が建てられ、独自の教育法で荒れ放題に荒れていた子供達を教育する事に成功し、3歳〜の子供達にアルファベットを習得させる事にも成功するのです。
この「子供の家」でのサクセスを基にモンテッソーリ教育法が確立されます。その教育法で世界中で有名になったマリアですが、息子マリオへの思いは捨てきれず、息子がフィレンツェの小学校〜高校を卒業し、ローマに戻って来た時点で自分が母親である事を明かし、ジュゼッペを説得し、やっとマリオを引き取る事ができたのでした。

しかし、親子である事は世間には秘密にしたままにしなければならず、マリオに「家の中ではマンマと呼んでも良いけれど、家を出たらあなたは私の甥っ子という事にしなければならない」と伝えると、マリオは「今まで通り、家の中でもマリアと呼ぶよ。もし外に出た時に間違えるといけないから」と答え、マリオはマリアの助手という事で、モンテッソーリ教育法の紹介でアメリカに渡ったマリアに同行します。
世界で一躍脚光を浴びたモンテッソーリ教育法、イタリアでは、ファシズムを横行していたムッソリーニも「幼児のアルファベット教育」に注目し、モンテッソーリ教育を国の資金でイタリアの学校に導入する事を提案します。一度は同意したマリアも、ムッソリーニ政府のやり方に反発し、最終的にイタリアを離れる決心をします。

当時、反ファシズム運動に参加していた息子マリオは、警察に追われる身となり、イタリアを離れる電車の中のシーンがクライマックスになりますが、とても感動的でした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
動き出した電車が止まり、警官が電車の中に入って来ます。探しているのは、反ファシズム運動に参加していたマリオ。
警官マリオに向かって 「身分証明書を提示下さい」
身分証明書を探そうとするマリア
警官 「あなたがどなたかは分かっています。マリア・モンテッソーリ女史。残念ながらあなたの助手に逮捕状が出ています。」
警官マリオに向かって 「署まで同行願いたい」
マリオあきらめた顔で 「行きましょう」
マリア 「ちょっと待って下さい。彼を逮捕するなら私も刑務所へ同行致します。」
困ったように警官 「ノー。あなたは関係ありません」
マリア 「彼は私の助手ではありません。。。。私の息子です。」
警官驚いて 「すみません。何と言いました?」
マリアちょっと泣きそうな声で 「私の息子です。」
見つかりましたか?と聞く部下の警官に対して、この警官が「ここにはいない。電車を出発させてくれ」
マリア驚いて「あなたは? 前に会った事がありますか?」
警官「私の母は、以前、あなたに花束をプレゼントした事がありました。あなたが私にしてくれた事全てにとても感謝しています。」
マリア懐かしそうに「ジョバンニ。。。(サンロレンツォ時代の子供)」
警官、にこっと笑って立ち去る。
電車が再び動き出すとマリオ「マンマ....誰だったの?」
マリア「ひとりの子供よ。。。。」
その警官が辞表を書いているシーンに変わり、マリオの声で「全ての子供は、もっと他に良い世界が無いものかと願っている。それでも、子供の中に”明日の大人”を見いだす事ができた人。それが僕の母、マリア・モンテッソーリ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この電車のシーンが本当に起こった事かは分かりませんが、初めて人前で自分の息子と言えたマリア、初めて「マンマ」と言えたマリオ。。。とても感動的でした。
世界中の子供の母と言われているマリア・モンテッソーリ、皮肉な事に自分の息子は、自分の手で育てる事ができませんでした。ただ、母でありながら母と名乗れない、その苦悩があったからこそ、深い愛情を持って子供達を理解する事を始め、モンテッソーリ教育法を確立する事が出来たのだと思います。
ドラマにも反映されていますが、マリアはジュゼッペとの愛に絶望してから、喪に服す意味で、生涯、黒い服しか着なかったそうです。
マリアは100年以上前に生まれた女性ですが、100年先のメンタリティーを持っていた人。このドラマは全ての女性、母親に見てもらいたいなーと思います。
日本語字幕のものがあれば良いのにと心から思います。
今日は長く書きましたが、この感動を思わず伝えたくて、、、少しでも伝わったら良いなと思います。

にほんブログ村
【モンテッソーリの最新記事】
この記事へのコメント