2014年07月21日
夏の夜に大人も読みたいファンタジー
昨日の続きです。
大人に是非読んでもらいたいファンタジーを 今、この時期に推すとしたら誰を挙げたいか、と訊かれたら
迷わず推します。 宮部みゆき 氏。
もちろんこの人は 純文学もサスペンスも非常に得意とされていて多くの作品が映画やメディアに転換され愛されている作家さんですが、
ワタシは この夏休み、大人のスタルジーが満載された作品として以下のものを是非
「宮部作品はまだ手付かず」 だ、という人がいたらおススメしたいのです。
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『ICO』 は ゲーム好きなアナタなら1度は耳にしたことのある呼称ではないでしょうか。
そう、ソニー・コンピュータエンタテインメントにより開発・発売された日本のアクションアドベンチャーゲームであり
2001年12月6日にPlayStation 2用ソフトとして発売され、後に「PlayStation 2 the Best」として廉価版が発売されました。
知る人ぞ知る特殊なアドベンチャーRPGゲームです。主人公と言葉の通じない少女は
常に手を取り合って危険な迷宮のような城の中を、出口を求めて彷徨(さまよ)います。
このゲーム設定に作家の宮部さんがインスパイアされて小説世界に仕立て上げた作品なのですが
ゲーム世界観を壊さずに物語として見事に独自世界を構築されています。
意味も判らないままに迎えていた、切ない遠い日の初恋を髣髴とさせる情感溢れる世界です。
ゲームだけならともかく、こんなに上質で純粋無垢・なおかつ大人の物語は子供にはもったいない、ということで、ほんのりビターシュガーな色合いがたまらない作品としておススメします
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そう、子供も旦那も寝たあと、ゆっくりとページを繰り出せば、読み勧めるごとに夏休みと物語世界が終わってしまうのが惜しくなってしまいますよ。
さて、
同じ宮部みゆき作品で さらにビターな味わいのファンタジーならこの作品。
『英雄の書』。
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ラストのどんでん返しは実は物語り後半部分でうっすらと気づいてしまうけれど、
それにもかかわらず細部にわたって仕掛けられた壮大な物語のトラップ・収束先の切なさ・哀しさと暖かさに、きっと泪してしまうこと請け合い。
これはもう、どっぷりアナタが主人公となって冒険して欲しい日常のすぐ隣に潜む「異世界」 です。
涙もろいアナタは 一人で読むなら号泣体勢はしっかり整えてから。
ファンタジーの世界とはいえ 決して不自然に甘い「予定調和」を用意することはしない作者の姿勢は、先にご紹介した『冒険者たち』 から脈々と通じている「語り部としての誠意」であるなぁ、と感じます。
同時に作者の、小さな世界でも決して見落とさずありのまますぺてを掬い取ろうとする「作家の目」が
どのような結末であれ読み手に心地よいカタルシスとかすかな希望を抱かせてくれるような気がして、とても好きな世界なのです。
宮部作品の中でビターな味わいのファンタジーといえば
コミック作品になったことでも知られている 『ブレイブストーリー』 もありますね。
これもこちら側の世界とダークサイドを行き来する少年達の切ないアドベンチャーストーリーです。
上・中・下巻と長い作品になっていますので 腰を据えて世界観にどっぷり浸かってみたい、という方にはピッタリです。
ちなみに
店主は家人が寝静まった真夜中の一人図書館・も好きなのですが (※ウチのリビングのことね)
例えば
子供の習い事などに同伴しなくてはいけない場合
この類の本を持参します。
(ビジネス本とか ダメよ)
わずらわしい親同士の御付き合いを 「今日くらいは避けたいなぁ〜」 という時には
ロビーに陣取って
ひたすら没頭。
なんなのでしょうね あの異常なくらいの集中力w
(多分ワタシだけでしょうけど)
さておき
あの夕日の向こうまでどんどん駆けていったらいったい何が待っているのだろう。
幼い頃、夏の一日の終わりにそう感じたことのあるアナタに
ご一読をおススメしたくて 今回の記事を書きました。
大人になってもね ココロは冒険できるのです。
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