競馬の話『ブランド越後守』

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今日はお婆ちゃんの誕生日


この時期プレゼントというと、

「敬老の日」にかぶる


まあ、程なくプレゼントも決まり、お寿司を買って

実家におもむいた。ショートケーキも人数分買って・・・



今日はよかった

お婆ちゃんは珍しくご機嫌である。

ただ、明日健康診断のある龍之介は禁酒中

なんか物足りない龍之介は・・・


「そろそろデザートにするか」


「わ〜い　美味しそう

　あずきはこれっ。」


「あっ　じゃあ　おれはこれっ。」


「おいおい　お婆ちゃんに先に選んでもらわないと」



龍之介は大好きなショートケーキに手が伸びようとした

その瞬間


「お父さん　もう９時過ぎてるよ

　明日は健診だから、もう食べちゃいけない時間だね。」



　　ガビーーーン



「じゃあそれ　あずきが食べる」


「龍太郎が食べる」


「半分個にしなさい。」




龍之介に、「明日までとっておけばいいじゃない」と

言ってくれる家族はいなかった

　二日後に健康診断を控える龍之介は

「今日は休肝日だ」


しかし、明日は龍太郎とあずきのお婆ちゃんの誕生日


健康診断での好成績を諦めるか、

お婆ちゃんとの会食を諦めるか・・・



でも、何故か最近お婆ちゃんからの電話多くて

なんだかプレッシャーを感じてしまう。


「明日（誕生日）、飯でもいこうか」


「いや、おかずがいっぱいあるけん

　食べるのはいい」


なんか、いる
そう言われると、何すりゃいいか分からないよ〜　



ケーキに８０本弱のローソクたてようか



「ケーキが見えんじゃないか」　



あっ　それいいかも

よりによって・・・


お金にうるさい、というか・・・

お金に汚いと言っても過言ではない

名物の龍太郎とあずきのお婆ちゃん


でも、自分自身はお金を

ぴゃっぴゃっと使う、支離滅裂さ


説明もしずらいのだが・・・


とにかく支離滅裂なのだ



「領収証が出てきたや！」


亡き龍之介の父は、骨董品を収集するのが

趣味だった。収入のほとんどを、骨董品に

つぎこんだらしい。

それに対して、骨董品＝お金と考えるお婆ちゃん

しかし骨董品＝ゴミとしか思えないお婆ちゃん

支離滅裂になるのも分からなくもない。


「七福神の壺　280万円

　銅製火鉢　28万円　ほれ、

　こんなもんしらんまに買って

　ほんとにも〜」



しかし、その領収書の近くにある七福神の箱は

空で、婆ちゃんは中身が知りたかった。

その空箱を見た龍之介は、その箱が、すぐに

壺の箱ではないことが分かった。



では、壺はどこに・・・


どうやら、龍之介がすでに持ち帰っていた

あの薩摩焼の壺がそれらしい。


「う〜ん　これが・・・280万円」


龍之介もやはり、お婆ちゃんと同じで

言われないとその価値がそれまでとは

分からなかったが、それが、本当にそんな

価値があるのかいまだ疑っている。



爺ちゃんごめんね

「あるのか　ないのか　

どっちなんだぁ〜


不安定な天気にやきもきする。


昨日も真夏なみの暑さに

突然の雷雨


おそらく今日もそんな天気


たった今、雷雨注意報は解除されたが・・・


連絡網入電なく



どちらにせよ、いつもよりやや豪華な

お弁当は必要だ



せっせとお弁当を造る嫁ちゃんも

「なんだかなぁ〜」

　　　　　＞って、あとうかいか



お腹がすいた龍之介は、お弁当のために

造られたおかずをちょこっともらい

その豪華さゆえ

昨日半分のんだワインを

飲もうとした



「もう、朝から〜」



「ちょっとだけだから

　ねえ〜　いいじゃないの」



「だめよ〜　ダメダメ

　　　だめよ〜　ダメダメ

　　　　　だめよ〜　ダメダメ」


人形交換おねがいしま〜す

龍之介は久しぶりの休み

家にいるのはあずきと龍之介の二人


「うどんでも食べにいくか！」


休みの日になると、うどんが食べたくなる。

いきつけのうどん屋さんは、すうどん200円


いつもはそれで十分なのだが、このところの

疲労のせいか、朝から　かき揚げうどんが

食べたくなった。具を入れると何故か高くなり

それでも350円



「今日のうどん　なんだかモチモチしていて

美味しいね」



あずきはすうどんなのだが、お腹がすいている

と言っていたわりには、食がすすんでいない。



「どうしたの

　食べるの遅いじゃん」


「今日のうどん　モチモチしてて食べにくい」


食感で、好き嫌いが分かれるんだね


「ごごちちそそうう　ささまま」



店をでると、小川がサラサラながれていて、

その水は飲みたくなるほど透き通り、

手長エビが気持ちよさそうに歩いている。




「あずき　ここで水遊びしてもいい？」


「う〜ん　だめよ〜　ダメダメ」



トイレを我慢していた龍之介は、

東京エレキテルなんちゃらのモノマネで

ごまかした


やばい　もれそ〜う


「ねぇ〜　ちょっとだけだから〜

　いいでしょう。　おねが〜い。」


「う〜ん　だめよ〜　ダメダメ」