場面変わって

20年以上前のことでしょうか。

以前、私の父の友人を家族で会いに行ったことがあります。

その方は旅館を経営されていて、たまたま父が仲間とセイロンへチャーター便で

行ったときからの知り合いでした。

さて、友人の旅館につきますと全館あかるく、仲居さんも大勢います。

普通の旅館です。ところがお客さんは誰一人いません。

姉が不思議に思って「今日は、お客様は?」と尋ねると

仲居さんの一人が「実は一月に一度の旅館のお休みだったのですが

オーナーが今日は友達と約束した日だからいつも通り

やってくれと言われて開けているのです。」との返事。

たった一日しかないお休みでも、一度約束したら

絶対断らないご主人の父への気持でした。

私たち家族は、広大な旅館を借り切ってしまったわけです。

父の友人はその日、朝から私たちのの到着を待ち切れず

嬉しすぎて、だいぶ、お酒を飲んでいたようでした。

私は何とも言えないほど、父への友情に感激してしまいました。


さて、こんな日は、蓄音機で例の愛らしい歌でもかけてみましょうか。

エリザベート、シュワルツコプで『私のお父さん』