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2024年02月18日

高行健の「朋友」で執筆脳を考える9

●我想起十三年前你最后给我的呢封信・・・我没有立刻回你这封信,可我一直想婉转提醒你,书信也好,说话也好,不要带这分俏皮,因为那时候政治气氛已经十分紧张了,免得惹来麻烦。两个月后,这场翻天覆地的文化革命便爆发了,谁也不知道谁的命运如何,我预感到你得灾难,而后你果真音讯全无。
 13年前私に送った最後の手紙を思い出す。すぐに返事は出さなかった。婉曲した言い方で手紙を書くのは良いし話をするのもよいけど、洒落ている必要はない。その時の政治気分が十分に緊張していたため、煩わしさを避ける狙いがあった。間もなく天地を翻す文化大革命(1966−1976)が爆発した。誰も人の運命のことはわからない。君に災難が降りかかる予感がし、果たして音信は不通になった。(3)
●死并不可怕,只不过是一种遗憾。面对死亡不会这样平静,我要喊叫,要抗议这种愚蠢荒谬的死亡。
 死は恐れるに非ず、但しある種の遺憾はある。死に面して冷静ではいられない。叫びながらこの種の愚かで間違った死に抗議しろ。(3)
●我哼了这个中那个苦苦探索,热切追求的主题,你连连点头。那是个急速上升,又中断了,又急速上升的旋律。那是对未来,对理想对一种灿烂的生活的激情的呼唤。它默燃过我,默燃过你。这就是相隔了十三年,你我经历了生离死别,我们之间却依然息息的相通的精神。
 鼻歌を歌い曲の中の苦しみを探し、主題を追求する。君は頷く。旋律は、中断したり上昇したりする。未来に対し、理想に対し、一種の光輝く生活の激しい感情の叫び。私を燃やし君を燃やす。13年の隔たりは、生まれ離れ死で別れることになる。我々の間で相通した精神は後退する。(3) 
●我企图说服你同我一起学文学。你反驳我说。社会前进的道路已经不用我们来闯了。大革命的时代完成了,没有巨大的社会变革就不会有深刻的文学,我们面前的路太平坦了,时代留给我们的只剩下创造性的劳动。
 私と一緒に文学を学ぼうと説得したことがある。君は反駁した。社会が前進する道路は、すでに我々の突進を必要としない。文化大革命の時代は、完成した。巨大な社会の変革はなく、深刻な文学もない。前途は太平であり、時代が我々に残したものは、創造性の労働である。(3)

花村嘉英(2021)「高行健の『朋友』で執筆脳を考える」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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