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2024年02月18日

高行健の「朋友」で執筆脳を考える6

 作家は、創生の主役を担わない、また自己精神を錯乱させて狂人に変え、現世を幻に変え、体以外のものは全て浄罪界になり、自然と降りることはない。他人はもちろん地獄で、自我が制御できなければ、どうしてこのようにならないのか。未来のために自分を祭りの品にし、人を犠牲にする必要はない。
 作家は、預言者ではない。人を騙さず、妄想を失くし、同時に自我を審査する。自我が混沌となり、質疑の下、世界が他人を興すと同時に自己を回顧してもよい。災難や圧迫は、外部から来て、自身の臆病は苦痛を深刻にし、他人に不幸をもたらす。
 作家は、真実を提言する。作家は、真実の洞察力を把握し、作品の品格の高低を決定する。作家は、粗探しをしながら独特の叙述方式の過程の中で感知を実現する。
 作家は、報酬を計算せずに自分の必要を書き、自身を肯定するだけでなく、社会に対して挑戦するのも自然である。作家個人の感情は、作品の中で解けて文学になる。作品が社会に対する挑戦となる。不朽の名作とは、時代や社会の有力な回答である。喧しいことは消え、読者が繰り返して読むことにより作品の中の声が残る。文学は、正に歴史の補充である。 

花村嘉英(2021)「高行健の『朋友』で執筆脳を考える」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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