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2022年05月06日

イディオム−モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ18

 HPSGをツールとした他のイディオム分析にErbach and Krenn (1993)がある。コロケーション*を前提にイディオムが議論されており、特にKapitel 2「量化の内容」の中で記述した数量詞継承原理(Quantifier Inheritance Principle(QIP)(5))がイディオム分析の鍵になっている。まず、全体の表現の特性と見なされるイディオム(a)は、分析不能(unanalyzable)として分類され、一方、 部分的な修飾や指示的な使用が可能なためイディオムの一部に意味が割り当てられるべきもの(b)は、隠喩的(metaphoric)として分類されている。

(a) den Löffel abgeben.(さじを投げる、つまり、あきらめる)
(b) in den Sauce Apfel beißen.(嫌な仕事をする)

 (a)は、直接意味が割り当てられていて、(b)は、「嫌な仕事」 とden Sauce Apfel(アップルソース)間および「行う」とbeißen(噛む)の間にある種の連結を作ることで理解される。

花村(2022)「イディオム−モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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