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2017年10月14日

フォーマットのシフト3ーモンターギュ文法のシュガーリング

 テキスト内のダイナミズムを処理するために、直感 主義論理を導入する。直感主義論理は、その基礎にタイプ理論を持っていますが、ここでは、多形(polymorphic) の夕イプ理論を採用する。また、直感主義論理における範疇文法は、 演算子を規定する役割がある。文法構造は、 Montague の PTQ とは異なり、シュガーリングと意味の説明のための形式化が存在するだけである。対象表現は、単文、条件文 そしてテキストになる。
 ここでは、直感主義論理に基づいた簡単なドイツ語の文法を導入する。 直観主義は、論理の系統の中で様相論理などと共に多値論理のグループに属し、やはり量化の表現に真理値を割り当てる上で古典的な二値論理 では不十分であるという立場を取る。また、直感主義を用いた自然言語に関する証明は、コンピュータのプログラムにも通じる方法であり、 Ranta は、Montague の PTQ を土台とした英語の断片を提示している。ここで導入するドイツ語の文法は、レキシコン、範疇文法そして シュガーリングを構成要素とする。
 まず前提として、テキストのダイナミズムを直接反映するために、 Ranta は、Matin-Löf のタイプ理論を取り入れた。 Matin-Löf の動機は、統語論と意味論を数学によって明確にするという立場から、 直感主義の数学とプログラミング間をつなぐために(例えば、argument とinput、valueとoutput、x=eとx:=e、関数の合成とS1;S2、条件の定義と if B then S1 else S2、回帰の定義とwhile B do Sなど)、直感主義のタイプ理論を考案した。
 直感主義のタイプ理論は、命題の表現を持っています。まず複合命題を考えてみよう。これは、領域Aの中で解釈される述語計算の(ヨX)と(Vx) に相応する。但し、タイプ理論が述語計算に比べてより形式的となっている点に違いがある。それは、タイプ理論が、命題や判断(または主張)を明確にするためである。命題は、判断の一部ですが、その逆になることはない。ここで、A: propは、 命題Aが適格な式であるという判断を意味している。a: Aは、Aが真で あるという判断である。つまり、aはAの証明になる。こうした判断は、 例えば、疑問文などに生じることがある。
 演算子狽ニΠは、ドイツ語の文章を形式化する場合、述語計算の(ヨX) や(Vx)と同じ方法で使用される。つまり、直感主義タイプ理論の量化表現を含む命題をドイツ語の文章へシュガーリングする規則と原子的な命題のシュガ ーリングの規則により、派生できるようになる。
 しかし、自然言語を処理するためにタイプ理論をさらに豊かにする必要がある。そのように定義すれば、一般化された関数のタイプ(x:α)ß の中で判断ができるようになる。判断は、変項に対するタイプ割り当ての中で行われる。そして、仮定の連鎖は、例えば、判断Jが文脈の中で実行される場合、変項は、自由にJの中に現れることになる。また、判断Jが文脈の中で行われ、定項が変項と置換 される場合、判断が文脈に依存することはない。
 断片的なドイツ語の文法を記述する準備として、最後に演算子狽ニΠ をさらに高いレベルで考察する。それは、これらの演算子がドイツ語の レキシコンに含まれるからである。狽ヘ、変数として集合と集合上で定義される命題関数を取り命題を返す。集合の統語表記は、(A,B)となる。また、演算子pairを使用して(A,B)の要素が形成される場合は、 要素a: AとB(a)の証明が必要になる。次に要素Aと証明B(p(c))から c:(A,B)を生成する投射の演算子pとqが導入される。これらの演算子は、規範的なものではない。Πは狽ニ同じタイプの演算子ですが、 範疇の割り当てから単形の規則を導くために、単形のλI抽象化とap演算子が挿入される。

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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