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2017年10月14日

フォーマットのシフト2ーモンターギュ文法のシュガーリング

 Montague文法の意義は、表現力のある形式論およびそのような形式論と英語の断片との関係になります。つまり、分析樹の定義とシュガーリングによる英語の断片の表記が問題になるが、内包論理への翻訳は、構成性(フレーゲ原理)を基に進んでいく。但し、本書は、テキストとの マージを念頭に入れていることもあり、それほど強く構成性を意識することはない。
 次に、しばしばダイナミックMontague文法と評される論理文法 (discourse representation theory (DRT)と dynamic predicate loeic (DPL))が登場する。これらの対象表現は、例えば条件文になるが、どうして Montague文法の手法ではこうした表現の分析に可能性がないのかが議論される。例えば、不定冠詞を含んでいる分析樹が内包論理に翻訳されると、存在限量詞は含みますが普遍限量詞は含まない形に翻訳される。これは、形式化が派生上構成性の問題を含んでいるためである。つまり、Montague文法の手法を用いても普遍限量詞への翻訳は説明できない。そこで、Kamp は、Montague文法とは異なる構成性を持った談話表示理論を開発し、述語計算への翻訳により意味が決まる中間レベルの談話表示を提案した。Groenendijk と Stokliof は、その流れにのって、テキストまで含めた文法構造を表記するために、ダイナミックな述語論理(DPL) と呼ばれる形式論を採用した。 統語論についていうと、DPL は DRTより論理定項の数が多く、意味論は、モデルも用語の解釈も同じだが、割り当て関数の扱いに違いがある。 つまり、DPLでは、割り当て関数が全体の関数として機能し、部分的な割り当てにも対応できるようになっている。

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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