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2020年08月28日

Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性−モンタギュー文法による形式意味論からの考察17

3.3 様相の意味論

 様相の意味論は、これまで主に話法の助動詞から研究がなされてきた。そのうちの一つにReinwein(1977)がある。ラインヴァインは、伝統的な話法の助動詞のそれぞれの読み(Primitivprädikat)を統語レベルでの分類(認識的epistemisch)、主語内的(intrasubjektiv)、主語外的(extrasubjektiv)と掛け合わせている。

話法の助動詞

können 認識的(可能)、主語内的(能力)、主語外的(許可)
müssen 認識的(必然)、主語外的(要求)
dürfen 認識的(可能)、主語外的(許可)
sollen 認識的(主張)、主語外的(意志)
mögen 主語内的(意志)
wollen 主語内的(意志)

 ここでいう認識的、主語内的、主語外的な統語構造とは、それぞれ、自動詞や他動詞のうち二価と三価のものに相応している。しかし、この表に示された話法の助動詞の読みが、2.1で列挙した動詞の意味合いとどれほど合致するのか調べてみると、pflegen、anfangen、anheben、beginnen、aufhörenには適合しない。

花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性−モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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