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2020年04月24日

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」のバラツキについて4

2 場面のイメージを分析する

2.1 データの抽出

 作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、標準偏差によるバラツキを調べてみる。例えば、A:五感(1視覚と2それ以外)、B:ジェスチャー(1直示と2隠喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。

場面1 母マリアが自分の居場所を把握する

Sie lief nie weg. Sie wußte inzwischen, wo ihr Platz war. "Ich warte nur, bis die Kinder groß sind." Eine dritte Abtreibung, diesmal mit einem schweren Blutsturz. Kurz vor ihrem vierzigsten Lebensjahr wurde sie noch einmal schwanger. Eine weitere Abtreilung war nicht mehr möglich, und sie trug das Kind aus. 
A2、B1、C2、D1

Das Wort "Armut" war ein schönes, irgendwie edles Wort. Es gingen von ihm sofort Vorstellungen wie aus alten Schulbüchern aus: arm, aber sauber. Die Sauberkeit machte die Armen gesellschaftsfähig. A1、B2、C2、D1

Der soziale Fortschritt bestand in einer Reinlichkeitserziehung; waren die Elenden sauber geworden, so wurde "Armut" eine Ehrenbezeichnung. Das Elend war dann für die Betriffenen selber nur noch der Schmutz der Asozialen in einem anderen Land. A1、B2、C2、D1

"Das Fenster ist die Visitenkarte des Bewohners." So gaben die Habenichte gehorsam die fortschrittlich zu ihrer Sanierung bewilligten Mittel für ihre eigene Stubenreinheit aus. A1、B2、C2、D2

Im Elend hatten sie die öffentlichen Vorstellungen noch mit abstoßenden, aber gerade darum konkret erlebbaren Bildern gestört, nun, als sanierte, gesäuberte "ärmere Schicht", wurde ihr Leben so über jede Vorstellung abstrakt, daß man sie vergessen konnte. Vom Elend gab es sinnliche Beschreibungen, von der Armut nur noch Sinnbilder. A1、B2、C2、D1

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』のバラツキについて」

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」のバラツキについて3

 次にグループe(1、4、4、4、7)について見てみよう。算術平均は4である。それぞれの値から算術平均を引くと、1-4=-3、4-4=0、4-4=0、4-4=0、7-4=3となる。この算術平均から離れている大きさを平均すると、バラツキの目安が求められる。しかし、-3、0、0、0、3を全部足すと0になるため、それぞれを2乗して、9、0、0、0、9として平均値を求め、5で割って3.6を求める。
 但し、元の単位がcmのときに2乗すれば、cm2となるため、3.6を開いて元に戻すと、√3.6 cm2≒1.90 cmというバラツキの大きさになる。従って、グループdの方がグループeよりもバラつきが大きいことになる。
以下では、標準偏差(1)の公式を使用して、作成した志賀直哉の「城の崎にて」のデータに関するバラツキから見えてくる特徴を考察していく。 

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』のバラツキについて」

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」のバラツキについて2

1.2 標準偏差

 標準偏差は、グループの全ての値によってバラツキを決めていく。グループの個々の値から算術平均がどれだけ離れているのかによって、バラツキの大きさが決まる。
 グループd(1、1、4、7、7)の算術平均は4である。それぞれの値から算術平均を引くと、1-4=-3、1-4=-3、4-4=0、7-4=3、7-4=3となる。この算術平均から離れている大きさを平均してやると、バラツキの目安が求められる。しかし、-3、-3、0、3、3を全部足すと0になるため、さらに工夫が必要になる。
 例えば、絶対値をとる方法とか値を2乗してマイナスの記号を取る方法がある。2乗した場合、9、9、0、9、9となり、平均値を求めると、5で割って7.2となる。但し、元の単位がcmのときに、2乗すればcm2となるため、7.2を開いて元に戻すと、√7.2 cm2≒2.68 cmというバラツキの大きさになる。
 
(1) 標準偏差の公式
σ=√Σ (Xi−X)2/n

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』のバラツキについて」

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」のバラツキについて1

1 簡単な統計処理

1.1 データのバラツキ

 グループa(5、5、5、5、5)とグループb(3、4、5、6、7)とグループc(1、3、5、7、9)は、算術平均がいずれも5であり、また中央値(メジアン)も同様に5である。算術平均やメジアンを代表値としている限り、この3つのグループは差がないことになる。しかし、バラツキを考えると明らかに違いがある。グループaは、全てが5のため全くバラツキがない。グループbは、5が中心にあり3から7までばらついている。グループcは、1から9までの広範囲に渡ってバラツキが見られる。グループbのバラツキは、グループcのバラツキよりも小さい。  
 次に、グループd(1、1、4、7、7)とグループe(1、4、4、4、7)だと、どちらのバラツキが大きいことになるのだろうか。グループdは、中心の4から3も離れた所に4つの値がある。グループeは、中心に3つの値があって、そこから3離れたところに値が2つある。 
 バラツキの大きさを定義する方法で最も有名なのが、レンジと標準偏差である。レンジはグループの最大値から最小値を引くことにより求めることができる。グループdは、7-1=6で、グループeも7-1=6となる。レンジだけでバラツキを定義すれば、グループdとグループeは同じことになるが、グループ内の最大値と最小値だけを問題にするため、他の値が疎かになっている。そこでもう一つのバラツキに関する定義、標準偏差について見てみよう。

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』のバラツキについて」

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」で執筆脳を考える−実母のうつ病10

結果
 言語の認知の出力「母の半生と精神疾患」が情報の認知の入力となり、まず母マリアに反応する。次に、マリアの症状が情報の認知で新情報となり、結局、マリアが自分の居場所を理解し、貧しいことは、綺麗で高潔であることに気づき、清潔が貧しい人たちを社会で受け入れられるようにしてくれるため、「母の半生と精神疾患」は、「記憶と感情」からなる組みと相互に作用する。
 記憶については、A、B、C、D、Eいずれも長期記憶である。この場面では作者の記憶と感情が貧窮の中で出産する母マリアの気分障害に関する病前性格と相互に作用するため、ハントケの執筆脳は、感情の縺れに特徴がある。 

5 まとめ 
 
 受容の読みによる「母の半生と精神疾患」という出力は、すぐに共生の読みの入力となる。続けて、データベースの問題解決の場面を考察すると、「記憶と感情」という人間の脳の活動と結びつき、その後、信号のフォーカスは、購読脳の出力のポジションに戻る。この分析を繰り返すことにより、「ペーター・ハントケと感情の縺れ」というシナジーのメタファーが見えてくる。
 この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。 

参考文献

日本成人病予防協会監修 健康管理士一般指導員受験対策講座3 心の健康管理 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015 
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁/戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 華東理工大学出版社 2019 
Peter Handke Wunschloses Unglück Suhrkamp 2019
Peter Handke Wikipedia
Wunschloses Unglück von Peter Handke Wikipedia

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」で執筆脳を考える−実母のうつ病9

分析例
(1)“Wunschloses Unglück”執筆時のハントケの脳の活動を「記憶と感情」という組からなると考えている。共生の読みは、母の半生の分析と自身とは距離を取るも母とは取ることができない感情の縺れが関与するため、この作品の文体は、作者の感情の縺れを描くところに本質がある。
(2)情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の反応である。
(3)情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。また、未知の情報はカテゴリー化されて、経験を通した学習につながる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
(4)情報の認知3(計画、問題解決)  
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へ、である。  
(5)人工知能1 執筆脳を「記憶と感情」としているため、母の半生と感情の表出が重要となり、そこに専門家としての調節が効力を発揮する。@記憶、A感情、Bその他

A 情報の認知1は、Bその他の反応、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、@計画から問題解決へ、人工知能は@記憶+A感情である。
B 情報の認知1は、@ベースとプロファイル、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、@計画から問題解決へ、人工知能はA感情である。
C 情報の認知1は、Aグループ化、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、@計画から問題解決へ、人工知能はA感情である。
D 情報の認知1は、Aグループ化、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、A問題未解決から推論へ、人工知能はA感情である。
E 情報の認知1は、Aグループ化、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、@計画から問題解決へ、人工知能はA感情である。   

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』の執筆脳について」より

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」で執筆脳を考える−実母のうつ病8

【連想分析2】
表3 情報の認知 母マリアが自分の居場所を把握する場面
A A Sie lief nie weg. Sie wußte inzwischen, wo ihr Platz war. "Ich warte nur, bis die Kinder groß sind." Eine dritte Abtreibung, diesmal mit einem schweren Blutsturz. Kurz vor ihrem vierzigsten Lebensjahr wurde sie noch einmal schwanger. Eine weitere Abtreilung war nicht mehr möglich, und sie trug das Kind aus.
情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能1+2

B Das Wort "Armut" war ein schönes, irgendwie edles Wort. Es gingen von ihm sofort Vorstellungen wie aus alten Schulbüchern aus: arm, aber sauber. Die Sauberkeit machte die Armen gesellschaftsfähig. 
情報の認知1 1、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能 2

C Der soziale Fortschritt bestand in einer Reinlichkeitserziehung; waren die Elenden sauber geworden, so wurde "Armut" eine Ehrenbezeichnung. Das Elend war dann für die Betriffenen selber nur noch der Schmutz der Asozialen in einem anderen Land. 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能 2

D "Das Fenster ist die Visitenkarte des Bewohners." So gaben die Habenichte gehorsam die fortschrittlich zu ihrer Sanierung bewilligten Mittel für ihre eigene Stubenreinheit aus.
情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2、人工知能 2

E Im Elend hatten sie die öffentlichen Vorstellungen noch mit abstoßenden, aber gerade darum konkret erlebbaren Bildern gestört, nun, als sanierte, gesäuberte "ärmere Schicht", wurde ihr Leben so über jede Vorstellung abstrakt, daß man sie vergessen konnte. Vom Elend gab es sinnliche Beschreibungen, von der Armut nur noch Sinnbilder. 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1、人工知能 2

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』の執筆脳について」より

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」で執筆脳を考える−実母のうつ病7

分析例
(1)母マリアが自分の居場所を把握する場面。
(2)文法2 テンスとアスペクト、1は現在形、2は過去形、3は未来形、4は現在進行形、5は現在完了形、6は過去進行形、7は過去完了形。 
(3)意味1 喜怒哀楽、意味2 1視覚、2聴覚、3味覚、4嗅覚、5触覚、意味3 振舞いの1直示と2隠喩、意味4 感情の縺れ 1あり2なし。 

テキスト共生の公式
(1)言語の認知による購読脳の組み合わせを「母の半生と精神疾患」にする。母マリアが貧しいながら自分の居場所を理解する。 
(2)文法2のテンスとアスペクトや意味2の五感には、一応ダイナミズムがある。また、連想分析1の各行の「母の半生と精神疾患」を次のように特定する。

A母の半生と精神疾患=テンスは過去形、哀、五感は触覚、直示、感情の縺れあり。  
B母の半生と精神疾患=テンスは過去形、哀、五感は視覚、隠喩、感情の縺れあり。  C母の半生と精神疾患=テンスは過去形、哀、五感は視覚、隠喩、感情の縺れあり。
D母の半生と精神疾患=テンスは現在形+過去形、哀、五感は視覚、隠喩、縺れあり。
E母の半生と精神疾患=テンスは過去形、哀、五感は視覚、隠喩、感情の縺れあり。
 
結果 上記場面は、「母の半生と精神疾患」という購読脳の条件を満たしている。

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』の執筆脳について」より

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」で執筆脳を考える−実母のうつ病6

【連想分析1】
表2 言語の認知(文法と意味)母マリアが自分の居場所を把握する場面

A Sie lief nie weg. Sie wußte inzwischen, wo ihr Platz war. "Ich warte nur, bis die Kinder groß sind." Eine dritte Abtreibung, diesmal mit einem schweren Blutsturz. Kurz vor ihrem vierzigsten Lebensjahr wurde sie noch einmal schwanger. Eine weitere Abtreilung war nicht mehr möglich, und sie trug das Kind aus.
文法2 2、意味1 3、意味2 5、意味3 1、意味4 1

B Das Wort "Armut" war ein schönes, irgendwie edles Wort. Es gingen von ihm sofort Vorstellungen wie aus alten Schulbüchern aus: arm, aber sauber. Die Sauberkeit machte die Armen gesellschaftsfähig.
文法2 2、意味1 3、意味2 1、意味3 2、意味4 1

C Der soziale Fortschritt bestand in einer Reinlichkeitserziehung; waren die Elenden sauber geworden, so wurde "Armut" eine Ehrenbezeichnung. Das Elend war dann für die Betriffenen selber nur noch der Schmutz der Asozialen in einem anderen Land. 文法2 2、意味1 3、意味2 1、意味3 2、意味4 1

D "Das Fenster ist die Visitenkarte des Bewohners." So gaben die Habenichte gehorsam die fortschrittlich zu ihrer Sanierung bewilligten Mittel für ihre eigene Stubenreinheit aus. 
文法2 1+2、意味1 3、意味2 1、意味3 2、意味4 1

E Im Elend hatten sie die öffentlichen Vorstellungen noch mit abstoßenden, aber gerade darum konkret erlebbaren Bildern gestört, nun, als sanierte, gesäuberte "ärmere Schicht", wurde ihr Leben so über jede Vorstellung abstrakt, daß man sie vergessen konnte. Vom Elend gab es sinnliche Beschreibungen, von der Armut nur noch Sinnbilder. 文法2 2、意味1 3、意味2 1、意味3 2、意味4 1

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』の執筆脳について」より

ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」で執筆脳を考える−実母のうつ病5

4 データベースの作成・分析

 データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
 こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容はそれぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。 

【データベースの作成】表1「Wunschloses Unglück」のデータベースのカラム

項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1  喜怒哀楽 喜怒哀楽と記事なし。 
意味2  五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味3  振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
意味4 感情の縺れ あり、なし。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「母の半生と精神疾患」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報は、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 記憶と感情 エキスパートシステム 記憶は、情報を脳に書き込み、保持し、意識にのせる三段階の機能かならなる。感情は、驚き、怒り、喜び、恐怖、悲しみ、嫌悪など状況に反応して進行する複雑な感覚のこと。

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』の執筆脳について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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