ウェイソン選択課題の理解を自分なりに深めてみる
まず検索すると出てくる問題文を引用して読んでみます。
4枚のカードあり、片面に英字のA〜Z、もう片面に数字の1〜9が書かれている。
例えば、テーブルの上に、
A K 4 7
という4枚のカードが並んでいるとする。何枚かのカードを裏返して、
「カードの片面に母音が書かれているならば、もう片面には偶数が書かれている」
という仮説が正しいか確かめる場合、裏返す必要のあるカードを全て選ぶという問題。
なるべく簡単に考えてみる。
なんか色々と言っているが、要するにカードに書かれている文字は4種類しかない。
母音 子音 奇数 偶数
この4種類のみ。
であれば、何でも良いので簡単な文字を割り当て直してしまう。
母音 A
子音 B
奇数 1
偶数 2
この簡単な4枚が並んでいると考えてしまって良いだろう。
次に、それぞれのカードを裏返した時に、あり得るパターンを全て並べてしまう。
A → A&1 A&2
B → B&1 B&2
1 → A&1 B&1
2 → A&2 B&2
さて、問題文によると、どうも母音(A)の裏は偶数(2)でなければならないらしい。これが「A&2」。
つまり、「A&1」は存在してはならない。(母音&奇数)
一方で、偶数(2)の裏は別に母音(A)じゃなくてもいい。
「A&2」でも「B&2」でも、どっちでも良い。
「A&1」は存在してはならないので、すると必然的に1の裏もAであってはならない事になる。
もしAを裏返して1だったら駄目である事と同じ様に、
もし1を裏返してAだったら大変な事になるので、1も裏返して確認しなければならない。
Bと2は裏の文字がどっちだろうと、どっちでも良いので、放っておけば良いという算段。
要するに「A&1」だけが存在してはならない。以上の事を踏まえて、もう一度さっきの表を見てみる。
A → A&1 A&2
B → B&1 B&2
1 → A&1 B&1
2 → A&2 B&2
当然だが、裏返した時に「A&1」である可能性があるカードは、「A」と「1」だけである。
だから、母音と奇数のカードの裏を確認する必要があったんですね。
こうして可視化すると実に分かり易いものである。
身近な例えとして、
酒は大人しか飲んではいけないが、大人は酒を飲んでも茶を飲んでも良い。
酒は大人との組み合わせしか認められないが、注意するべきなのは、
酒と大人ではなく、酒と子供である。という感じ。
酒 → 酒&子 酒&大
茶 → 茶&子 茶&大
子 → 酒&子 茶&子
大 → 酒&大 茶&大
余談と蛇足
@偶数ではない文字が全て奇数であるという特殊な状況
まずカードの裏が偶数ではない場合、必ず奇数であるという事は当然だと思われるかもしれないが、
この状況は実は、たまたまであると言えないだろうか。
では、例えばカードの裏が偶数ではなく、平仮名であるはずだとする。
だが、もし平仮名でなかった場合、それは必ずカタカナだろうか?
いや、漢字かもしれないし、ギリシャ文字かもしれない。絵文字かもしれない。
こんな事にならないのは問題文で事前に1〜9の数字と限定されているからである。
だから、厳密に言うと、存在してはならない組み合わせは「母音と奇数」というよりは、
「母音と偶数ではない文字」なのである。
A英字の裏が必ず数字であるという特殊な状況
前述の内容と関連しまして、もう1つ、
そもそも記号が4種類もあるのに組み合わせが
A1 A2 B1 B2
この4つしか無いというのは少なすぎると思わないだろうか?
実際には、
A B 1 2
A AA AB A1 A2
B BB B1 B2
1 11 12
2 22
これだけの組み合わせがあったはずなのだが、その半数以上が問題文の前提により最初から除外されている。
そうでなければBの裏がAかもしれないので、確認する必要のあるカードが増える事になる。
「AとB」、「母音と偶数ではない文字」である。
母音と偶数の組み合わせがOKなので母音の裏を確認したのに、
もう一方の偶数ではなく奇数の裏を確認する必要があるという不思議な状況、
これらの事から、手作業でカードを裏返して母音と奇数の組み合わせが無い事を確認しているのに、
両面とも英字または数字であるという事は絶対にあり得ないという大前提で話が進んでいる事に、
何となく違和感を覚えてしまうかもしれない。
また、問題文を読み落としたり、そもそも出題に不備がある事によって、
答えが変わってしまう事が起こり得るのではないかと思う。
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