ロシアンルーレットは、2人で交互に引き金を引くという条件なら確率的には先手後手は互角。
単純に1、3、5発目に弾があるか
2、4、6発目に弾があるか
それだけで勝負が決まる。どちらも確率は1/2となる。
・・・うん、実に分かりやすい解説である。ありがとうございました。
・・・しかし、これはあくまでも使用する銃が6連発のリボルバー(拳銃)で、
ゲーム中にシリンダーを回転させず、尚且つ参加人数が2人で弾は1発だけという、
言ってしまえば、かなり限定的な条件(ルール)においての事。
そうではない場合も少なくないだろう。
だが、実際はロシアンルーレットの順番に有利不利は無いと口を揃えて断じる人が殆どである。
それは例えるならステージは終点でアイテムは無しのルールのみでスマブラというゲームの全てを語るようなもの。
ロシアンルーレットに順番による有利不利は常に無いと考えると、おかしな事になってくる。
それが分かる幾つかの思考実験を少しだけやってみようと思う。
人数が4人の場合
この4人を、それぞれABCDとする。この順番の通りに引き金を引くとする。
弾は1発だけなので弾が出る確率は常に1/6である。ここまでは良い。
しかしDが引き金を引いても弾が出なかった場合どうなるか?
もちろん順番が一巡して再びAから引き金を引くことになる。
Aが2回目の引き金を引いても弾が出なかった場合、
次のBが2回目の引き金を引いたときに弾が出る事が確定する。ここで、おかしな事になる。
AとBは2回目の引き金を引く可能性があるのに対して、
CとDが2回目の引き金を引くことは絶対にないのである。
あくまで弾が出る確率は常に1/6であるため、
引き金を2度引くAとBは1/6の危険が2度あるという事になる。これはCやDより不利だろう。
もっと単純に考えて、どの薬室に弾が入っているか、パターンを全て見てみると分かりやすい。
薬室の順番 123456
引き金を引く人 ABCDAB
AとBが被弾してしまう場合が2パターンずつだが、CとDは1パターンのみ。
AとBは2/6で被弾、CとDが1/6で被弾となり、合計6/6となる。
ちなみに3人でロシアンルーレットを行うと、
薬室の順番 123456
引き金を引く人 ABCABC
この様に被弾する場合が均等になる。つまり薬室の数を割り切れる人数で行った場合なら、
順番による有利不利が無くなるのである。
逆に言うと、そうでない場合は順番次第で不利になってしまう。
1人、2人、3人、6人で行った場合は割り切れるので平等だが、
4人で行った場合は1人目と2人目が不利となり、5人で行った場合は1人目のみが不利となる。
人数が7人の場合
7人目の人が被弾する事は絶対にない。何故なら6人目までに必ず弾が発射されるからである。
当たり前だと思うかもしれないが、これも順番が先だと不利である根拠の1つである。
弾が2発分の場合
参加人数は2人。それぞれA、Bとする。
6つの薬室の内の2つに弾が込められるわけなのだが、
例えば1つ目の薬室に弾が入っていた場合、もう1つの弾がどの薬室に入っていようが、
最初にAが引き金を引いた時点で弾が出てゲームは終了してしまう。
2つの弾が、それぞれどの薬室に入っていて、AとBのどちらが引き金を引いたときに弾が出てくるか、
それらのパターンを全て表にしてみる。
123456
1 AAAAA
2A BBBB
3AB AAA
4ABA BB
5ABAB A
6ABABA
見ての通り1人目であるAが引き金を引いた場合に弾が出る場合がBに比べて多い。
15パターンある内の9パターンがA(1人目)の被弾である。
これは、60%となる。
弾が3発分の場合
ABABAB
123456
1弾弾弾
2弾弾 弾
3弾弾 弾
4弾弾 弾
5弾 弾弾
6弾 弾 弾
7弾 弾 弾
8弾 弾弾
9弾 弾 弾
10弾 弾弾
11 弾弾弾
12 弾弾 弾
13 弾弾 弾
14 弾 弾弾
15 弾 弾 弾
16 弾 弾弾
17 弾弾弾
18 弾弾 弾
19 弾 弾弾
20 弾弾弾
20パターンの内、13パターンがA(1人目)の被弾となる。
これは、65%となる。
弾が4発分の場合
空の薬室が常に2つしかないので、そこに注目して考えてみる。
以下は弾が入っていない薬室の組み合わせと被弾する人の表である。
123456
1 ABBBB
2A AAAA
3BA AAA
4BAA AA
5BAAA A
6BAAAA
15パターンある内の11パターンがA(1人目)の被弾である。
これは、およそ73%である。
例によって1つめの薬室に弾が入っている場合は問答無用でAが被弾してしまう。
弾が4つもあるので1つ目の薬室に弾が入っている確率は高く、
それに伴ってAが被弾する確率も高くなってしまう。
弾が5発分の場合
弾が入っていない薬室は常に1つだけなので、そこに注目して考えると分かりやすい。
この場合も同じく1つ目の薬室に弾が入っている場合、
空の薬室が何番目だろうとAが引き金を引く1回目で弾が出てゲームが終了してしまう。
弾が入っていない薬室 123456
被弾してしまう人 BAAAAA
6パターンある内の5パターンがA(1人目)の被弾である。
これは、およそ83%である。
弾が6発分の場合
Aが引き金を引いた時に弾が出る確率が6/6となる。
6パターンある内の6パターンがA(1人目)の被弾である。
これは、100%である。
そんな事は当たり前だと思うかもしれないが、良く考えてみて欲しい。
弾が最も少ない場合ですら順番が先でも有利にはならないのだ。
弾の数が0発の場合でも順番が先の人が有利になるという事は無い。
そして弾の数が増えるほど順番が先の人は不利になってしまう。
危険な行為を先に行う人ほど危ないという直感は概ね正しいのである。
ロシアンルーレットは基本的に順番が先であるほど不利なのだ。
ロシアンルーレットの順番に有利不利は無いと断じる人が多い印象があるが、
むしろ、これほど露骨に先手が不利なゲームも珍しいのではないだろうか。
ロシアンルーレットのポイントは犠牲者が出た瞬間にゲームが終了する事だろう。
弾が発射されても、お構いなしで6回目までゲームが進行する場合は話が変わってくる。
(それでも結局、数学的にも状況的にも順番が先で有利になる事はないだろうが。)
極端な話、参加者が全員「首領パッチ」では意味の無いゲームとなる。
ロシアンルーレットの必勝法
相手に先手を譲り、弾の数を増やすことを提案する。
そして、自分に順番が回ってきた場合は、銃口を自分ではなく相手に向ける。
こうすれば、かなり安全に場を切り抜ける事が出来るでしょう。
相手が初手でこちらに銃口を向けてきた場合は知りません。頑張って避けましょう。
いかがでしたか?
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