通称・SFC用のソフトとして発売され、
プレイステーション
通称PSなどにリメイクされた、
テイルズオブファンタジア
TALES OF PHANTASIA
通称TOPに登場する街
ベネツィア
主人公であるクレス達が冒険の途中で
船を探すために立ち寄る町だ。
この町は水路で区切られており、
船頭に小銭を払って渡し船で移動することもできる。
町の中央には大きな噴水もあり、
近づくとBGMが消え、
水の音が聞こえるようになる演出があるなど、
水を全面に押し出した独特の雰囲気となっている。
一方で
イタリア共和国北東部に位置する都市
ヴェネツィア
ヴェネト州の州都、ヴェネツィア県の県都であり、
ベネチアと表記されることもある。
ここもまた、実在する水の都である。
テイルズに登場する町ベネツィアの名の由来は、
おそらく、このイタリアの水の都だろう。
位置的には、
イタリアを長靴と例えるなら、
膝の裏あたりだろうか。
TOPの町ベネツィアの市長の台詞に
「ここはデューティーフリーの自由貿易都市・・・
世界中から様々な商品が入ってくる
欲しい物は何でも手に入るよ」
というものがある。
デューティーフリー
duty-free
直訳で
義務 が ない
この言葉は、
無税。免税。特に、関税のかからないことをいう。
免税ではあるが、
「duty-free」とは関税が無税であることを指し、
消費税などの付加価値税が無税であることは
「tax-free」である。
つまりは、
この町ベネツィアでの貿易には
余計なお金がかからないので、
気軽に貿易ができる。
故に集まる商人も多く、
様々な商品が
この町に入ってくるということだろう。
実際、この町は
武器屋、防具屋、道具屋、食料屋(スーパー、スーパーマーケット)と
店が充実しており、
特に武器屋、防具屋には、
初めてこの町に来た時点では
性能の高いものばかりである。
中には奥義書や魔道書を売ってくれるNPCもいる。
先ほど
duty
を一度、義務と訳したが、
義務や責任といった日本語には
obligation
duty
liability
といった英単語が当てはめられる。
これらの違いは何か。
調べたところによると、
duty : 一般的に、倫理上もしくは法的になすべきこと
obligation : dutyより具体的で現実的な個別の義務
liability : 法的な根拠に基づく「義務」「債務」
正義感や良心みたいな内的な「義務」がduty、
拘束力の強い外的な「義務」がobligation
とのこと。
上記のことから、
関税を支払うことは一般的かつ法的になすべきことであるから、
関税が無税であるという意味の免税を
「duty-free」と表現するのだろう。
イタリアに実在するヴェネツィアだが、
調べたところによると、
中世盛期に、東ローマ帝国内における免税特権を活用し、
東西貿易や香辛料貿易の仲介者として莫大な富を築いた。
アジア全域から集められた商品は
紅海のアクスム王国を通るローマ・インド通商路またはレバントを経由して、
ヴェネツィア商人の手によってヨーロッパに届けられるようになった。
という歴史的背景がある。
このあたりが、
TOPにおけるベネツィアの市長の台詞の由来であろうか。
また、
ヴェネツィア共和国は11世紀には強力な艦隊と商船を有し、
アドリア海から東地中海、黒海の海上貿易を独占、
東方貿易(レヴァント貿易)の中心地として栄えた。
東方からは胡椒などの香辛料、織物などを輸入、
ヨーロッパからは初めは奴隷、後には羊毛製品を主に輸出した。
十字軍時代にはその出港地として船舶を提供、
また多くのヴェネツィア商人が同行して利益を上げた。
・・・という歴史的背景もあるが、
TOPのベネティアのスーパー『ウォーターフロント』には
残念ながら香辛料は並んでいない。
ちなみに、この町の道具屋は
『マラガの海』という名前だが、
マラガとは、
スペイン・アンダルシア州マラガ県に属するムニシピオ。
マラガ県の県都である。
人口は56万人で、スペイン第6位。
地中海に面し、リゾート地コスタ・デル・ソルの中心である。
マラゲーニャという音楽・舞踊形式の発祥の地であり、
画家のピカソの出身地でもある。
(ムニシピオ(スペイン語: municipio)とは、
スペイン語で地方自治体の最小単位である基礎自治体を意味する語彙である。)
マラガはスペインの南端に位置し、
アルボラン海に面している。
イタリアのヴェネツィアからは
ティレニア海やバレアス海を挟んで西に位置している。
上記のリゾート地コスタ・デル・ソルだが、
スペインのリゾート地、「Costa del Sol(太陽海岸)」
これは、
プレイステーションの代表作である、
『FINAL FANTASY VII』
『ファイナルファンタジーVII』
の町の名前に使われている。
こちらの作品においてもリゾート地である。
この記事の美味しいところをまとめると、
テイルズオブファンタジアに登場する町
ベネツィアは、
現実のイタリアの都市、ヴェネツィアが由来で
どちらも水の都である。
ベネツィアの道具屋『マラガの海』の
マラガとは、
スペインのリゾート地コスタ・デル・ソルの中心の都市で、
コスタ・デル・ソルという名は
FF7に登場する町の名に使われており、
FF7においてもリゾート地である。
といったところか。
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