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2019年03月26日

☆『悪玉伝』 朝井まかて:著

こんにちは。
くり子です。

今日の本は、『悪玉伝』。

悪玉伝 [ 朝井 まかて ]

価格:1,728円
(2019/3/26 22:14時点)
感想(1件)



大坂の豪商辰巳屋のお家騒動(相続争い)「辰巳屋騒動」が幕府を揺るがす疑獄事件に発展し、ついには大岡越前まで出てくる。
まかて氏の「辰巳屋騒動」に対する新しい見方は、大岡裁きで『悪玉』が裁かれるのでなく、忖度や投獄による自白偏重などが大きく影響して、真の『悪玉』とは誰か分からなくなってくるため、大岡裁きのすがすがしさは無い。
この疑獄事件では、武士と商人の関係性、江戸と大坂の反目精神、金と銀の力関係といった時代背景が事件の大筋をつくっており、興味深い。
ただ堅苦しいだけでなく、大坂商人の豪華な生活と収賄文化だったり、吉宗や大岡越前の描写だったり、木や花の話だったり、細部まで丁寧に書き込まれており、するすると読み進められるストーリー展開になっている。

くり子は全く知らなかった「辰巳屋騒動」ですが、
実録小説「銀の笄かんざし」が当時出版されたり、大岡越前の公務日記に詳しく出てきたり、疑獄事件としては唯一の詳細記録がある事件ということらしいです。
これらの記録では、辰巳屋先代久左衛門の実弟木津屋吉兵衛(養子に出ていた)が、辰巳屋を乗っ取ろうと画策したということや、判決内容などが書かれており、悪玉は完全に吉兵衛です。
吉兵衛目線で描かれている本作は、吉兵衛に肩入れしたくるような作品に仕上がっており、実際はどうだったんだろう〜と、とても興味をひかれます。
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晴耕雨読を目指す女性。 最近すっかり「手ぬぐい・モンペ」に馴染んでしまったため、 危機感をおぼえ、モンペの下にジーンズ着用。 更に危ない人物になりつつある。
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