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マルチアンプによるスピーカーの楽しみ倍増法 付録チャンネルデバイダーについて

マルチアンプによるスピーカーの楽しみ倍増法(ONTOMO MOOK Stereo編)
 
特別付録 FOSTEX(フォステクス)製ステレオ2WAY型チャンネルデバイダー


  ・ステレオ2WAY型チャンネルデバイダーの仕様
   2チャンネル2バンド2ウェイ方式
   クロスオーバー 1kHz〜10kHz(連続可変)
   減衰特性 -12dB/oct固定
   高域レベル調整 0〜 -6dB(連続可変)
   端子 RCA型
   電源 ACアダプター(12V/0.5A)付
   大きさ 109W×68D×28H mm、 重さ 約240g

  ・発売予定日 2014年11月19日  ・予価 ¥5,900(税込)  

のネットショップの通販予約が始まっています。


ステレオ(Stereo)2014年8月号 スピーカー工作特集号
  ・特別付録 フォステクス 2ウェイ・スピーカーユニット
     PW80:8cm口径コーン型ウーファー×2
     PT20:2cm口径ソフトドーム型トゥイーーター×2
     計4個+備品(ネットワーク用コンデンサー×2等)

  ・発売日:2014年7月19日 ・予価:3,810円(8%税込 本体価格 3,582円)

Stereo編2014年版スピーカー工作の基本&実例集(ONTOMO MOOK )
  ・特別付録 ステレオ 2014年8月号 付録
   フォステクス 2ウェイ・スピーカーユニット専用
   小型 2ウェイスピーカー バスレフ型エンクロージュア・キット

  ・発売日:2014年7月19日 ・予価:4,000円(8%税込 本体価格 3,703円)


上記、2書籍の特別付録に関する、スピーカーシステムに関係するオーディオ
アクセサリーになりますが、「マルチアンプ方式」「チャンネルデバイダー」等の
上級レベルのオーディオシステムに関係するアクセサリーなので、

一般人には何なのか? 知らないだろう「マルチアンプ方式」をするための
「チャンネルデバイダー(以下、チャンデバ)」が付録に付くムック誌を出版する
とは、非常に大胆な企画だと思いました。

「マルチウェイ・スピーカーシステム」の理想を追求すれば、「マルチアンプ方式」に
行きつくようです。そのため、"究極のオーディオ方式" と呼ぶ方々が多いそうです。

「マルチアンプ方式」「チャンネルデバイダー」の専門用語を
書籍「新版 スピーカー&エンクロージャー百科」からまとめて説明しますと


1) マルチアンプ方式 (マルチチャンネル・アンプ方式)

 マルチウェイ形スピーカーシステムをアンプで駆動するには、説明のために
再生周波数を一般的な2ウェイ方式に限定(究極を目指すと5ウェイ以上になる)
しますと、

高音域用と低音域用に再生周波数を分割して、スピーカーユニットを駆動する必要が
あります。

その分割方法には、スピーカーユニットを駆動する増幅アンプ(パワーアンプ)の
入力前と出力後のどちらかで分割するのが普通です。

パワーアンプの入力前にチャンデバで分割するのが「マルチアンプ方式」です。
パワーアンプの出力後にコイルとコンデンサーの素子からなるフィルター回路を
使うのが「デバイディング・ネットワーク回路方式」になります。

 それぞれの方式には、お互いに反する「メリット}と「デメリット」が有ります。
「マルチアンプ方式」側からみた「メリット}と「デメリット」を挙げてみますと、

A) メリット
(a) スピーカーユニットに直接アンプが繋がっているので、分割回路(チャンネル・
  デバイダー)がスピーカーユニットのインピーダンス特性の悪さ(波うっている)
  の影響を直接受けない。

  よって、入力側の伝送特性を直接反映した高忠実度のスピーカー出力増幅が可能

(b) スピーカーユニットごとに出力が分割されるので、小主力アンプ(高音質に作る
  ことが難しくない)が使用可能。

(c) 入力側でフィルター特性(分割周波数の特性)が自由に設定できるので、
  クロスオーバー値付近の繋ぎ目の特性をスムーズにできる。

(d) スピーカーとパワーアンプの間にネットワークやアッテネーターがないので
  定電圧駆動が可能となり、ダンピングファクターが変化しないため、音の
  立ち上がり・立ち下りが良い音質になる。

(e) スピーカーユニットの出力能率の違いをチャンデバで比較的楽に調整できる
  ので、ツィーターとウーファーの能率で、必ずツィーターの方が高い出力能率に
  する必要がないので、組合わせる選択肢が増える。

よって、最高レベルの高忠実度再生(Hi-Fi:ハイファイ)を目指すことが出来ます。


B)デメリット

(e) 分割チャンネル数だけパワーアンプが必要となり、規模が拡大・費用コストが
  高価になる。(低コストパフォーマンス)

(f) 駆動アンプの増幅度の微少変動でも、敏感に反応するので、再生特性が変わり、
  音質に大きい影響を与えやすい。つまり、調整が難しい。

(g) チャンネルデバイダーによって、広範囲で特性を細かく調整できる便利な反面、
  最適な設定値を決めることが非常に難しく(正解が分からない)、不安になる。

(h) スピーカーユニットの欠点を修正するような使い方はできませんが、あまりに
  細かく調整が可能なので、強引に調整してしまうような落とし穴に落ちる。

以上より、 大げさでコストが掛かり、使いこなせずにいつまでも調整するようなループ
作業に陥り易く、中々スピーカーシステム完成しない



2.チャンネルデバイダー

 「マルチアンプ方式」スピーカーシステムを駆動するには、一般的な2ウェイ方式
の場合、再生周波数を、高音域用と低音域用に出力音域を分割して、分割ごとにアンプ
とユニットを振り分けて、システムとして駆動します。

パワーアンプの入力前で再生周波数を分割する、オーディオアクセサリー(機器)が、
「チャンネルデバイダー」になります。

 スピーカーシステムにに内蔵される「デバイディングネットワーク(以下、パッシブ
NW)」と比較しますと

(h) クロスオーバー値をツマミ等を操作することによって、連続可変、広範囲、
  詳細、に設定可能

(i) クロスオーバー値の減衰特性(フィルターの特性)を、急峻な値に設定可能、

(j) 減衰特性の下り坂の曲線の形も[ベッセル、バターワース、リンクウィッツ・
  ライリー]の特性を選択可能。

(k) デジタル式「チャンデバ」の場合、ユニット毎の音の遅延等の設定が、可能と
  なっている。よって「タイムアライメント(リニアフェーズ)」の調整が、
  電気信号で可能となる。

(l) スピーカーユニット毎の音量調節が可能なので、組合わせるスピーカーユニット
  の出力音圧レベルを気にする必要が無くなり、ユニットの組合せパターンが大幅に
  増える。

など、他にもありますが、それらのような特徴が有ります。


 今回のムック誌の「付録チャンデバ」では、最大デメリットのコストの増加は、
ステレオ誌付録アンプ等の激安アンプの利用で抑えることが出来ます。

 調整の難しさは、設定可能な調整機能を大幅に絞って、簡単な調整しかできない
ようになっていますので、操作は非常に簡単になっています。

 ただし、ハイエンドシステムで目指すような高音質は、安アナログパーツの制限を
受ますので、まず無理です(安パーツの「パッシブNW」よりは高音質)。

素人のスピーカー自作では、低価格で音質上のメリットより、「パッシブNW」の
設定値を決めるための調整が楽になるメリットが有るそうです。

しかし、そんなに沢山設計スピーカー設計はませんし、クロスオーバー値が
「チャンデバ」から読み取れない仕様なので、

究極の音質を目指す「マルチアンプ方式」の操作・調整方法の雰囲気を味わう "遊び"
と「パッシブNW」の設定と組付けの面倒から解放すること
が、主体だと思います。


参照したウェブページは下記リンク先になります。

参考にしたページは

ステレオ2014年8月号 〜 マルチアンプによるスピーカーの楽しみ倍増法 〜

マルチアンプによるスピーカーの楽しみ倍増法 〜 チャンデバ 〜 その3
   
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