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2015年06月09日

LOVE理論 佐藤まさき

これは結構メンタルに染みる一冊でした。

いつもの様にレンタルコミックでふと借りたギャグ漫画なんですが、予想以上に面白かったです。
ちょっと絵が稲中に似てるでしょうか?

主人公は屋良畑(やらはた)君という20歳の男です。
この危険なネーミングをいきなりドーンと持ってくるストレートなセンスは素晴らしいです。
「ヤラハタ」という言葉にピンと来る人は多いと思います。男なら一度は聞いたことがあるであろう、「やらずの二十歳」つまり「20歳過ぎて童貞」という意味です。
この言葉を聞いただけで背筋に寒気を覚える人は多々・・・というある意味禁断のフレーズな訳です。

ストーリーとしては、主人公が幽霊コーチの独自のLOVE理論を身につけてモテ男への道を切り開いていく・・・という話なのですが(だと思います。1巻しか読んでいないので・・・)、いわゆる「モテない男」の描写がなかなか面白く秀逸です。

なんというか、
「あ、分かるな・・・」
という思い当たるところがアリアリなんですよね。
これって誰のこと?自分のこと?と冷や汗をかくこと請け合いです。

同じ学校のモテる奴に強烈な劣等感を覚えるくだりとか、ほんとその通り・・・と個人的には思います。

これらの「こんなんじゃモテないんだよ」という現実を突きつけられる冷や汗感が、ギャグっぽいまさかの技術から、一つ一つひっくり返っていくというカタルシスが良いですね!!

「執着の分散理論」
「日本代表理論(飲み会をサッカーの日本代表に例えて、それぞれの役割を演じていくという理論)」
などは、全くその通り!!あるある!!と思ってしまいますね。

今となっては役に立たせるような場面ももう少ないとは思いますが、もっと昔にこの漫画を読んでいたら異性に対する見方と接し方が変わっていたかな?と、少し残念です。

いや、勿論人それぞれの考え方は様々なんですが、この
「異性にモテない」
というのは、想像以上に精神的に辛いんですね。個人的な体験から言いますと。
人間はもともと社会的な動物ですから「疎外感」に対してはかなり敏感な神経を持っていると思うんですが、異性からの疎外感というのはまた格別な強さがありました。
「異性にモテない」→「生物として価値がない」→「生きている価値がない。自分はダメな奴」という究極の三段論法を展開してしまい、自分を追い込んでいくんですよ。

こうなると誰が何を言ったって言葉は届きません。
だって、「モテない状態の奴」には、どんな言葉を費やしたってそれは表面上の飾りでしかないんです。いくら良さそうな事を口で言ってたって、結局本当のところでは相手にしないんだろ?ともう相当拗ねた物の見方しかた出来なくなっているんですよ。

「モテない」という事実は、ある意味精神的なブラックホールなんです。

でも結局、ここから抜け出すためには、自分で何とかするしかないんですよね。
誰もどうすることもできません。

・・・とちょっと大いに脱線してしまいましたが、まあ、そんな昔のことを思い出させてくれるような、ギャグ漫画でありながら内容は結構リアルなもので、面白いと思いますってことです。

続きもこれは見たいです。またレンタルコミックに行かないと!!
posted by 霧島もとみ at 2015年06月09日 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミックー恋愛
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他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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