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2016年01月11日

棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか 棚橋弘至(文庫版)


面白く読めるとともに、なるほどと唸るところも多い良書です。
スポーツ本というよりも、プロレスエッセンスのあるビジネス書と言えるのではないでしょうか。

では簡単に紹介します。

この本は「新日本プロレス」に関する物語ですが、私はプロレスのことはほとんど知りません。
前知識としては、「かつてアントニオ猪木やジャイアント馬場が現役のときは物凄く人気があったが、K-1や総合格闘技がブームになるなか次第に人気が低迷し、その後どうなったかは全然知らない」といったレベルです。顔を知っているレスラーといえば、時々テレビのバラエティ番組に出てくる高田(出てこいやーのモノマネをケンコバがしているのは間接的にたくさん見ていました)や蝶野くらい。
著者の棚橋さんは、失礼ながら「1回見たことがあったかなあ?」というくらいでした。

そんな私がこの本を手に撮ったのは、「なぜ新日本プロレスを変えることができたのか」というタイトルと、プロレスラーらしからぬスーツでビシっと決めたビジネススタイルの棚橋さんの写真にグッと興味を惹かれたからです。
「プロレス?・・・そういえば低迷してたんだよなあ。それが変わった?人気を取り戻したのか?これはちょっと面白いかもしれないなあ」
といったところでしょうか。

書中では、プロレスの世界に強い憧れを持って飛び込んだ筆者が、新日本プロレスの低迷と正面から向きあい、悩みながら道を切り開いてきた過程が書かれています。
決してプロレスラーとしての才能に恵まれていた訳ではないと考えた著者が、何よりも努力、そして知恵と工夫を、信念を貫きながらプロレスと真正面から向き合っていく姿はシンプルに格好良いです。
その姿がありありと描かれていて、気が付くと、すっかり著者に感情移入して「棚橋=オレ」的な状態で読んでいました。
最後までページを捲る手が止まりませんでした。
”プロレスラー棚橋”の物語としてだけでも単純に面白い本です。

また、棚橋は一貫して「プロレス=興行=ビジネス」と捉え、それをどう盛り上げていくかという視点を持っていました。
低迷していく新日本プロレスをどう盛り上げるか?会社の中の人間を一社員の立場からどう変えていき(これが一番むずかしいことですよね・・・)、どう観客を惹きつけていくか?これらの課題に真正面から取り組んできたエピソードが書中で語られます。
ここにビジネス書としてのエッセンスが濃く現れています。

この本は「新日本プロレス」が題材でしたが、そこで起きた物語は実は他の分野でも多くのことにあてはまるんじゃないかと感じました。
「一番良かった時代」を思い、今は時代がなあ・・・と考えている分野・人たちは多くあるように考えます。
右肩上がりの成長は望めず、人口が減少する中でパイはどんどん減少し、娯楽は多様化して完全な買い手市場と化している。
その中でどうやったら自分のビジネスを広げていけるか?
それを棚橋さんはプロレスの中で実現したということであり、そしてまた、同じように自分たちも実現できるということなのかもしれません。

だとすると、棚橋さんの本書で語られる「新日本プロレス」そして「棚橋弘至」物語は、同じように自分自身の周りでも、ステージを変えていつでも表れる可能性があるっていうことです
もし、今の自分の立ち位置に棚橋がいたらどのように立ち向かうだろう?
よし・・・いっちょやってやるか!的な勇気を貰えたように思います。
どんな事でも考え方一つ、行動次第で変えることができるんだよ、俺はこうしてきたんだよという素敵な物語でした。

また、棚橋さんの人間性も好きになりました。
書中で書かれていた「同棲している彼女がいながら、別の交際していた女性に背中を刺される事件」には???でしたが、まあ、若さゆえの過ちなんですかね(汗)。

須藤元気さんもそうだったように感じましたが、格闘家と呼ばれる人たちは、自分の精神・肉体ととことん向き合っていく職業だからでしょうか?野性的といったイメージよりも遥かに理知的で、物事をよく見て考えているなあと感じました。
(勿論人によるところも大きいとは思いますが)

印象に残ったフレーズを最後にいくつか引用したいと思います。

”リング上でマイクを手にしてしゃべる時、僕は必ず「エネルギーのある言葉」を選んで使う。
「ありがとう」なら「感謝してます!」と言い換える。”(237P)

”情報は一度告知したくらいでは伝わらない”(141P)

”すかさず僕は猪木さんに言った。「僕が新しいパイを持ってきます!」”(197P)
タグ:棚橋弘至
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霧島もとみ
他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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