2011年03月11日
もちろん歩いて帰ります!徒歩帰宅を宣言する〜東日本大地震・都内23区 その3〜
地震が起きてからじりじりと待つこと数時間。
何度か机に潜る程の余震はあるが、階下への避難指示はない。
「30分〜1時間程外でお茶休憩してきたいなー。」
(訳:怖いのでしばらく外に逃亡してきていいですか?)
呟きつつもずっとその場に留まっていたこと。
17時になってやっと、社長から帰宅許可通知が出た。
「えー・・・、会社にいる方が安全だと思いますが、どうしても帰りたい・帰らなくちゃいけないという人は止めません。」
非常に回りくどい言い方だけど理由がある。
こと。の勤務するオフィスビルは、「地区内残留地区」にあるのだ。
つまり、下手に動きまわるよりじっとしていた方が安全だよ・・・という地域なのだ。
だけど、まだまだ強い余震が予想される今、地上から10階以上上のフロアに留まって安全とはとても思えない。
その時周囲の話が耳に入ってきたが、都内の電車はすべて止まっているらしい。
となると、徒歩しかない。
歩けるか?と言われると「歩ける。」
会社から自宅までの距離は、約14km。
仕事帰りに気が向いて途中まで歩いたことがあるし、よく参加するウォーキング大会ではそれ以上の距離を歩いている。
道も知っているし、徒歩帰宅に対する不安は全くない。
むしろ、いつ動くか分からない電車(こと。の利用する路線はよく止まり、復旧も遅いことが多い。)を待って、深夜に歩くことの方が怖い。
じりじりと帰宅許可を待っていたこと。は、社長の言葉にすぐに反応した。
「すみません。徒歩帰宅するので今日はもう上がらせてもらって良いですか?」
何度か机に潜る程の余震はあるが、階下への避難指示はない。
「30分〜1時間程外でお茶休憩してきたいなー。」
(訳:怖いのでしばらく外に逃亡してきていいですか?)
呟きつつもずっとその場に留まっていたこと。
17時になってやっと、社長から帰宅許可通知が出た。
「えー・・・、会社にいる方が安全だと思いますが、どうしても帰りたい・帰らなくちゃいけないという人は止めません。」
非常に回りくどい言い方だけど理由がある。
こと。の勤務するオフィスビルは、「地区内残留地区」にあるのだ。
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つまり、下手に動きまわるよりじっとしていた方が安全だよ・・・という地域なのだ。
だけど、まだまだ強い余震が予想される今、地上から10階以上上のフロアに留まって安全とはとても思えない。
その時周囲の話が耳に入ってきたが、都内の電車はすべて止まっているらしい。
となると、徒歩しかない。
歩けるか?と言われると「歩ける。」
会社から自宅までの距離は、約14km。
仕事帰りに気が向いて途中まで歩いたことがあるし、よく参加するウォーキング大会ではそれ以上の距離を歩いている。
道も知っているし、徒歩帰宅に対する不安は全くない。
むしろ、いつ動くか分からない電車(こと。の利用する路線はよく止まり、復旧も遅いことが多い。)を待って、深夜に歩くことの方が怖い。
じりじりと帰宅許可を待っていたこと。は、社長の言葉にすぐに反応した。
「すみません。徒歩帰宅するので今日はもう上がらせてもらって良いですか?」
帰宅するのは良いが行方不明は困るという話だったので、直接の上司に談判。
「いいけど・・・帰れるの?」
「帰れます。(キッパリ」
「じゃあ、総務と部長にも一言いってから上がって。」
総務の人に颯爽と徒歩帰宅宣言し、煙草休憩をしに外に出ている部長とは非常階段ですれ違うだろうと荷物をまとめ始める。
「歩いて帰るの!?」
「歩いて帰ります。(キッパリ 途中で電車が動けばそれに乗ればいいし・・・。」
何人かの女性社員に尋ねられる。
「帰らないんですか?」
と尋ねると、
「歩いて帰れるような距離じゃないし・・・。」
どうやらこと。以外に、徒歩帰宅しようとする人はいないらしい。
高層フロアでの地震に震え上がっていたこと。
ためらわず非常階段を降りた。
社内に喫煙ルームがなく、ビル内にもないオフィスビル。
外に小さな喫煙場所が設けられているが、最後に報告すべき部長が見当たらない。
(あれ・・・。)
非常階段ですれ違わなかったし、一体どこにいるんだ?
再び10階以上を登って行く気力もないし時間も惜しい。
携帯電話で会社の番号にかけると、通じなかった。
(うーん、どうしよう・・・。)
うろうろと迷うこと。の目に映ったのは公衆電話。
ああ、そうだ。
携帯電話は無理でも固定電話回線は大丈夫そうじゃない?
こんなこともあろうかと常備しているテレフォンカードを片手に、会社の番号をプッシュ。
トゥルルルル・・・。
無事にかかって安堵する。
「どうしたの?緊急事態?」
電話を取った女性社員にびっくりされる。
(そうだ、あんまり固定電話を塞いだらまずいね・・・。)
簡潔に、部長に遭遇できなかったけれどこのまま帰る旨を伝えて、電話を切った。
時間は17:30。
空はまだ明るかった。
次回、“不思議な光景・徒歩帰宅〜東日本大地震・都内23区 その4〜”に続きます。
【関連記事】
高層ビルでの地震は怖い〜東日本大地震・都内23区 その1〜
避難命令は出なかった。〜東日本大地震・都内23区 その2〜
「いいけど・・・帰れるの?」
「帰れます。(キッパリ」
「じゃあ、総務と部長にも一言いってから上がって。」
総務の人に颯爽と徒歩帰宅宣言し、煙草休憩をしに外に出ている部長とは非常階段ですれ違うだろうと荷物をまとめ始める。
「歩いて帰るの!?」
「歩いて帰ります。(キッパリ 途中で電車が動けばそれに乗ればいいし・・・。」
何人かの女性社員に尋ねられる。
「帰らないんですか?」
と尋ねると、
「歩いて帰れるような距離じゃないし・・・。」
どうやらこと。以外に、徒歩帰宅しようとする人はいないらしい。
高層フロアでの地震に震え上がっていたこと。
ためらわず非常階段を降りた。
社内に喫煙ルームがなく、ビル内にもないオフィスビル。
外に小さな喫煙場所が設けられているが、最後に報告すべき部長が見当たらない。
(あれ・・・。)
非常階段ですれ違わなかったし、一体どこにいるんだ?
再び10階以上を登って行く気力もないし時間も惜しい。
携帯電話で会社の番号にかけると、通じなかった。
(うーん、どうしよう・・・。)
うろうろと迷うこと。の目に映ったのは公衆電話。
ああ、そうだ。
携帯電話は無理でも固定電話回線は大丈夫そうじゃない?
こんなこともあろうかと常備しているテレフォンカードを片手に、会社の番号をプッシュ。
トゥルルルル・・・。
無事にかかって安堵する。
「どうしたの?緊急事態?」
電話を取った女性社員にびっくりされる。
(そうだ、あんまり固定電話を塞いだらまずいね・・・。)
簡潔に、部長に遭遇できなかったけれどこのまま帰る旨を伝えて、電話を切った。
時間は17:30。
空はまだ明るかった。
次回、“不思議な光景・徒歩帰宅〜東日本大地震・都内23区 その4〜”に続きます。
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高層ビルでの地震は怖い〜東日本大地震・都内23区 その1〜
避難命令は出なかった。〜東日本大地震・都内23区 その2〜