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高坂圭
フリーランスの放送作家・脚本家、コピーライター として活動し、33年目を迎えました。 最近は、物語プランナーとして、ストーリーの力で ビジネスをアップするクリエイターとしても活動しています。
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2024年01月11日

あっぱれ2!


馴染みのジャズ喫茶、今度は
ママの話。
酒場は床屋政談的に、時事の
あれこれを話すことが多い。
今日の話題は、松本人志さん。

「結局、松本さんはこれを機に辞めるんだろうね。
引退ってよく口にしてたし」と僕が言うと、
ママが
「いや、松本さんは辞めんよ」と即、否定。
普段時事にうとい彼女としては、珍しく鋭い。
「いや、辞めるって。だってお金も腐るほどある
だろうし。あれだけのスター、晩節を汚したくない
だろうし」
でも、ママ。
「いや、辞めんって。現にご主人亡くなっても
今も開けてるもん」
「はぁ?なんの話?」
すると、ママ。真面目な顔して、
「松本文具店のことやろ」

確かに、我が中央町にある文具店は最近
ご主人が亡くなったばかり。
でも健気に奥様がすぐに店を開けた。

ジャズ喫茶のママにとって、松本と問われれば、
文具店しか、選択の余地はなかったのだ。

いやー「ペントハウス」(実名)、夫婦そろって
天才です。

あっぱれ!


馴染みのジャズ喫茶のマスターが
40日間入院後、復帰されたと
いうので店へ。

彼は海馬脳炎という病に
ずいぶん前から罹り、記憶が
鈍くなっている。
とはいえ、今夜聞いた話は……、
「マスター入院長かったね。お疲れさん」
「それがさ、……なんも覚えてないのよ」
「え?全部?全く?」
「うん」

……だって。すごいねー、天才だねー、達人だねー。

で、ふと思い立ち、もうひとつ質問。
マスターは目が見えない。入院した病院は、
まだコロナ対策を講じてて面会謝絶。
家族に連絡の取りようがない。
彼もまたそんな気もない。

ところが、去年末のある日看護師さんから
家族のスマホに電話があり、
「どうしてもお話されたいことがあるみたいなので
変わります」
家族は、普段滅多にないことなので戦々恐々と
「どうしたの?」
すると、
「有馬記念、ルメールを軸に買っておいて」
その話を聞いてすかさず、僕、
「さすがにそれは覚えてるよね」
「……いや、まったく」

ああ、いいなぁ。
あやかりたい、首つりたい。
ちなみにそのレース、マスター、的中です。
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