2023年05月21日
面白すぎる! 「筒美京平 大ヒットメーカーの秘密」 近田春夫
数ある筒美京平本の中で、ダントツ。
日本で多分一番最初に、筒美京平の
凄さを広めたのは近田さんだと思う。
’
そんな彼が京平ワールドについて
語った本作は、実弟の音楽プロデューサー、
渡辺忠孝、盟友の作詞家、橋本淳、
唯一歌手で深い親交のあった
平山みきさんなどのインタビューも
交えた、唯一無比の作品。
’
なかでも、秀逸なのはこの分析。
’
「あの人の基本は、心地よいメロディーと
それをより美しくする和声だった。
京平さんは、生涯にわたって、アメリカで
成功したいというような意識を持たなかった
人だよね。
国内のリスナーを相手に、洋楽的なテイストを
日本の流行歌にアダプトさせる作業に終始した。
その方法論は、今の日本の若い書き手にも
引き継がれてるんじゃないかな。
彼らからは、海外のマーケットで成果を
収めたいという野望は感じられない」
’
また著者は、先生の作品の元ネタをずっと
考え、研究している。
それによると、
’
南沙織「17才」 リン・アンダーソン「ローズ・
ガーデン」(これはさすがに僕も知ってます)
’
松本伊代「センチメンタル・ジャーニー」
ギルバード・オサリバン「アローン・アゲイン」
(これは全く気が付かなかったが、言われてみれば)
’
近藤真彦「ギンギラギンにさりげなく」
クィンシー・ジョーンズ「愛のコリーダ」
(著者の独断らしいが、聞き比べてみたけど
うーん。もしそうなら、先生の
換骨奪胎の手法はやっぱりすごいですね)
筒美京平 大ヒットメーカーの秘密 (文春新書) [ 近田 春夫 ] 価格:935円 |
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