2017年10月23日
ユーロ連鎖危機の序章?スペイン政府、カタルーニャに対する「クーデター」を否定
ユーロ連鎖危機の序章?スペイン政府、カタルーニャに対する「クーデター」を否定・
スペインのアルフォンソ・ダスティス外相は22日、中央政府がカタルーニャ自治州を掌握しようとする動きは、「クーデター」ではないと否定した。
カタルーニャ州議会のカルメ・フォルカデル議長は、政府が21日に発表した措置は「事実上のクーデター」だと呼んでいる。
ダスティス外相はBBCに対し、「クーデターを起こした人がいたとしたら、それはカタルーニャ州政府だ」と話した。
州政府指導者らが独立への動きを止めなかったことを受け、中央政府はカタルーニャ州の自治権の一部停止を発表した。
カルレス・プッチダモン州首相率いるカタルーニャ州政府は、10月1日に実施した独立を問う住民投票で圧倒的多数が賛成を支持したと述べた。スペイン憲法裁判所の差し止め命令にもかかわらず実施された住民投票の投票率は43%で、投票者の90%が独立を支持したという。
2015年のカタルーニャ州選挙で約40%の票を得た、中央政府との団結を支持する複数の政党は住民投票をボイコットし、多くの独立反対派の人々は住民投票は無効だとして、投票しなかった。
スペイン政府の対応
スペインのマリアノ・ラホイ首相は21日、カタルーニャ州政府を解散し、州議会の一部の権限を制限する計画を発表した。
また当局は、州警察と州の公共放送局TV3を管理下に置こうとしているとの情報がある。
BBC番組「アンドリュー・マー・ショー」に出演したダスティス外相は、「クーデターがあるとすれば、それはプッチダモン氏とその政府によるものだ」と述べた。
「私たちがやっていることは、憲法の条項に厳格に従っている」とダスティス氏は述べ、スペイン憲法を「ドイツ憲法とそっくり同じもの」だと呼んだ。
「ほかの民主主義国家や、また間違いなく欧州連合(EU)諸国は、自国の一部地域が取ったこのような決断を容認しないだろう」
またダスティス氏は、住民投票当日に起こった警察のデモ参加者に対する武力行使の画像の「多く」は偽物だと主張した。
中央政府自身も投票の数日後、けがをしたデモ参加者に謝罪した。カタルーニャ州保健部によると、警察との武力衝突により1066人に手当てが必要だったという。
投票日の警察の乱暴な対応については、BBCのトム・バリッジ記者が伝えていた。
今後の動き
スペイン上院は27日に政府の措置と州選挙の実施の提案を承認する見通し。一方で、カタルーニャ州議会が同じ日に対抗措置を議論するため招集されるとの情報がある。
プッチダモン州首相は、州政府は直接統治を受け入れないと話した。21日には約45万人が州都バルセロナでデモを行い、「独立」、「自由」と繰り返し声を上げた。
分離独立派は外部の介入を求めているが、EUは今回の危機がスペインの内政問題であるとして不干渉の立場を取っている。
なぜカタルーニャの指導者らはフランコ時代のやり方だと非難しているのか?
40年近くにわたり複数政党制の立憲君主制が続いてきたスペインは、欧州で最もリベラルな法律を持つ国の一つ。2005年にEU内で早いうちから同姓婚を導入した国でもある。
故フランシスコ・フランコ将軍は、カタルーニャの民族主義者や左派が特に嫌悪する存在だ。カタルーニャはスペイン内戦でフランコ側と争った共和国側の本拠地だった。
現在の中央政府が当時のフランコ派の戦術をとっているとの指摘は、ラホイ首相率いる国民党内の痛いところを突いている。国民党はフランコ政権の元閣僚マヌエル・フラガ氏が結党したからだ。
しかし、ラホイ首相は主要な野党2党の中道・シウダダノスと社会党の支持を得ている。
社会党は強固な反フランコ派が支持基盤になっており、アンダルシア州など同国南部で特に支持が強い。住民投票の際にカタルーニャに配置された警官隊の一部はアンダルシアから派遣されていた。
このため、スペインのほかの地域がカタルーニャ独立を抑えるために強硬な措置を支持している理由はより複雑だ。
スペインのアルフォンソ・ダスティス外相は22日、中央政府がカタルーニャ自治州を掌握しようとする動きは、「クーデター」ではないと否定した。
カタルーニャ州議会のカルメ・フォルカデル議長は、政府が21日に発表した措置は「事実上のクーデター」だと呼んでいる。
ダスティス外相はBBCに対し、「クーデターを起こした人がいたとしたら、それはカタルーニャ州政府だ」と話した。
州政府指導者らが独立への動きを止めなかったことを受け、中央政府はカタルーニャ州の自治権の一部停止を発表した。
カルレス・プッチダモン州首相率いるカタルーニャ州政府は、10月1日に実施した独立を問う住民投票で圧倒的多数が賛成を支持したと述べた。スペイン憲法裁判所の差し止め命令にもかかわらず実施された住民投票の投票率は43%で、投票者の90%が独立を支持したという。
2015年のカタルーニャ州選挙で約40%の票を得た、中央政府との団結を支持する複数の政党は住民投票をボイコットし、多くの独立反対派の人々は住民投票は無効だとして、投票しなかった。
スペイン政府の対応
スペインのマリアノ・ラホイ首相は21日、カタルーニャ州政府を解散し、州議会の一部の権限を制限する計画を発表した。
また当局は、州警察と州の公共放送局TV3を管理下に置こうとしているとの情報がある。
BBC番組「アンドリュー・マー・ショー」に出演したダスティス外相は、「クーデターがあるとすれば、それはプッチダモン氏とその政府によるものだ」と述べた。
「私たちがやっていることは、憲法の条項に厳格に従っている」とダスティス氏は述べ、スペイン憲法を「ドイツ憲法とそっくり同じもの」だと呼んだ。
「ほかの民主主義国家や、また間違いなく欧州連合(EU)諸国は、自国の一部地域が取ったこのような決断を容認しないだろう」
またダスティス氏は、住民投票当日に起こった警察のデモ参加者に対する武力行使の画像の「多く」は偽物だと主張した。
中央政府自身も投票の数日後、けがをしたデモ参加者に謝罪した。カタルーニャ州保健部によると、警察との武力衝突により1066人に手当てが必要だったという。
投票日の警察の乱暴な対応については、BBCのトム・バリッジ記者が伝えていた。
今後の動き
スペイン上院は27日に政府の措置と州選挙の実施の提案を承認する見通し。一方で、カタルーニャ州議会が同じ日に対抗措置を議論するため招集されるとの情報がある。
プッチダモン州首相は、州政府は直接統治を受け入れないと話した。21日には約45万人が州都バルセロナでデモを行い、「独立」、「自由」と繰り返し声を上げた。
分離独立派は外部の介入を求めているが、EUは今回の危機がスペインの内政問題であるとして不干渉の立場を取っている。
なぜカタルーニャの指導者らはフランコ時代のやり方だと非難しているのか?
40年近くにわたり複数政党制の立憲君主制が続いてきたスペインは、欧州で最もリベラルな法律を持つ国の一つ。2005年にEU内で早いうちから同姓婚を導入した国でもある。
故フランシスコ・フランコ将軍は、カタルーニャの民族主義者や左派が特に嫌悪する存在だ。カタルーニャはスペイン内戦でフランコ側と争った共和国側の本拠地だった。
現在の中央政府が当時のフランコ派の戦術をとっているとの指摘は、ラホイ首相率いる国民党内の痛いところを突いている。国民党はフランコ政権の元閣僚マヌエル・フラガ氏が結党したからだ。
しかし、ラホイ首相は主要な野党2党の中道・シウダダノスと社会党の支持を得ている。
社会党は強固な反フランコ派が支持基盤になっており、アンダルシア州など同国南部で特に支持が強い。住民投票の際にカタルーニャに配置された警官隊の一部はアンダルシアから派遣されていた。
このため、スペインのほかの地域がカタルーニャ独立を抑えるために強硬な措置を支持している理由はより複雑だ。
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