2017年09月14日
有機肥料を使うナスの育て方【家庭菜園】
ナスをうまく育てられずに困っていませんか?
実は管理人も家庭菜園を始めてから、数年間はナスだけは上手く育てられませんでした。
ナスを育て方とコツをお教えします。
ナス科の基本情報
ナス科の野菜で、トマトやジャガイモ、ししとう、ピーマンの仲間です。
暑い気候と水が大好きなのが特徴。
日本では黒が主流ですが、世界では白、赤、紫と白のゼブラ、緑とわりかしカラフルです。
用意する道具・肥料
(1)短めの支柱
株が大きくなると、風で倒れやすくなるので、様子を見て支えてあげる必要が出てきます。
(2)有機石灰
牡蠣殻やホタテの貝殻で作られた石灰を用意します。
(3)肥料
果菜類のナスにはリン酸が重視されますが、チッソ、カリウム、その他の微量要素も必要です。
チッソメインの油かす、リン酸メインの骨粉を併用するといいでしょう。
肥料吸収を高めるためにも、余裕があれば米ぬかボカシを作ることをおススメします。
家庭菜園で使える手作りボカシ肥料の簡単な作り方
(4)もみ殻くん炭
お米の外側の皮であるもみ殻から作った炭です。
リン酸は土の中で他のものとくっつき、吸収され辛くなることがあります。
炭を住処にする菌がリン酸と余計なものを引き離し、吸収しやすくしてくれます。
(5)堆肥
土をふかふかにして、植物が成長しやすい・菌が活動しやすい状態を作ります。
牛フンや腐葉土が有名ですが、どちらを使っても構いません。
雑草を放置して土になってしまったものがあるのなら、それでも構いません。
(6)ハサミ
ナスの収穫以外にもナスの剪定をするのにも使います。
園芸用の剪定ハサミでも構いませんが、家庭用の普通のハサミでも切れます。
苗の準備
春に苗を植えるナスの育苗は真冬に始まります。
保温が必須なので、一般家庭ではナスの苗を作ることはおススメしません。
ホームセンターや園芸店で苗が売られた時期に、苗を買って植えたほうが無難。
選び方は元気がいいものを選べば大丈夫です。
土作り
基本的に過去3年間ナス科野菜を植えたことがない場所に植えるのが基本です。
じゃがいもの隣も駄目です。
じゃがいもにつく害虫の幼虫が成虫になると、ナスに移住してくるからです。
ナスを植える場所に肥料・石灰・堆肥・もみ殻くん炭を混ぜます。
分量に関しては袋の表記を参考にして下さい。
表示がない場合は肥料と石灰が1平方メートル1掴み、堆肥ともみ殻くん炭は1平方メートル2キロ。
去年のナス科以外の野菜を植えた畝があるのなら、堆肥と石灰を混ぜて形を整えて植えて大丈夫です。
ボカシ肥料ならすぐに植えてもいいですが、それ以外の有機肥料の場合は1週間待って下さい。
植えつけを待っている間に、菌が有機肥料を植物が吸収出来るように分解してくれるので、植えてからすぐにナスは肥料を吸収することが出来ます。
畝
高さ10cm、幅60cmのものを用意します。
虫が平気なら、植えつけをした後に新鮮な雑草で覆い、草マルチをしましょう。
水やりや追肥、草取りの時に外す手間がありますが、雑草を食べる虫のフンがナスの栄養になります。
他にも、草マルチが水分の蒸発を防ぎます。
植えつけ
植えつける前に、苗は1時間ほどポットの部分を水に浸けて、充分に水分を吸収させます。
ただし、翌日が雨の予報がある時はナスの水分が多くなり過ぎて、弱ってしまう可能性があるので省略して下さい。
60cm間隔で植えつけです。
風通しを良くして、病気予防をするため、あえて広くします。
植え穴の10cmほど下に1掴みの半分ほどのボカシ肥料を入れましょう。
根っこが伸びた頃にその肥料を吸収して伸びてくれます。
肥料を入れたら、土を入れ、ナスに丁度良い穴にしてから、そこに水をたくさんまき、ナスを植えます。
植え穴に水を入れてあるので、数日は水をあげなくても大丈夫です。
ネズミが多い地域ではナスの茎を噛み切ってしまうことがあります。
その場合はナスを植える時にミントのガムを植え穴に入れて下さい。
ミントの臭いを嫌がり、ネズミが寄ってきません。
剪定
ナスは枝を3本もしくは2本伸ばして、それに実をつけさせるというのが基本とされます。
これは枝ばっかり伸ばすと、肥料が実にいかないからです。
ただ、ナスを収穫する時、実がついている枝ごと切り落とせば、自然と3本もしくは2本の枝だけが伸びている状態になります。
決めた枝にだけナスをつけるのではなくて、常に新しく出てきた枝に実をつけていくという考え方です。
追肥
ナスは野菜の中でもとにかく肥料食いで、ギャル曽根系です。
植えつけから1週間後に葉っぱの一回り外側に円を描くようにボカシ肥料を1掴みまき、土とよく混ぜます。
それから、1週間から2週間を目安に葉の一回り外側か畝肩に追肥をします。
花が落ちたら、肥料が足りない状態なので、追肥の量を増やしたり、追肥をする場所を変えたりして様子を見ましょう。
真夏に花が落ちたら、実をならせ過ぎたことによる疲労ですから、実を全て落として休ませて下さい。
花の雌しべから雄しべが飛びだしている状態が、肥料が足りている状態なので、それを目指します。
上の画像のナスの花は真ん中から雄しべが飛び出していないので、肥料不足のサインです。
拙いですが、ナスの中心部を描きました。このように飛びだしていることが大切です。
ナスの雄しべが雌しべに引っ込みそうな状態が、理想的な追肥のタイミングです。
ナスの実のエグミが強かったら、肥料が多過ぎるサインなので追肥を休みます。
天気が悪かったり寒いと、ナスの肥料を吸収率が落ちるので、成長が鈍ります。
追肥をしても成長が鈍い場合は木酢液やHB-101をまいて様子を見ます。
木酢液は肥料吸収を促進する効果がありますが、HB-101は肥料吸収を促進する以外にも耐寒性を高める効果があるように感じます。
水やり
植えつけから約1週間後から水やりを始めます。
枯れない程度に大量の水が必要です。
毎日、頑張って水をまいていたら、葉っぱが茶色くなってきたら、水が多過ぎです。
晴天続きの日なら、最低でも2日か3日に1度は水をあげます。
畝に草マルチをすることで、水分の蒸発を抑えることが出来るので、水やりの回数を減らすことが可能です
畑の近隣に民家がなければ、思い切って草を生やして、時々、鎌で刈り取りながら、水分の蒸発を抑えるという方法もありますが、草が邪魔になるので管理が大変になります。
草を生やすのが嫌という人はパセリをナスの根元に植えましょう。
日陰が大好きなパセリがナスを日よけにし、ナスはパセリのお陰で水分の蒸発を防ぐことが出来ます。
最初のナスの実はすぐに取る
最初のナスの実は小さい段階でとって捨てます。
理由はこの段階のナスの株がまだ充分に成長していないからです。
この段階で、実を大きくすると、他の実がなるのが遅れてしまい、結果的に収量が落ちます。
それに、何故か1番目のナスの実はおいしくないからです。
収穫
ナスの収穫時期は長さで判断しますが、品種によって違います。
最初に購入した時に、ナスの品種などの説明が描かれた紙がポットにささっている場合、収穫時期の目安となる長さが書かれているはずです。
しっかりと覚えておくか紙を保管しましょう。
管理人は、ナスのツヤが一段と深まった時を収穫の目安としています。
この感覚は経験によるものが大きいので、たくさんナスを作って下さい。
ナスの病害虫
肥料過多になり過ぎると、ナスの葉にびっちりとたかる細かい虫・アブラムシがたかります。
この場合は木酢液かHB-101をまいて下さい。
葉っぱに白い落書きのようなものがあるのはハモグリバエで放っておいて大丈夫です。
葉っぱの中に潜っているので、木酢液やHB-101は効果がないことがほとんど。
こちらは葉っぱの中に潜っているからか何かをまいても効果は薄いです。
テントウムシの偽物みたいな虫はテントウムシダマシといい、葉っぱを食べます。
潰しても良いですが、放っておいても大丈夫です。
まとめ
ナスは肥料と水が大好きな野菜ですから、ケチケチ育てると実がつかないとか実がついてもおいしくないといったことになります。
ナスを収穫する時はナスの実がついている枝ごと切り落として下さい。
たくさん、枝をつけると実に栄養が行かず、成長しない上に味も悪くなります。
肥料と水の量の感覚さえ分かれば、基本的に育てやすく、連作をしていない健康な土なら病気に悩まされることもほとんどありません。
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