スポラディックE層反射通信の楽しみ
今日のように快晴の日には、気になる現象が起きる時期になってきています。
それは電波の異常伝搬、通常では届かない地球上の地域に、電波が到達する事です。私の説明では、信憑性を疑われる方もいらっしゃるかも知れませんので、下記をご覧下さい。
スポラディックE層とは:
出典: フリー百科事典『ウィキペディア』
スポラディックE層(Es層、略称EスポまたはEs、英語:Sporadic E layEr)とは、春から夏ごろにかけて、主に昼間に、上空約100km付近に局地的に突発的(sporadic)に発生する電離層である。通称「Eスポ」と呼ばれる。
Esの電子密度が極度に高い場合は、F層でも反射できないVHF帯の電波をも反射するという特殊な性質がある。
発生時の状況
30MHz以上の周波数の電波は、VHF(VERY High Frequency)と呼ばれ、通常は電離層を透過し、見通し距離外への伝播はできず直接波通信に限定される。 ところが、スポラディックE層と呼ばれる特殊な電離層が発生すると、通常は電離層を透過する30ー150MHzのVHF電波が、スポラディックE層により反射されて地上に戻って来るようになる。このため、日本では韓国や中国などの周辺諸国や離島・地方の大出力局のテレビやFMラジオ電波が、スポラディックE層で反射して、日本でも強く受信され、テレビの1〜3チャンネルやFMラジオ放送に混信による画像や音声の乱れが生じることがある。アマチュア無線では21MHz帯以上の周波数の反射が顕著で、長距離(300〜1500km以上)の交信が可能となる。ただし、21MHz以下の周波数でもスポラディックE層による反射は起こっている。
発生の傾向
Eスポは、季節的には5月中旬〜8月上旬に発生頻度が高い。時間的には、11時〜12時と17時〜18時頃に最も出現頻度が高い。また数日続けて同じ時刻近辺にEスポが出現しやすい傾向があるが、発生頻度は不規則である。
Eスポの発生頻度に地域的偏りがあり、その原因は不明であるが、地球上では日本付近において最も出現率が高いことが知られている。通常の電離層(D,E,F層)と比べると、電子密度が極めて高いのがスポラディックE層の特徴で、上空約100kmで雲のような状態で分布し、高速で移動する。
夜間に発生するVHF帯での異常伝播は、E層での「FAI」と呼ばれる電離層構造が出来るという説もある。FAIとは、Es層内プラズマ中の不安定な構造が、地磁気の磁力線に沿った鉛直方向に対して電子密度が高くなる濃淡構造言う。FAIは磁力線に直行の方向から入射する電波を強く後方散乱し、夏の夜半前にしばしば現れると言われている。
電離層(D,E,F層))の電子密度の変化は、11年周期の太陽活動との相関が高いことが知られているが、スポラディックE層では、出現頻度や最大電子密度と太陽活動との関係は無い。流星を起源とする金属イオンによって高い電子密度が保たれるため流星群の出現と相関があるとする説や、ある特定の気圧配置において出現しやすいとする説もあったが、現在では、ウィンドシアー理論によるスポラディックE層の生成過程説が有力的に支持されている。
以上のように、スポラディックE層反射通信は、突発的に起きるもので、予測が付かないのがとても面白いと思います。常に、想定周波数帯域をワッチ(受信)し、その兆候が起きた時に観測を始めたり、通信実験を試みたりと、突然忙しくなるのです。かと言って、常に起きるものでもなく、その発生条件は上記の様にウィンドシアー理論に依って定義されてきています。それでも、予測不能な現象で在る事に代わりは無く、地球物理学的な電気現象がいつ起きるかと思うと興奮する時も有ります。
今、窓から見える青空を見ていると、その様な事を思い出しました。
この様に対流圏以外にも、電離層で色んな現象が起きていますが、興味が尽きないと思いますが、皆様は如何でしょうか?例えば、電離層での有名な現象に「オーロラ」が在りますが、表現の仕方が悪いとは思いますが、その現象は、電離層で、テレビのブラウン管の中で起きている蛍光反応が、地球上の遙か上空で起こっていると考えて下さったら良いと思います。あの様な綺麗な物理現象に、電気物理学から考察したら、決して綺麗には見えませんが、人間の目には美しい現象だと思います。