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2020年07月24日

開封の儀を提案するショップ目線でのコスト

前回、「開封の儀」と言う事で、ネット通販における梱包について書いてみました。


買物をした消費者がその品物の封を開ける体験がひとつのイベントになっていること、また消費者が梱包に期待していることについてですね。


今回はショップ側の視点で、かかる物流コストを整理します。


ネット通販の「梱包」にかかる物流コストを大きく分けると、作業コスト、資材コスト、輸送コストが挙げられます。


JIS(日本産業標準)によると、「梱包」はあくまでも「輸送のための荷造り」とされていますので、今回は荷造りにかかる作業コストと資材コストを整理していきます。


まず、作業コストですが、手作業で梱包をしている場合は、言い換えると梱包作業を行う人件費部分です。


ピッキングした商品を荷造りするためには、梱包資材を選択し、資材を組み立て、商品を保護するための緩衝材の選択し、商品を入れつつ緩衝材を詰める、納品書等を入れる、箱を封する、といった流れで荷造り=梱包が進みます。


形状の違う商品を同梱するときなどは、資材の選択(例えば段ボールのサイズ、緩衝材の選択、量の調整)にも時間がかかります。


画一の商品の梱包でなければ「選択する」という作業が発生することが注意点です。作業者の判断が必要で、人によっては時間がかかることもあります。


製函機や自動梱包機などが導入されている場合は、人件費は抑制できますが、その稼働にかかるコストが発生します。また、機械を管理したり、セットする資材を入れ替える工程は人が行う場合もありますので、そのときの人件費も含まれます。


次に資材管理コストです。


資材調達にかかる費用はもちろんですが、扱う品物が複数の場合、品物が人種類でも出荷する際に個数にバラつきがあれば、何種類か資材を揃えることが多いです。


資材が複数あるということは、それぞれ発注し、保管しなければなりません。


先ほど作業コストでも書きましたが、システムで制御していない限り、資材が増えれば増えるほど、梱包作業者が「どの資材を使おうか」と考える時間が長くなり作業コストが増えてしまいます。


副資材である緩衝材も発注管理が必要で、緩衝材、例えばエアークッションなどスペースを取るものもあり、
保管コストもかかっています。


複数の大手ショッピングモールで緩衝材付き封筒を比較した場合、厚さが1/3ほど違いました。ここまで薄いと、サイズによる輸送コストに違いはないと考えられますが(もちろん、タリフは異なると思いますが)、厚さが薄いことでどんなメリットが生まれるのでしょうか?


まず、より分厚い商品を封入することが可能になること。また、保管コストも1/3分抑えられます。


調達の条件(量、金額、発注先)や輸送タリフによってどちらがメリットがあるか、は各ショップによって違いますが、このような条件が関わる、ということを知っておいて頂ければと思います。

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