借金の督促状と催告書の違いってなに?
消費者金融や銀行などから借金をしていて、期限内に返済することを忘れていたり、無視したりすると、業者からの取立が始まります。
最初の内はハガキや電話での連絡程度ですが、しばらくすると、「督促状」や「催告書」が送られてくるようになります。債務者の中にはこの督促状と催告書を同じようなものだと思っている人が少なくありませんが、実は全く別の意味を持っているのです。
督促状とは
借金の取立における書類としては初めに督促状が送られてきます。
督促状といっても常に同じ文面ではなく、送られてくる段階で記載されている内容が変わってきます。最初の内はビジネス調の丁寧な言葉で、返済を促す文章になっていますが、二度三度と送られるようになると、法律的な対処をまじえた要求的な文面に変わってきます。
督促状の内容は大体、「貸付金の返済が滞っています。すみやかに返済してください。返済が難しい場合は連絡をお願いします」というものです。
そして、督促が繰り返されると、「ご返済いただけない場合は、法的手続きを行う可能性があります」といった文面が加わります。
督促状が届いた時の対処はどうすればいいのか?
督促状が届いたら何はともあれ、業者にまず連絡をすることです。
当然、返済ができない状態でしょうから、きちんと事情を説明することが大切です。業者も貸付金の回収が最終目的ですから、返済期限の延長を提案してくるのが一般的であり、返済計画についてのアドバイスをしてくれることもあります。最も大切なのは「こちらから」行うアクションです。
自主的に連絡を入れるのと、業者から電話が掛かってくるのとでは、大きな違いがあります。仮に貴方が2週間返済を待ってほしい場合、自主的に電話をしたのなら、カードローン業者も高い可能性で2週間程度なら待ってくれるでしょう。
なぜなら、自分から電話をしてきた人は、それだけ返済について重要に考えている証拠であり、そのような人は、仮に2週間待って支払いができない場合、再度電話を自分から入れてくる可能性が高いからです。
業者も延滞者に連絡するのは、非常に手間のかかる仕事です。自主的に連絡を入れてくる人は、ある程度の話を信用して、返済期期日を猶予してくれる場合が多いでしょう。
逆に支払日を過ぎた状態で自主的に連絡せず、業者から電話があった時点で2週間の猶予を申し出ても、すぐには受け入れてもらえない場合があります。それは延滞する前に連絡することが常識であり、それを怠った人に2週間待ったところで、また連絡せずに延滞になる可能性があるからです。
このように、連絡一本をするかしないかによって、業者が自分に持つイメージは大きく変わってきます。支払いが遅れると分かった時点で、「いつ」、「いくら」支払いが可能なのか相談の連絡をすぐに入れることが最善の方法となります。
督促状を無視し続けた場合はどうなるのか?
督促状は返済を行ったり、連絡をしたりしなければ、何度でも送られてきます。
ただ、督促状には法的な効力がないため、何度送られたとしても差し押さえなどの法的措置が行われることはありません。
また、督促状は民間の手続きでしかないため、時効期間が止まることもありません。しかし、督促状を無視し続けると、催告書が送られてくるようになります。
催告書とは?どんな書面なのか?
催告書になると文面がより厳しいものになり、法的措置を取ることを示唆する文章が盛り込まれます。
また、滞納している延滞金だけではなく、借入金全額及び遅延損害金の支払いを請求されるようになります。つまり、強制的な金銭貸借契約の解除の意味であり、分割金などの金額は書いてありません。
催告書が督促状と異なるのは、時効期間が6ヶ月間延長されるようになることです。借金の存在を債務者に通知することによって、時効の延長が可能になります。
催告書は通常、内容証明郵便や配達証明の形で送られてきます。内容証明郵便とは郵便局が内容を確認し、証明してくれる配達方法であり、配達証明は相手に間違いなく郵便物を配達しました、ということを郵便局が証明してくれます。
内容証明郵便で送るのは、債権者が債務者に返済の催促を行い、それを債務者が認知したという事実が必要だからです。つまり、債務者が催告書を受け取っていないと主張できなくするためです。裁判所は中立の立場であるため、債権の存在に対する証拠、証明が必要となるのです。
なお、時効の延長が有効になるのは1回だけであるため、催告書が来るたびに時効が延長されるわけではありません。
催告書を無視し続けた場合はどうなるのか?
催告書は最後通告であるため、法的処置を取られる可能性が高くなります。ただ、裁判になると時間と費用が掛かるため、業者は裁判所に支払督促を申し立てるのが一般的です。
裁判所からの支払督促は当然法的な効力があるため、放置すると最終的には財産の差し押さえが可能になります。また、支払督促が発付された時点で正式に時効が中断します(前日までの時効期間が消滅)。
借金をしておいて、返済を免れるなどということは法治国家では不可能です。仮に、連帯保証人がいると、その人に多大な迷惑を掛けることになります。
もし、返済ができない状態になった場合は、債権者に対して誠意ある対応をすることが最善の策です。なお、どうしても返済が不能な場合は、裁判所に債務整理の申立をする方法もあります。
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