口コミで選ぶメリットとデメリット
消費者金融へ申込する場合に、そこの会社の口コミや評判を一つの判断基準として選ぶことがあると思います。口コミで調べる内容は主に申込した人の借入件数・年収で、可決(借りられた)か否決(借りれなかった)かの内容で、自分自身が審査に通るのかについて知りたい場合と、審査時間や契約までの書類のやりとり等の実際の流れを確認したい場合などに分かれます。
インターネット上にあふれている口コミは真実なのか根拠は全く無く、あくまで一片の情報として見る必要があります。なぜなら消費者金融の審査はその人の借入件数・年収だけで決まるものでもなく、勤続年数や居住年数、一人暮らしなのか、同居なのか、保険証の種類、そして信用情報の内容など一人一人の申込みが必ずしも同じ結果になるとは言えないからです。
そして口コミは断られた人が書く傾向が多く、審査で可決(借りられた)人が書くのは少ないとも言え、可決の場合についても真実性ははっきりと分かりません。審査時間についても、連絡が取りづらい人もいれば、すぐ取れる状態の人もおり、借入金額によっては源泉徴収票などの書類も必要になることから、その口コミ内容で一概に決めることは正しいとも言えないのです。
今回は消費者金融を口コミで選ぶメリットとデメリットについて書いていきます。
(最終更新日付:平成29年3月30日)
2012年度成約率は40%台
前回記事にも書きましたが、2012年度の大手消費者金融成約率(貸付率)は大手で40%台となっており、中堅で約20%台、中小・地元密着の消費者金融であれば成約率は10%台ともなっているのが現状です。消費者金融が全盛期だった頃は大手消費者金融の成約率は60%台でしたが、貸金業法改正による上限金利の度重なる引き下げ、そして総量規制の導入により成約率(貸付率)は下がる一方でした。
総量規制導入当時の成約率は大手でも30%台まで下がっていましたが、各会社の努力もあり今は40%前後まで回復してきました。この数字を見ても分かるように、今は大手でも10人中成約できるのは4人程度なのです。
中小の消費者金融は審査基準が大手より低いと言われており、それは当然のことなのですが(同じ審査基準ならほとんど貸せない為)、根本の基準、例えば総量規制で年収の3分の1の制限・延滞中の顧客には貸付不可・貸付不能の事故情報(債権者からの法的回収や3か月以上延滞中)は中小の消費者金融でも断りになります。申込の流れは大手⇒中堅⇒中小・地元密着と流れていく為、中小の消費者金融に申込みしてくる顧客層はほとんどが既に大手に断られた状態であり、総量規制オーバーや貸付不能事故情報者がかなり多い状態とも言えます。そのような状態であれば貸付できる顧客は限られており、成約率10%台はやむを得ないとも言えるのです。
総量規制の対象・対象外を把握することが必要
口コミのメリットは同じような借入件数・年収で可決、否決されたか分かることだと思います。しかし、口コミの中にはかなりの借入件数でも可決(借りられた)と書き込みがあるケースもあります。2010年6月に貸金業法は完全施行になり、総量規制が導入されました。総量規制とは年収の3分の1以上は原則貸付禁止とする法律です。口コミの中には年収1/3以上でも消費者金融から融資を受けれたとの内容も見ることがありますが、基本的に1/3以上の貸付は総量規制例外貸付(主に借り換えがメイン)や総量規制除外貸付などの特殊融資以外は法律違反となる為、貸付することはあり得ません(貸金業者の場合。銀行は対象外の為貸付は可能。詳細は総量規制対象外の借り入れ先を参照してください)。
口コミで年収1/3以上でも借りられたのは、その人の借入件数の内、何件かは総量規制対象外の借入だった可能性が高く、実際には年収の3分の1まで借入がなかったケースや、既存の借入先よりも低金利で融資を受ける条件に、借り換えをする総量規制例外での融資だったケースが考えられます。消費者金融で通常に年収の1/3以上融資することは絶対と言ってありませんので、口コミをそのまま信用して申込みしても必ず断られることとなります。
口コミで選ぶメリットとデメリット
これまで書いてきたように、口コミで選ぶデメリットは、審査の可否の真実性根拠は全く無いこと、同じ借入件数・年収でも一人一人によって審査結果は違ってくること。そして総量規制の導入により信用情報は複雑化しており、総量規制の対象・対象外まで書き込みがなければその情報はあまり当てにならないとも言えてしまいます。
しかしながら、必ずしもすべての口コミがデタラメと言っているわけでは無く、真実の内容も当然あります。審査が不安やその会社の対応、申込から融資までの実際の流れを確認程度で見ることは問題ありませんが、担当者の対応は良い人もいれば悪い人もいるので、担当者の対応が悪いと口コミを見てその会社のイメージを決めるのはまだ早いと言うこともできます。
いづれにせよ、口コミは申込みする前の多少の情報程度に捉えていた方が無難でしょう。ここまで規制が強化された中、正規の金融会社であれば法律遵守は当たり前となっており、昔みたいなサラ金の過剰貸付け・強硬な取り立ては一切無くなっています。最終的には自分自身の判断で申込することが大切なのです。
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