2014年11月19日
エンゼルトランペット・木立朝鮮朝顔
花便り、今回はエンゼルトランペットの花だと事務局から写真が届きました。
エンゼルトランペット、和名は木立朝鮮朝顔(キダチチョウセンアサガオ)ですね。春から秋にかけて、下向きに垂れ下がった花です。花弁の先端は、5つに分かれ反り返っています。原産地はアメリカの熱帯地方で、日本へは江戸時代の伝来とされています。大型の株に沢山の花をつけるのが魅力的だと、愛好者も多いようです。
このキダチチョウセンアサガオとは別のチョウセンアサガオという植物があります。
キダチチョウセンアサガオ属(Brugmansia、ブルグマンシア)が、チョウセンアサガオ属(Datura、ダチュラ)から独立し、現在は別属として扱われています。かっては、両者とも、ナス科チョウセンアサガオ属に入れられていました。その名残りからか両属をよく混同しダチュラと呼ばれていたりします。
両属の大きな違いは、次のとおりです。
キダチチョウセンアサガオ属は、高木または低木で、下向きの花をつけ、チョウセンアサガオ属は、一年草または多年草で、上向きの花をつける点です。
とはいっても両者、近縁の仲間の植物であり、同様に有毒植物です。含まれている成分はスコポラミン(ヒヨスチン)、ヒヨスチアミンなどで、薬草に使われることもありますが一般には毒草として扱われますので、取り扱いには十分注意が必要ですね。
チョウセンアサガオ(参考)
木の汁に触れないことが大切で、口に入れたり、傷口に触れたり、特に種を食べてはいけないそうです。食べたりすると、錯乱状態になったり、せん妄、幻聴、頭痛、めまい、興奮、錯乱、最悪、意識喪失、呼吸停止を引き起こし、死に至ることもあるそうですし、汁液が皮膚に付着すると炎症を起こす他、葉茎などの液汁が目に入ると瞳孔が散大し、見えなくなったり、重症の場合は失明したりするそうです。
強い毒性、麻薬的な効能もあるため、江戸時代には「まんだらけ」「気狂い茄子」と呼ばれ、「麻酔薬」として用いられました。
江戸末期、様々の苦難の末、世界初の全身麻酔手術に成功した江戸時代の医学者である華岡青洲(有吉佐和子の小説『華岡青洲の妻』があります)は、本種を主成分として精製した麻酔薬を使用したのでした。このことから日本麻酔科学会のシンボルマークに本種の花が採用されているのですね。
近年ではオウム真理教が「ダツラの技法」と称して信者を洗脳、自白させるための薬物原料に本種を用いたため、園芸名の「ダチュラ」にもマイナスイメージが付いたため、専らエンジェルトランペット(エンジェルズ・トランペット)の名で園芸店で販売されているようですね。 (参考:『広辞苑』『ブリタニカ百科事典』『Wikipedia』)
では、短歌を二首あげておきます。
碇 弘毅(『姫由理』2014)
つぼみより待ちて幾日黄の色に咲きたりエンゼルトランペットの花
立冬の午の街なか目を魅する五つエンゼルトランペットの花
こちら↓をクリックして、応援いただけたら幸いです。
いつも応援ありがとうございます。
エンゼルトランペット、和名は木立朝鮮朝顔(キダチチョウセンアサガオ)ですね。春から秋にかけて、下向きに垂れ下がった花です。花弁の先端は、5つに分かれ反り返っています。原産地はアメリカの熱帯地方で、日本へは江戸時代の伝来とされています。大型の株に沢山の花をつけるのが魅力的だと、愛好者も多いようです。
このキダチチョウセンアサガオとは別のチョウセンアサガオという植物があります。
キダチチョウセンアサガオ属(Brugmansia、ブルグマンシア)が、チョウセンアサガオ属(Datura、ダチュラ)から独立し、現在は別属として扱われています。かっては、両者とも、ナス科チョウセンアサガオ属に入れられていました。その名残りからか両属をよく混同しダチュラと呼ばれていたりします。
両属の大きな違いは、次のとおりです。
キダチチョウセンアサガオ属は、高木または低木で、下向きの花をつけ、チョウセンアサガオ属は、一年草または多年草で、上向きの花をつける点です。
とはいっても両者、近縁の仲間の植物であり、同様に有毒植物です。含まれている成分はスコポラミン(ヒヨスチン)、ヒヨスチアミンなどで、薬草に使われることもありますが一般には毒草として扱われますので、取り扱いには十分注意が必要ですね。
チョウセンアサガオ(参考)
木の汁に触れないことが大切で、口に入れたり、傷口に触れたり、特に種を食べてはいけないそうです。食べたりすると、錯乱状態になったり、せん妄、幻聴、頭痛、めまい、興奮、錯乱、最悪、意識喪失、呼吸停止を引き起こし、死に至ることもあるそうですし、汁液が皮膚に付着すると炎症を起こす他、葉茎などの液汁が目に入ると瞳孔が散大し、見えなくなったり、重症の場合は失明したりするそうです。
強い毒性、麻薬的な効能もあるため、江戸時代には「まんだらけ」「気狂い茄子」と呼ばれ、「麻酔薬」として用いられました。
江戸末期、様々の苦難の末、世界初の全身麻酔手術に成功した江戸時代の医学者である華岡青洲(有吉佐和子の小説『華岡青洲の妻』があります)は、本種を主成分として精製した麻酔薬を使用したのでした。このことから日本麻酔科学会のシンボルマークに本種の花が採用されているのですね。
近年ではオウム真理教が「ダツラの技法」と称して信者を洗脳、自白させるための薬物原料に本種を用いたため、園芸名の「ダチュラ」にもマイナスイメージが付いたため、専らエンジェルトランペット(エンジェルズ・トランペット)の名で園芸店で販売されているようですね。 (参考:『広辞苑』『ブリタニカ百科事典』『Wikipedia』)
では、短歌を二首あげておきます。
碇 弘毅(『姫由理』2014)
つぼみより待ちて幾日黄の色に咲きたりエンゼルトランペットの花
立冬の午の街なか目を魅する五つエンゼルトランペットの花
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