2014年10月02日
竜胆・りんどう(りんだう)
秋の名花・りんどうが咲きました。……と事務局から写真が届きました。
りんどうは、リンドウ科、リンドウ属の多年草、本州、四国、九州の山野に普通に見られます。また切り花用、鉢物用として、栽培もされていますね。
葉が笹の葉に似ているのでササリンドウとも呼ばれます。また、別名・古くは、えやみぐさ(疫病草)。生薬名は「リュウタン(竜胆)」で、根を煎じて健胃剤として利用します。名前はそこが由来と言われています。ところで竜胆というのは「竜の肝のように苦い」というのが由来です。
秋に筒状で先が裂した青紫色の美しい花をつけます。日が当たると花冠が開きます、晴天の時だけ開くのですね。
〈竜胆は、枝さしなどもむつかしげなれど、こと花みな霜かれ果てたるに、いと花やかなる色合ひにてさし出でたる、いとをかし。〉
と清少納言はこの花を称えています。(『枕草子』67段〈岩波文庫〉又は57段〈明治書院1937〉)、
〈あんなつまらぬ花は絶対に反対だ〉
と、牧野富太郎が、熊本県の推す「りんどう」について昭和29年(1954)全国の県花選定委員会で言われたと、同選定委員だった本田正次博士が書いています。(本田正次『郷土の花』三省堂) 牧野は、熊本を代表する花としては、りんどうではなく、熊本ハナショウブ(肥後菖蒲)を推したかったのかも知れません。結局、県花は「りんどう」に決まりです。
では、短歌を三首上げておきます。
太田水穂(『雲鳥』)
冬早き霜葉の中に咲きいでゝむらさき寒し竜胆の花
橋本野酔(『姫由理』1983)
りんだうの濃藍澄みたり群落の未だひとめにふれざるらしく
土屋文明(『ふゆくさ』)
ひるすぎてなほ下つゆの乾かざる落葉の中のりんだうの花
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